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まちづくりシンポジウム(第2回)パネルディスカッション(1)

作成・発信部署:企画部 企画経営課

公開日:2005年4月6日 最終更新日:2009年3月31日

「安全安心のまちづくり」

  • 日時:平成16年8月1日(日) 午後1時~3時30分
  • 会場:三鷹駅前コミュニティ・センター

コーディネーター

小出治(東京大学工学部教授)

パネリスト

山本正和(三鷹防犯協会副会長)
岡本容子(市民代表/生活安全推進協議会委員)
中山和義(三鷹青年会議所理事長)
玉木博(三鷹市生活環境部調整担当部長)

司会

小林裕(三鷹市企画部調整担当部長)

○ 三鷹市企画部調整担当部長 小林裕

お待たせ致しました。第2部パネルディスカッションに入らせて頂きます。
本日、パネルディスカッションにご参加頂きます方々をご紹介致します。まず向かって左側から、本日コーディネーターをお引き受け頂きました、東京大学工学部教授の小出治様です。専攻は都市工学、安全安心のまちづくりを都市安全計画、都市防災計画などの観点からご研究されていらっしゃいます。財団法人都市防災研究所理事長を務めていらっしゃいます。続きまして三鷹防犯協会副会長の山本正和様です。防犯協会副会長、また三鷹警察署協議会委員などご兼任されていらっしゃいます。続きまして市民の代表ということで、生活安全推進協議会の委員をされていらっしゃいます岡本容子様です。防犯のほかにも、女性問題懇談会など幅広い活動をされていらっしゃいます。
続きまして、三鷹青年会議所理事長の中山和義様です。青年会議所の活動の中で今後の防犯について、特に子供の安全についての取り組みを展開されていらっしゃいます。
最後に三鷹市の生活環境部調整担当部長であります、玉木博でございます。
それでは、パネルディスカッションに移りたいと思います。小出先生、よろしくお願い致します。

○ 東京大学工学部教授 小出治

どうも。今からパネルディスカッションを致します。
時間が1時間ということで非常に短いので大変なのですが、少し聞いて頂いて是非最後には皆様方からもご意見を伺いながら議論をしていきたいと思っておりますので、よろしくお願い致します。
それでは、最初に私から少しディスカッションの方向づけをさせて頂きたいと思います。今日は三鷹市の安全安心まちづくりということで、このようなパネルディスカッションが開かれているわけですが、先程伺いましたら、市民の市への要望の中でやはり安全安心ということが非常に高いということです。これを是非基本計画の中に反映して頂きたいと思っております。今、小宮先生のお話を伺っていて、目からうろこと言いますか、発想の転換を迫られているのではないかと思っています。それは要するに防犯に対して、犯罪に対して、非常に不安な状況だったり、悪化してきている中で、みんなで頑張らなくてはいけないと思っているのだが、それは今まで警察の代替わりと言いますか、警察のこのようなやり方に対して市民がそれに対して手助けをするというような立場から、あるいは犯罪者に対して直接的に我々がそれを抑止するのだという意気込みで来られていることに対して、そうではないのだということを今お話されたかと思うのです。
そうした場合に、今言われている警察と行政と市民の三位一体となった防犯というのは、一体何のか。逆に言えば、なぜ私たちが犯罪に対して何かをしなくてはいけないのか。
警察の仕事ではないのかという疑問もあると思います。そうした時に今小宮先生のお話を伺えば、なぜ自分達がやるのかというのが多少見えてきたのではないかと思います。
それは何かというと、要するに自分達の地域を自分達で管理するということが、犯罪を減らしていくことになるのだということだと思うのです。そのような意味で自分達の活動というのは、犯罪者を追いかける、発見することではないのです。それはそこの街の自分の足元に、例えば玄関を開けるとゴミが落ちている、自転車が放置されているといった、そのような日常の中のちょっと異常なことを見つけて、それを要するに改善していくということが、防犯の本当の活動だということになるのだと思います。
それをもう少し言葉を変えてみると、そのような地域の状況というのは、自分達の生活のレベル、質。別の言葉で言いますと「Quality of Life」ということになってくるわけです。それを自分達で維持管理していくというのは、これは市民の当然の役割なのです。当然ながらそれを支えていくのが行政になって、そのような意味で、我々のやるべきことが鉄のフィスト(こぶし)に対して、我々も鉄より強いものを作ってそれを壊すのだということではなく、その周辺の色々な現象として現れてくる柔らかい部分に対して対応していくのだということになるかと思うのです。そうすると、自分達のやることは一見犯罪とは関係ないことでもいいわけです。それは要するにお花を植えていくとか、あるいは子供達とお話をするとか、ありとあらゆる自分達の地域を良くする運動を継続的にすることが、犯罪の抑止に繋がってくるというように理解できるのではないかと思うのです。そうすると、色々な活動というのは多岐にあり得るわけです。だからそのような意味で、市の行政の中の他の例えば老人のケアの問題であったり、環境の美化の問題であったり、あるいは駐輪場の問題だったり、色々な問題がたくさんありますが、それの根は自分達の地域の維持管理ということで、根が繋がっているということになるわけです。そのような意味で、非常に広い仲間と一緒になって、お互いに1つの、ある時には犯罪・防犯ということで結束していくことも出来るということになるわけです。逆に言えば表面的には非常に違った、関係ないと思われる活動も、その地域に関して言えば全く同じ活動になるわけです。みんなが手を握って、握られてやっていくということが、非常に重要な議題にもなってくるわけです。そのような意味で地域を支える活動は非常に多岐に渡っていて、それをみんなで協力し合おうということも、防犯に非常に役に立つ方法でもあるのではないかと思っています。
それから、当然ながらその考え方も、皆さんの立場によって色々違うわけです。警察がある地域ということで共通して結束していくというが、非常に重要な問題になってくるのではないかというように思っているわけです。そのような意味で、今日は立場的に非常にアイアンフィストの、あるいはベルベットグローブの一番鉄に近いところの防犯協会からいらっしゃっている山本さん。それから岡本さんは逆に言えば、非常にグローブの外側にいらっしゃるのかもしれません。その間に中山さんと玉木さんという形になっているかと思います。そのような意味で、色々な立場の方が来られておりますので、非常に短い5分間ということでありますが、今までの話を伺ったり、今までそれなりの活動をされてきている方々ですのでお話を伺って、今特に何をやろうとしているのか、
それで何が一番問題になっているのかということを少しお話頂いて、それを出来ればどうしたいということを最後までにある程度の決意表明をして頂こうかと思っております。それでは、よろしいでしょうか。では大変申し訳ないのですが、順番は山本さんの方から是非お願いをしたいと思います。

○ 三鷹防犯協会副会長 山本正和

防犯協会の山本です。よろしくお願いします。それでは防犯協会から出席させて頂いておりますので、市民の皆様に防犯協会をご理解いただくため、防犯協会の沿革からご説明をさせて頂きたいと思います。三鷹防犯協会は、昭和23年3月1日に発足をしまして、現在56年が経過をしているところでございます。市内に11の町名がございますが、その中にございます町会・自治会等で構成され、現在67支部が活動をしております。この中には職域の方の支部もございます。三鷹防犯協会は三鷹警察署と一丸となりまして、民間の立場から犯罪のない明るい町づくりを推進しておりますが、その活動が評価され、平成15年には、全国防犯協会連合会並びに警察庁長官連名賞という大変栄誉ある賞を、今までの活動の中において頂戴致しました。
主な活動と致しましては、その1つは警察からの犯罪情報を市民に発信するため、防犯協会各支部を通じまして、末端の市民まで伝える重要な役割を担っております。2つ目と致しまして、犯罪情勢に対応した広報活動を行っております。具体的には駅前などでの防犯ビラの配布、また市内各所にありますコミュニティ・センター等のコミュニティ祭り等を通じまして、防犯活動の啓発運動を行なっております。また、各種団体・各地域の町会・自治会を通じまして、公会堂・コミュニティ・センター等を会場として防犯の講演会・講習会を行なっております。その3つ目は、地域安全運動でございます。
春の地域安全運動と秋に行なわれます全国地域安全運動を重点事業と致しまして、広報活動や一斉パトロールなどを実施し、市民にアピールしているところでございます。春の地域安全運動では防犯協会役員会と多数の市民によりまして、駅前商店街での防犯パレードも行なっております。秋に行なわれる全国地域安全運動では、三鷹公会堂で多くの市民の方々の参加を頂き、盛大に防犯の集いも行なっております。また、青少年を対象に防犯少年野球を防犯協会発足時の56年前から欠かさず続けておりまして、本年は56回大会を迎えました。本年の大会は7月26、27日に実施をしたところでございます。
また三鷹市内における犯罪の発生状況につきましては、ここ10年間は年間約3,000件前後を推移しております。昨年から犯罪抑止総合対策を強力に推進しましたところ、平成15年は2,651件と大幅に減少致しました。これは前年比マイナス361件になります。本年の上半期1月~6月でございますが、この状況は1,314件となっており、減少傾向を示しております。また犯罪種別では、侵入窃盗は減少をしておりますが、乗り物盗、特に自転車盗が増加傾向にあり、上半期現在358件と前年比115件の増となっています。
このようなことが、防犯協会活動の主なところでございます。

○ 小出氏

まだ重要なことがございましたら、お話して頂いて結構です。また機会があるかと思いますので、よろしくお願い致します。それでは岡本さん、市民の立場から是非お願いします。

○ 市民代表(生活安全推進協議会委員)

 岡本容子皆様、岡本です。よろしくお願い致します。私は協議会の公募による市民委員の一人です。従いまして、一市民の立場と協議会活動を通して犯罪や不安について、考えたり思ったりしたことを述べさせて頂きます。
私は毎日の生活で体・心・経済を3Kと言いますが、これが安定であるように願って暮らしております。さて最近は社会が急激な変化を遂げ、物・サービスの豊かさ、便利さの反面、犯罪が非常に発生しております。しかも昔と違って多様化、悪質化、凶悪化、巧妙化さえしております。警察のご報告では、上連雀・下連雀の犯罪認知件数が多いと伺っております。最近下連雀でピストル発砲事件がありました。私が住む家の同じ通りです。玄関に弾が数発打ち込まれました。人身事故がなく幸いでございました。そんなことがあると、ヘリコプターが長時間空を低空飛行で飛ぶ不気味な音と、道路は封鎖されたりと、私はとても怖かったのです。目撃情報があって、犯人は即日逮捕されました。
本当に良かったと思います。その時思ったことは、情報というのは重要だなということを痛感致しました。
現在、少子高齢化の進展で子供の数が減る一方、高齢者の数は増加しています。そして核家族化、高齢者の一人暮らし、夫婦二人暮しが多くなってきております。その中で子供や高齢者が犯罪のターゲットにされております。子供が帰宅途中、通路や公園等で痴漢や連れ去りなどの被害に遭っています。被害に遭わないためにどうするの、被害に遭ったらどうするのと子供に問いかけたい気持ちです。子供自身、自分を守るようにして欲しい、それよりも周りの大人は「3配り(目配り・気配り・言葉配り)」。これをやりたいと思います。それから私は児童遊園で世話人をしております。色々なことがあります。植えたばかりの花を根こそぎ抜き去られたこともあります。それから、飲み捨ての缶。しかも缶の中は飲みかけで、たばこの吸殻も入っていて、それが毎日のように放置されるということが続きました。その放置で思い出しました。自転車。これが合計4回くらいです。私は少し置かせてもらっているのかと思っていたのですが、これは盗難自転車かもしれません。緑と公園課にご連絡して、申し訳ないですが引き取って頂きました。警察に申し上げれば良かったかもしれません。
最後に高齢者の被害について巧妙化しております。なけなしの資産を目当てに手口が巧妙化しているということです。国民生活センターの平成15年度70歳以上の相談件数がすごく増えまして、5年前と比べると3倍くらい。商品は布団や浄水器。浄水器が1個50万円。どうしてそんなに大金をと申し上げたいところですが、次々販売で3個買った方もいる。それだけ騙しの手口が巧妙です。三鷹市の消費者相談も平成14年度の件数を頂きましたが、それよりも最近はもっと増えてしまっていると相談員の方はおっしゃっておられました。屋根の工事の被害もあります。警察の清水(きよみず)課長さんからよく伺うのですが、「おれおれ詐欺」には気をつけなくてはいけないと伺っております。うちの夫が危うく引っかかりそうになりました。ところが電話がかかってきた
時に「おれ、おれ」と言うので、「おれ、おれってT(孫の名前)か?」と聞くと、「そうTだよ」と言ってから後の話の仕方が、どうも違うということに夫は気づいたそうです。「うちの孫は、そのような話し方はしておらんよ」と言ったら、ガチャッと電話を切られ、被害に遭いませんでした。私はこの時に、高齢者に情報提供が大事である。そして見やすい、読みやすい、分かりやすいという3つのポイント。それから地域の人間関係、やはりご自身の防衛意識が必要と思った次第でございます。
まだ、協議会で色々学んだこととかもございますが、後の方のご発言にお邪魔するといけないので、これで終わりにしたいと思います。先生、よろしいでしょうか。

○ 小出氏

後でまたお伺いしますので、よろしくお願いします。すみません。それでは中山さんにお願いしたいと思います。

○ 三鷹青年会議所理事長 中山和義

中山です。よろしくお願いします。三鷹青年会議所では20歳から40歳のメンバーが、日々ボランティアで地域を良くする活動を色々しています。例えばわんぱくサッカーフェスティバルや、井の頭公園での国際交流フェス
ティバル、わんぱく相撲など色々な活動を行なっています。最近は子供に関する事業を多く行なっておりまして、第4小学校の子供たちに対する学習の支援活動等も行なっております。
このような活動をしていく中で、子供が犯罪に巻き込まれる、そんな事件が多くなってきているように感じることが多くなりました。最悪の場合には子供が事件に巻き込まれて死んでしまう。そのような事件が起こる。そのような世の中になってしまったと思います。我々メンバーや私もそうですが、小学生の子供を多く抱えるメンバーがおります。被害に遭ったご両親が「うちの子供にはこんな夢があった」というお話を聞くと、大変切なく非常に胸が痛い思いがします。防犯の基本は自分の身は自分で守る。これが基本だと思いますが、子供や高齢者などの弱者にとってそれを強く求めるのは酷なことだと思います。特に犯罪が今日のように凶悪化や複雑化している中では、どうしても地域防犯というような形の強化が必要だと感じます。そこで青年会議所では色々研究した
結果をふまえて、三鷹市議会へ請願を出させて頂きました。本日もいらっしゃって頂いておりますが、三鷹市の職員の方が何もしていないということではなく、さらに応援したいというメッセージを込めて、防犯・治安の支援向上を求める請願という形で市議会に出させて頂きました。請願の柱となる内容が2つあるのですが、1つは地域の防犯のネットワークを作りたいということを要望しました。防犯協会の方も然り、各々の町会の方も然り、皆さん一生懸命に防犯活動をされている。しかしこの力をより強力にするためには、各々の団体が情報を共有化して、時には一緒になって事業を行なう。そのようなことが、さらに町全体の防犯意識を高めることに繋がると思います。また稲城市や新宿区などで最近行なわれているのですが、情報の発信システム。これの構築をして頂きたいということを要望致しました。携帯電話のメールなので犯罪が起きた時に、リアルタイムでその情報を発信する。これによって防犯意識が高まるとともに、二次被害が防げるのではないかということで提案させて頂きました。
また、来週日曜日の8月8日になるのですが、さらに皆さんに防犯の意識を持ってもらいたい。特に子供たちに防犯の意識を持ってもらいたいということで、三鷹子供防犯フェスティバルというものを、13時から16時まで三鷹中央通りで開催させて頂きたいと思います。これは三鷹市、三鷹警察署、三鷹市教育委員会、三鷹国際交流協会のご後援で、ライオンズクラブやロータリクラブ、商工会、サッカー協会にご協力頂いて、広く色々な団体に参加して頂く。これによって子供を守る地域ネットワークを発展させていきたい。また通行している方々に子供たちから防犯についてPRすることによって、さらに関心を持って頂きたい。そのような活動をしていきます。少々堅いことを言いましたが、当日は三鷹警察による防犯のデモンストレーションや、大道芸人のパフォーマンス、FC東京グッズが当たる抽選会、子供たちによる防犯パレードなど、非常に楽しいイベントとなっております。是非ご参加して頂きたいと思います。
またこの1回だけで活動が終わるというわけではありません。防犯については末永くみんなで考えていかなくてはいけないということを踏まえまして、今回は第1回目としまして、2回、3回と開催していきたいと思っております。私もこのような団体をしておりますので是非参加したい、そのような方がいらっしゃいましたら、お気軽に三鷹青年会議所へ申し出て頂ければ、是非一緒にみんなで地域の防犯について考えていきたいと思いますので、よろしくお願いします。以上になります。

○ 小出氏

それでは市から玉木さん、よろしくお願いします。

まちづくりシンポジウム(第2回)パネルディスカッション(2)へ続く

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