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まちづくりシンポジウム(第3回)パネルディスカッション(2)
作成・発信部署:企画部 企画経営課
公開日:2005年4月6日 最終更新日:2009年3月31日
まちづくりシンポジウム(第3回)パネルディスカッション(1)からの続き
「教育・子育てのまち三鷹を考えるシンポジウム」
パネリストからの問題提起
● 本間氏<働く女性と子育て支援>
時代が変わり、社会が変わっているのに、これまでのように母親一人が必死になって子育てをしていたのでは実は社会に対応できない子が育ってしまうのではないかと何年か前から考えるようになりました。アメリカの人類学者のマーガレット・ミードの言葉に「変化に対応する唯一の方法は、さらなる変化である」というのがあります。
私達市民も行政もこれから一緒に取り組んでいかなくてはならないのは、ただ保育園をもっと増やそうとか、市立幼稚園の後をどのように生かして、子育てに役立てて内容を充実させようといった具体的なことだけではなく、親と子や家族のあり方、社会の文化、企業のあり方、政府の政策など、私達が子どもと一緒に生きていくためには、もっと基本的な変化を目標として、模索することだと思います。
私は、すでに別居していますが孫のあるおばあちゃんなのです。ところがそのおばあちゃんが実はまだお母さんの役をしているのです。孫のお母さんの役をしているのではありません。一度は家を出てまた帰ってきた30代半ばの息子と娘のお母さん役なのです。それから、老いていく夫のお母さん役もしているのではないかとこの頃つくづく思います。アメリカのノジックという哲学者が「子どもはある家族の中に生まれて、その家族の子どもとして成長する。そして成年を過ぎると、親と同等になる。」と言っています。この「親と同等になる」というのは、社会人になって同等になるのです。ところが「親と同等であった子どもは、やがて年月が過ぎると親の親になるのが現代である」というのです。私がこれを読んだのは20年ほど前なのですが、その時家に姑と姑の母がおりましたから、私はノジックが哲学的に言った言葉を、本当に具体的に受け止めたのです。しかし現代、21世紀の私達は、いつ自分が子どもになれるのか、子どもに親になってもらえるのかということは、とても不安で、とても重要な問題になっています。
私がニューヨークに行ってしまった後で私の友達から「人間は生まれついて、親でも子でも地主と小作の2つしか種類がない。地主に生まれついたほうは子どもであろうが親であろうが、命令を発して何ごとによらず小作をこき使う。あなたのしていることは地主であって、年老いた親を搾取することなのだ。」と言われたのです。その頃ニューヨークで働いている女性は、たいていがやはり親が子どもの面倒を見てくれているか、地域の子育てが大好きでたまらないという女性が2~3人預かって育てるかということをしていました。私が60代になってから、この年で母が育ててくれたということは大変なことだったのだと思い深く後悔しています。しかし、現在は日本も男女雇用機会均等法ができまして、女性も働くようになり、保育園などのシステムが整備されました。それでは今度は母親だけが育児の重荷を背負えばいいのか。保育園に駆け込んで、預けて、それから迎えに行って、帰ってきて家事をする。これはとても大変なことで、ここにこそやはり保育の支援というものはあってほしいと思うのです。
91年のアメリカの統計ですが、結婚をして仕事をしている母親は、仕事・育児・家事に一週間につき88時間費やしているというのです。男性は65時間です。一方独身の母親は77時間です。つまり夫がいると、11時間一週間に働く時間が増えるということがあるのです。今男女に均等な機会を提供していると自負している企業も、このあたりを考えていただきたいと私はその統計を知ってから叫び続けているのですが、なかなか会社はそうならない。女性の家庭での役割に対してサポートが提供されない限り、やはり男女は均等機会ではないと私は思っております。
最後に、昔は子どもが家族の中で育つといっても、家族の中にいろいろな人が出入りして、人に触れる機会がありました。それから子どもは道で遊んで、そしてそれが子どもを遊ばせる空間でもあったわけです。今はどこにもそのような空間もないし、またアパートやマンションの一室で子どもを育てると人に触れる機会もあまりありません。ですからそのような意味でも、子どもが裸足で遊び、さまざまな方に触れることができる施設を、市立幼稚園の跡地を利用するなどして、市に整備していただきたいと思います。どうもありがとうございました。
休憩(19:38~19:43)5分間
パネルディスカッション
● 金子氏<親のニーズと子どもの権利>
子育てに関するご質問をお二方から、それから学校に関するご質問を2ついただいております。最初に子育てのほうからお話を伺ってみたいと思います。「子育ての負担感、不安感に対しての取り組みがさまざまに考えられていることは分かりましたが、主人公の子どもが大切にされ、子どもの権利が最優先されるという取り組みというのは、どのような形で実現できると考えられますか。」と大変大事なところかと思いますが、なかなか具体的に難しいと思います。大日向さん、何かご意見があれば、お願いします。
○ 大日向氏<子育て支援の専門性の向上の必要性>
この問題は、子育て支援を進めていく際の心すべき大事な点だと思います。「子育て支援は親のニーズに応えることだ」ということが、今各方面で言われています。私は親のニーズに応えることは、とても大切だと思い、それをフィールドで実現することを心がけておりますが、しかし、すべての親のニーズに応えるということが果たして本当に子育て支援になるのかということは、ご質問者のご指摘のとおりだと思います。
中には子どものことを考えると、応えてはいけないニーズもあるかと思います。ただ、だからといって「それは親のわがままですよ」と切り捨てることで、果たして本当に子どもの発達環境が保障できるかというと、それも違うだろうと思います。親のニーズの是非を一方的に決め付けるのではなく、親が自分のしようとしていることが、子どもにとってどのような影響を及ぼすのかを考えることができるような支援が必要だと思います。そのような支援をしていく力が本当の意味での子育て支援の専門性だと思います。子育て支援の活動をいかにしてスキルアップしていくか、あるいは子どもの権利と親のニーズとのバランスをどう考えていくかということは、専門性の向上という点で、支援者自身が常に学ばなくてはならない点ではないかと思います。
● 金子氏<問題行動と専門家>
専門性と親のニーズという点ですが、先程のパネリストのお話であったような、お母様が子どもを連れて来て、小児科で診ている間も静かにさせてあげられないというのは、やはり親がいけないのでしょうか。そのあたりはどのようにお考えですか。松田さん、お願いします。
○ 松田氏<地域の専門家等とネットワークの必要性>
診察室で口を開けない、嫌がるお子さん達は、たぶん保育の現場でも同じように問題行動を起こしていると思います。その子ども達を見ていくにはやはり地域での専門家、専門の施設、それから専門のネットワークが必要だろうと思います。
● 金子氏<親のニーズへの対応>
どこまで行政的な保障を行うかについては、誰がどう決めていいか難しいと思うのです。本間さんそのあたりご意見ございましたらお願いします。
○ 本間氏<明確に対応することが必要>
対応してはいけないような要望を持ち出した親には、びしっと言ったほうがいいのではないかと思います。というのは、私の連れ合いもある私立学校にいまして、その子どもよりは親の対応のほうが今大変な時代だということを、先生方からよく訴えられていたというのです。
○ 金子氏<一時保育を断られた場合>
本間さんとしては、例えば「あい・ぽーと」に行って、「お母さん、それは駄目よ」と言われたときには、「はい、そうですか」と言えますか?
○ 本間氏<パーソナリティの重要性>
それはおっしゃる方のパーソナリティですね。ふっと聞いて、ああそうかと思わせるか、思わせないか、多々あると思います。
○ 大日向氏<子育て支援の専門性とは何か>
今、本間先生が、「そう思わせるかどうかの違いがある」とおっしゃいましたが、そこがまさに専門性だと思うのです。私が申し上げた専門性というのは、大学等の乳幼児教育課程を出て、何か資格を持っているという専門性ではなく、もっと広い意味の専門性です。例えば支援者から見ると非常識な言動をとる親がいます。その場合、「いまどきの親は・・・」と言う前に、なぜそのような非常識な言動をとるのか、その背景となっている生活実態をしっかりと把握し、かつその上で「Yes」と「No」を言ってあげられるということです。その場合はカウンセリング・マインドも問われますね。「こんな頭の固い人の言うことは聞きたくない!」と思われるのか、「この人は私やこの子のことを大事に思って言ってくださっているのだ」と思ってもらえるかは、支援者側のカウンセリング・マインドがあるか無いかでも、異なるでしょう。さらに、一人の支援者にはできること、できないことがありますので、それを見分けることが必要です。できないことを地域の他の人や機関と連携して支援していくことも重要です。こうしたことが広い意味での専門性だと考えております。
「あい・ぽーと」のスタッフといつも話し合っていることですが、幼稚園や保育園にはコンスタントに親や子どもが来ますが、地域の子育て支援センターのような所は一期一会の支援の場です。ひろばのような所で何か言うときに、ひとつ言い方を間違うと、親はもう来てくれなくなってしまいます。親のニーズを育てていくためにも、引き続き来ていただけるような心がけも欠かせないのです。
○ 参加者A<子育て支援の充実と市の保障>
私は保育園に勤めています。今大日向さんが言ってくださった親のニーズに応えることや、子どもの権利とニーズに応えるということが支援として大切ということは、すごくいいなと思いましたし、そのようになれるといいなと思います。そこで行政的な保障に関してですが、保育園の子ども達と関わりながら、地域の人と地域の人の子育てを受け止めていくために、市の方で人的な配置の保障ができると、保育園などはほとんどが人と人との関わりなので、さらに子育て支援が充実するのではないかと思います。
● 参加者B<三鷹市の子育て施策の方針>
私は新宿区に住んでいるのですが、三鷹にあるNPO法人のフリースクール型に子どもを通わせている3児の母親です。大日向先生のお話にもありましたように、関係を作っていくというのは時間がかかると思うのです。新宿の方でプレイパーク(自分の責任で自由に遊ぶ場所)を作ろうという動きがありますが、そこで子どもが遊んでいるときに危ないことをしても、プレイパークを作ろうという場に来ているような人達は、危ない遊びを見守ろうという気持ちがあります。ところが、普段、下の子どもが3歳なので公園に連れて行くと、母親がみんな神経質になって、順番を守らせることなどに、ものすごくピリピリしているのです。幼稚園跡地の活用の話が出ているのですが、いろいろなアイデアがある中で、このような状況も踏まえ、三鷹市としては、どこに施策の力点を置こうとしているのでしょうか。
○ 小林企画部調整担当部長<基本計画の改定の中で検討>
三鷹市では現在基本計画の改定を行っています。今具体的にどのような方針なのかというお話でしたけれども、基本的には先程大日向先生がおっしゃったような形で専門性と地域の力をどのように繋げていくかが大きなテーマであると考えています。その形をどう現していくかということは基本計画で定めますので、是非具体的なご意見をお寄せいただければと思います。
● 金子氏<障害を持っている子どもの受け入れ>
もう1つ、保育関連のご質問が来ておりまして、「港区の『あい・ぽーと』では松田先生が担当されている発達障害や知的・身体障害を持つ子ども達の利用参加や、健常児達との出会いの場をお作りなっておりますか。あるとすれば、その療育やフォローケアのシステムについてお教えください。」ということで、これは「あい・ぽーと」に限らず、大日向さん、お話いただけますか。
○ 大日向氏<スタッフ体制の充実と地域の連携が必要>
はい。障害を持っている子どもと健常の子どもが自然な形で触れ合えるということは、子どもが育っていくためにも必要なことですね。「あい・ぽーと」の利用者は、0、1、2歳くらいの子とその保護者が多いのですが、そのくらいの年齢のダウン症のお子さんを連れたお母さんがお見えになって、ほかのお母さんと話をしたり、「赤ちゃんタイム」で体操したりしていることがあります。障害児を専門的に受け入れることは、それなりのスタッフ体制も必要なので、まだそこまでは至っておりません。ただ、一時保育で水頭症のお子さんを預かってほしいというお話がありました。そのお子さんは区内の療育センターのようなところで一時保育をしたことがありましたので、そのセンターの方々と「あい・ぽーと」のスタッフが、対応について綿密に打ち合わせをして、お預かりしたことがありました。障害をお持ちのお子さんのお母さん、お父さん達は、やはり子育てにとても疲れていらっしゃるということもありますので、そのような方々が気楽に地域のひろばに出入りできたらとてもいいと思いますが、そのためには受け入れ側の体制の整備が必要です。ひろばのスタッフ体制上の問題もあるかと思いますが、その場合には地域の他機関と連携して取り組むことが必要ではないでしょうか。
● 金子氏<障害を持っている子どもに対する専門家の役割>
私は、中野区で障害を持った方に使っていただくためのちょっとしたスペース-アパートを改造したスペースだったのですが-を持っていました。そこに、宿泊の施設とコンピュータを用意して自由に使ってもらったり、また、いろいろな活動をしました。例えば、ヘアドレッサーの方が、ボランティアで、1か月に1回、そこに来て車椅子の人などの髪を無料で切るというプログラムがあり、たいへん、好評でした。いろいろな方がいらっしゃいました。そこで、例えば、障害が重くて、ちょっとしたことでも骨折をしてしまう可能性のある方の、髪をボランティアが洗うのがいいのかどうかなどについて、ボランティアのスタッフでものすごく議論したのです。やってあげたいのですが、障害者に対する専門性はないし、お医者さんもいないしということで、すごく悩んでいたのです。ところが、ある時、ある障害を持った方にそのことについて聞いたら、「簡単よ。私がやってくれと言ったことをやってくれればいいのだから、別にあれやこれやと心配しないで、そこは駄目と言われればやめて、こうやってくれと言われればやってくれ。」と言いました。それで、問題解決です。すっきりしました。要するに聞くということが大変大事なのだと思ったのです。
さて、大人はそれでいいのですが、小さい子どもになると、やはり親や周りの人が理解してあげなければいけないし、親は専門性がなかったりするわけです。先程の大日向さんのお話で、専門性というのは単に専門知識を持っているとか、大学の修士号を持っているということではなく、やはりその時その時の関係を築くことができることだということで、なるほどと思いましたが、それだけは済まないこともあるのではないでしょうか。
そのあたりについて、少しヒントをいただきたいと思います。
○ 松田氏<地域の専門家が親を支えることが大切>
テクニック的なことに関しては、お母さんが一番上手になります。例えば気管切開をして吸引というような、かなり医療的に言っても難しいことでも、慣れてくれば、お母さんが一番上手になります。ただそうした方達が学校に行ったときにどうするかということが、多分大きな問題になっているのではないかと思います。それともう1つ、例えば注意欠陥/多動性障害だとか自閉症だとか言われて、どうやったら治るのかということについては、そういう意味では治りません。どのように育てていってあげればいいかということに関して言えば、これも母親をきちんと支えることが必要で、まず親に子どもの障害をきちんと理解してもらわなければなりません。ただ理解をしてもらうまでの間、支えるのが地域の保健師さんや保育士さんの役割で、最終的に診断をするのは、やはり医療機関の役割だと思います。親が「病院の診断を子どもに受けさせてもいい」と思える気持ちになるまで支えてくれるのが、地域のネットワークの力だろうと思っております。
● 金子氏<音楽教育と子育て>
次のご意見は本間さんに答えていただくのがいいかと思うのですが、「ピアノを通じて、人間育成を目指しています。居場所づくりを考えると同時に、子ども達に方向性・物の考え方を言って聞かす、説明することの大切さ、一緒に工夫して、変化をともに喜ぶこと、多々あることを教育・子どもの生活に結び付けたらと思っていますが、自信を持って言い聞かす親の姿勢がほしい。」ということです。ある小学校での調査では、親自身が、叱り方どころか褒め方も分からないといった意見があって、親としての自信がないのかなと思ったことがあります。
○ 本間氏<子どもが自主的に選択することが大切>
音楽・ピアノについては、方向性を与えるという意図があっては、あまり良くないと思うのです。まずは美しいものに触れさせることが大切なのではないでしょうか。
子どもはいっぱい美しいものに触れて、あれが自分にとっては美しいものなのだというように、だんだんと自分で選んでいくものなのだと思うのです。そのうち何が自分にとっていいのかを子ども自身が見つけるようになることが、私は一番好ましいように思います。意図せざる教育はなかなか難しいのですが、子どもは敏感です。
○ 金子氏<長野県の例>
確かにそうですね。私は実は長野県の教育委員をしておりまして、この間、県内のある高校に学校見学に行きました。そこは音楽の専攻があるのです。ごく普通の生徒が来ているらしいのですが、音楽演奏やコーラスが、すごく上手で、みなが協力している様子もよく分かって、普通の公立高校のイメージからすると、ずっと、よかったです。この間、全県レベルのあるイベントで、校歌で歌うためのオーディションがあったらしいのですが、そこで選ばれた女の子が、見学のときに、校歌をソロで歌ってくれました。さずがに、勝ち残っただけあって、上手でした。試験でいい点、悪い点というのは、ちょっときつい、と思う生徒は多いでしょうが、歌や音楽やスポーツなら、一生懸命練習して、「実力」で競い、力不足なら、また、努力をするということ。
高校時代には、そんな教育もいいなと思いました。
○ 本間氏<アメリカの例>
実はアメリカに住んでいるとき、町の教育委員会から手紙をもらいました。それは「あなたの子どもはとても音感に優れているので、今から専門教育をすれば、音楽の道で将来職業を持つことができる」というような文面なのです。60年代の話ですが、さすがにアメリカの教育委員会のすることは進んでいると思いました。小学校4年生だったのですが、このような手紙が来たけれど、と言うと、本人は「特別な練習なんかしたくないな」と言うので「それではやめなさい」というような親でした。
● 金子氏<認証保育園と市立幼稚園の廃園>
2つほど市立幼稚園の跡地、ないしは認証保育園について質問が来ております。最初は認証保育園の話で「最低基準というのが保育園にありますが、認証保育園にはさらに基準が低く設定がされています。子どもが育つ環境は、大人に責任があると思います。三鷹市でも認証保育園が次々とできていますが、子育て・待機児という視点からどう考えていますか。」ということです。
もう1つは「三鷹市立幼稚園の保護者であり、二中学区の保護者です。現在3園ある市立幼稚園が平成18年度末までに順次廃止されていきます。四十数年にわたって培ってきた幼稚園における幼児教育の環境がなくなること、人的財産、先生がなくなることについてどう思われますか。一度なくなったものを取り戻すことは、このようなことの場合ほとんど不可能だと考えます。今後生かしていく、残していく、伝えていく方法を教えてください。」ということです。市役所の担当の方、なにかコメントありますか。
○ 大石田健康福祉部調整担当部長<認証保育園と子育て支援施策>
認証保育園と言うのは東京都の認可保育園と、そうではない認可外保育施設の中間的な存在です。もともとベビールームや保育室などで、多くの問題が起きたときにその質を上げて、例えば駅の近くに預けたいといった新しいニーズをクリアするための1つの制度です。市として認証保育園に頼って、待機児解消を考えているわけではありません。認可保育園、認証保育園や認可外保育施設があって、それぞれの役割を上手に担えるように、今、次世代育成支援行動計画を作っておりまして、その中で議論をしているところです。
○ 小林企画部調整担当部長<幼稚園の跡地の施設利用策>
幼稚園の跡地の施設利用につきましては、基本的には保育園をベースに、ひろば機能や幼児教育機能を付加する方向を考えております。幼稚園の先生の人材としての活用も、それらの機能の中で生かしていくということを基本的には考えております。
● 金子氏<子育て支援施設の運営主体>
幼稚園の跡地利用につきましては、我々は懇談会で2回分、かなり時間をかけて、お話を伺ったり議論したりしました。行政がやっているから安心だという面がある一方で、行政がやると、かならずしもうまくいかないという側面もあります。NPOがやった方がもっと柔軟にできるという場合もあるし、ではいつでも、NPOでいいのかというと、NPOにもいろいろあります。昔は、行政の関与と言えば、認可保育園しかなくて、なかなか入れなかったり、早く閉まってしまうなど、いろいろと制約があります。今は認証保育園があったり、公設民営みたいな形で少しコストを抑えて作るものもあったり、いろいろなパターンができてきています。そのようなチョイスを検討して、うまく利用することも大事ではないかと思います。そのあたりを松田先生はどうお考えですか。
○ 松田氏<ケアに対する保障は行政の責任>
三鷹市の幼稚園は3つとも公設公営の施設ということなのですが、私は虐待や障害に関わっていますので、見つけてあげないとだめというグループが必ずあると思います。それを見つけて、ケアすることに対する保障は行政でなければできないと思っております。
○ 金子氏<施設は行政の直営であるべきか>
「行政でないといけない」というのは、設置自体がということですか。それとも実際にそこに入っている職員も行政の職員がよろしいということなのでしょうか。
○ 松田氏<行政が責任を持つことが重要>
行政の職員がということではなく、行政が責任を持ってやるということです。虐待の家庭にかかわるには、個人情報の守秘義務の問題があります。このようなとき、公設公営の機関の間の連携は取りやすいと言えます。
● 金子氏<子育て支援サービスの保障>
大日向さんの「あい・ぽーと」は、廃園になった区立の幼稚園の施設を、大日向さんが所属するNPOが委託を受けて運営しているという形態ですね。そこで、行政との関係とか、サービスの保障と言うのでしょうか。どうやったら安心してサービスを受けていただけるのかということについて、教えていただければと思います。
まちづくりシンポジウム(第3回)パネルディスカッション(3)へ続く
【平成16年度実施】三鷹市eフォーラムの目次
- eフォーラム【趣旨・概要】
- eフォーラム【利用規約】
- eフォーラム【よくある質問FAQ】
- まちづくりシンポジウム(第1回)基調講演(1)
- eシンポジウムの記録
- まちづくりシンポジウム(第1回)基調講演(2)
- まちづくりシンポジウム(第1回)パネルディスカッション(1)
- まちづくりシンポジウム(第1回)パネルディスカッション(2)
- まちづくりシンポジウム(第2回)基調講演(1)
- まちづくりシンポジウム(第2回)基調講演(2)
- まちづくりシンポジウム(第2回)基調講演(3)
- まちづくりシンポジウム(第2回)パネルディスカッション(1)
- まちづくりシンポジウム(第2回)パネルディスカッション(2)
- まちづくりシンポジウム(第3回)パネルディスカッション(1)
- まちづくりシンポジウム(第3回)パネルディスカッション(2)
- まちづくりシンポジウム(第3回)パネルディスカッション(3)
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