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第1分科会第2次提言(2003年6月25日)
作成・発信部署:企画部 企画経営課
公開日:2007年4月10日 最終更新日:2009年3月27日
三鷹市まちづくり研究所第1分科会(第2次提言)
市民協働センターのあり方について
平成15年6月25日
1 はじめに
平成14年4月に設置した「まちづくり研究所第1分科会」では、「新しい協働型社会のあり方について」を研究テーマとし、中でも早急に具体的な計画を立案すべき緊急課題として「市民協働センターのあり方」について集中的に議論してきた。
同年11月には、その基本的な考え方をまとめた第1次提言を市長に提出するとともに、さらに具体的な検討を行うため、市民協働センター検討チーム、地域通貨検討チームの2つのワーキングチームを立ち上げた。
本報告書は、第1次提言の基本的な視点をふまえ、市民協働センターの開設に向けて、特に運営方法と機能を中心にした検討結果をまとめたものである。市民協働センターの候補地としては、旧東京都労政会館を活用する案が市から示されているが、市民協働センターの開設後も実証実験としての運営を行う中で、三鷹らしいセンターのあり方をさらに模索し、新たに協働型社会を推進するネットワークの中核施設となることを期待している。
2 市民協働センターの運営方法について
(1)実証実験としての試行
市民協働センターの運営については、はじめから固定的なあり方を示すのではなく、実証実験としての試行的な設置・運営からスタートし、運営委員会の方式や必要な支援など協働センターの機能について、実証実験期間中さらに調査・検討を進めていく。
開設当初は、市職員が事務局を担い、実質的には公設公営的な運営手法からスタートするが、発展の方向としては、成果の検証・見直しを図るなかで段階的に事業を拡充し、市民、NPO等の運営参画による公設協働運営をめざしていく。
また、実証実験期間については、例えば3年間等の期間を設定し、検証の中で課題の抽出や改善を行いながら、実験終了後にその検証結果をふまえ、協働センター運営の再構築をめざす。
(2)準備委員会の設置
協働センターのオープンに向けて、運営体制や開設時に実施する当面の機能に関して具体的な検討を行うため、協働センター設置のための準備委員会を設置する。
準備委員会のメンバーは、まちづくり研究所第1分科会メンバーの一部及び市職員に加え、関係団体の代表等を追加し構成することが考えられる。
(3)運営体制の整備等
1 企画運営委員会の設置
市民協働センターに企画運営委員会を設置する。開設当初の企画運営委員会は、事業計画や予算案、事業実施の企画・立案を事務局とともに行うなど、運営の基本方針に関する提案を行う諮問機関的な機能が想定される。また、将来的な発展の方向性としては、運営の基本方針に関する機関決定を行う理事会的な機能をめざしていく。
2 企画運営委員会の構成
企画運営委員会の構成は、準備委員会メンバーを基礎とし、関係団体の代表を加えて組織することが望ましい。委員数は15人以内など上限を規定し、必要に応じて追加ができるよう、開設当初は人数を絞り込むことが必要である。
また、一定期間ごとに構成メンバーや組織の見直しを行うなどメンバーの固定化を避けるべきである。なお、運営委員会の委員は原則的に無償が望ましい。
(注)企画運営委員会の構成案
- 学識経験者(2人)
- 住民協議会、町会・自治会(2人)
- 社会福祉協議会(1人)
- 関係団体等(国際交流協会、福祉関係団体、市民活動団体等)(4人)
- 行政職員(事務局)(2人)
(合計11人)
3 事務局の機能
事務局は、企画運営委員会とともに事業計画や予算の立案を行い、事業の実施や予算の執行を行う重要な機能を果たす。開設当初は市職員が事務局を担うことが想定されるが、事務局をはじめとした運営に係る事務量を検証することも重要な実証実験の目的であり、様々な形態を試行すべきである。
また、将来的な課題として、事務局職員の市民公募等も検討すべきである。
(4)会員制組織(クラブ)の設置
市民協働センターの機能を効果的に発揮するため、運営委員会とは別に、協働センターの運営をサポートし、自らも主体的に活動を行う自主的な組織として、通信費程度の低額会費制による会員組織(クラブ)を設置する。
このクラブは、まちづくりに関心を持つ市民のネットワーク化を図り、初めてまちづくりに参加する個人や未組織グループの受け皿となるとともに、市民参加の窓口機能など協働センターの基本的な機能を具体化するための市民層を形成する準備的な組織となる。また、市民活動団体の人材確保を支援するための人材バンク的な機能を持つ。
(5)発展の方向
協働センターの持つ機能には、市民参加の窓口機能や新しい公共分野における協働推進機能、NPO等への活動支援など様々な機能が期待されるが、これらは段階的に展開していくことが現実的である。
運営方法についても、開設当初は市職員が事務局を担う体制からスタートし、事務局への公募市民の参加やNPO等への委託など、協働運営への展開をめざしていく。また、財政面においても、協働運営への移行に伴い、運営主体が一定の資金調達を行う運営手法が望ましい。
協働センターで実施する事業には、ア:市の事業、イ:市・NPO等の協働事業(部分的な事業委託やNPO等の自主的事業を含む)の2種類が想定されるが、協働運営への発展をめざす中で、市の事業の割合が減少し、市・NPO等の協働事業を拡大していくことが考えられる。
3 市民協働センターの基本的な機能について
市民協働センターは、これまで行政が主として担ってきた公共の分野を、市民・NPO等や民間事業者が協働の主体となり、新たに市民公益分野として登場しつつある活動領域も視野に収めて進めるという「新しい公共」のあり方を推進していくセンターとして期待される。
このセンターには、各地域が主舞台であるまちづくりをサポートするための基本的な機能が求められ、先の第1次提言において、その機能を示したところである。
本提言では、第1次提言において示した内容をより具体的に提案するという前提で、それぞれの機能のあり方を考察した。なお、現時点で考えられる機能であり、これらを開設時にすべてこなすのは、体制的にも財政的にも困難であると思われる。
したがって、これらの提案の中で、どの課題から取り組んでいくかは、今後設置されると思われる準備委員会の議論に委ねることとしたい。また、基本計画の改定等については、その手法が未確定であり、具体的なことが示された時点で、協働センターとしての関わり方を議論することになる。
(1)まちづくりに関する市民参加の窓口機能
1 市との連絡調整・関連NPO等との調整
基本計画の進捗状況・市の行政評価のPR(関連NPO等への情報提供及び来場者への周知)必要に応じて企画経営室等が行う意向調査の協力
2 計画策定(見直し)への提案の支援
基本計画の見直しにおける市民参加の支援
3 まちづくりに関する調査・研究
将来構想としてまちづくり研究所を運営し、まちづくりに関する研究成果を市やNPO等へ提言していく。
(2)「新しい公共」分野における協働推進機能
1 市が公募するボランティアや協働によるまちづくりの提案のコーディネート
市が公募する協働事業の窓口的機能を持ち、希望するNPO等やボランティアグループとの調整を行う。また、ボランティアを希望する個人に情報提供し、参加を促すとともにグループ化の支援を行う。
2 市民・NPO等が市に対して行う企画提案のサポート
市民と行政との協働のまちづくりを実現するための仕組みとして、市の提案を待つだけでなく、市民やNPO等が自らの発意により、まちづくりの提案ができるよう、協働センターは積極的な情報提供を行う。また、専門的な知識を有する団体や人材に関する情報提供、相談等を行い、市への企画提案をサポートする。
(3)NPO等への活動支援機能
1 NPO(法人)設立のための相談・助言機能
NPO法人設立を目指すグループに対し、申請手続きや要件等についての相談・助言等を行う。
2 コミュニティ・ビジネスに対する相談・助言
高齢者マッチング事業等と連携をとって、地域のニーズと希望者のマッチングを図るとともに、コミュニティ・ビジネスの立ち上げに関する相談・助言を行う。
3 地域通貨の導入支援
新たな市民参加とまちづくりの仕組みとなる地域通貨を導入するNPO等への支援ならびに、地域ニーズの把握に対する協力を行う。
4 住民協議会の活動との連携
住民協議会を中心とした地域活動の情報を収集し、住協相互の連携やエリアを越えた交流への支援及び、NPO等の活動の紹介を行う。
5 社会福祉協議会・ボランティアセンター・シルバー人材センターとの連携
現在活動を行っている機関と連絡を取り合って、情報の共有、連携事業の検討を行う。
6 地域資源の発掘・開発・仲介機能
地域の人材、資産、ニーズを発掘するとともに、それらを有機的に結びつけ、地域活動の活性化を図るため、人材確保への支援として人材登録・マッチングシステムを構築する。
7 活動を志す個人への支援
マッチングシステム等を活用し、個人の活動もサポートするとともに、同じ方向を目指す人たちの情報を提供しグループ化をサポートする。
8 NPO等・ボランティアグループへの財政支援
テーマを設定し枠を設けて、年数件程度のプロポーザル方式による補助事業の実施を検討する。
(4)市民活動への場の提供と交流機能
1 NPO等に対する交流拠点や場所・施設・機材の提供
市民活動を志すグループ・個人が自由にミーティング等を行える場所としての交流サロンの機能、登録NPO等への事務機器の貸し出し・使用、メールボックスの利用等を行う。
2 市民・NPO等との交流事業の実施及びコーディネート
市民活動のPRを行い、裾野を広げるとともに、活動する個人・グループの交流を図るための事業の実施及び出会いの場のコーディネートを行う。
(5)情報交流機能
1 地域や諸活動の情報収集・提供・発信機能
情報を集めるための仕組みを作り、市内で起きている動きを活動するグループや個人、住民協議会などから収集し、情報提供する。マッチング事業等で必要なニーズ把握の一環としても活用する。
2 NPO等の活動の紹介
各グループの活動を紹介し、それぞれの交流の促進を図るとともに、ニーズを把握する資料として活用する。
3 住民協議会、社会福祉協議会・ボランティアセンター・シルバー人材センターなどの活動情報の収集・提供
関連団体の情報を収集し、地域活動・市民活動と結びつけるために積極的に提供するとともに、協働センターの情報を各団体に提供する。
4 市民活動会議や学習会の企画・実施
必要に応じて、市民活動を行う団体・個人を対象にしたテーマ別の会議を開催する。また、個人を対象とした学習会を開催する。
- | 氏名 | 所属 | 所属WG |
---|---|---|---|
座長 | 中村 陽一 | 立教大学教授 | 協働センター(WG座長) |
副座長 | 新津 晃一 | 国際基督教大学教授 | 協働センター(WG副座長) |
- | 西尾 隆 | 国際基督教大学教授 | - |
- | 田尻 佳史 | 日本NPOセンター事務局長 | 協働センター |
- | 正満 たつる子 | 元市民21会議事務局長 | 協働センター(WG副座長) |
- | 向井 恒夫 | シニアSOHO普及サロン・三鷹 | 協働センター |
- | 齊藤 典美 | ファースト・ステップみたか | 協働センター |
- | 本山 幸彦 | ファースト・ステップみたか | 協働センター |
- | 宮川 齊 | 元市民21会議代表 | 協働センター地域通貨 |
- | 樋上 寛 | 大沢住民協議会会長 | 協働センター地域通貨 |
- | 加藤 敏春 | 地域通貨(WG座長) | - |
- | 島村 俊和 | 地域通貨みたか会議 | 地域通貨(WG副座長) |
- | 東出 吉弘 | 日本無線株式会社 生産本部副部長 | 地域通貨 |
- | 堀池 喜一郎 | シニアSOHO普及サロン・三鷹 | 地域通貨 |
- | 池田 健二郎 | 三鷹商工会 | 地域通貨 |
- | 宇田 邦宏 | みたかハンディキャブ | 地域通貨 |
- | 山本 永 | 子育てコンビニ | 地域通貨 |
- | 河村 孝 | 三鷹市企画部長 | 協働センター |
- | 柴田 直樹 | 三鷹市都市整備部長 | 協働センター |
- | 吉岡 雄司 | 三鷹市健康福 |
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