都市計画変更案に係る三鷹市の意見書 （素案）

国と東京都は6月に東京外かく環状道路（世田谷区宇奈根～練馬区大泉町間・約16キロメートル）(以下「外環」という。)の都市計画変更案に関する縦覧および意見聴取を行い、計画の具体化に向けた取り組みを進めています。現在、三鷹市では、今回の変更案に係る三鷹市の意見書としてまとめている段階です。

　国と東京都は6月に東京外かく環状道路（世田谷区宇奈根～練馬区大泉町間・約16キロメートル）(以下「外環」という。)の都市計画変更案に関する縦覧および意見聴取を行い、計画の具体化に向けた取り組みを進めています。

国・都が考える「外環の都市計画変更案」

国・都が考える「外環の都市計画変更案」

外環の手続きの段階と事業の流れ

外環の手続きの段階と事業の流れ

都市計画変更案に係る三鷹市の「意見書」を作成中

　三鷹市では、「都市計画変更案」について、三鷹市の「意見書(素案）」を作成し、11月に市民のみなさんへ説明させていただき、内容についてのご意見を聴取しました。今後は、これまでの各委員会や審議会での意見も含め、市民のみなさんの意見を所管審議会であります三鷹市都市計画審議会での審議の参考とし、最終的には三鷹市の「意見書」を平成19年1月に都へ提出する予定です。

東京外かく環状道路計画の都市計画変更案に係る三鷹市の意見書（素案）

要旨（平成18年11月現在）

（下記添付ファイルをご覧ください。）

計画の変更内容についての評価

　外環の都市計画案については、従来の高架構造方式から、地上への影響が比較的少ない地下方式へと変更、また、東八インターチェンジについてはジャンクションと一体型構造として、東八道路北側への影響を極力回避するなど、可能な範囲で地域環境への影響に配慮した計画案として一定の評価を行う。

現段階では事業着手までは容認しない

　インターチェンジが設置されることにより、周辺の利用交通の増大をはじめ、これに伴う環境への影響が危惧されるが、こうした周辺地域の交通やまちづくり対策については、未だ具体性がなく十分でないため、現段階では事業着手までは容認しない。

真摯な検討及び課題解決への努力を

　今後、東京都都市計画審議会や国の国土開発幹線自動車道建設会議（国幹会議）で、審議が行われることになるが、引き続き外環計画の妥当性について、真摯な検討を重ねると共に、三鷹市はじめ沿線区市から出された課題や問題点について、誠意を持って解決に当たり、理解を得る努力を行うこと。

都市計画の変更についての条件

　三鷹市域の良好な生活環境の維持、三鷹市民の利便性の向上、市民の安全・安心のまちづくりが推進されるよう、以下の各項意見の確実な履行や実現に向けたて取り組みを要望。以上を確約することを条件に、都市計画の変更を行うことについては同意する。

1 都市計画案検討の前提

1　市のまちづくりへの全面的協力

　外環計画が及ぼす地域へのマイナス面の影響を極力回避するとともに、中央ジャンクションが計画されている地域を中心とする市のまちづくりに対して全面的な協力を行うべきである。

2　環境影響評価準備書に対する意見書への真摯なる対応

　本年10月に提出した環境影響評価準備書に対する市長意見では、インターチェンジが設置された場合の、市内幹線道路等への交通量や環境面での負荷の増大に対する予測や対策が充分でない点をはじめ、多くの問題点について指摘した。今後も、これらの課題について、積極的な情報提供や解決策の提示など、真摯な対応を図るべきである。

2 外環本線及びジャンクション部の整備に関する要望

3　外環本線の安全性の確保と環境負荷の低減努力

　今回の外環本線は、大深度地下を活用した最先端技術による大規模プロジェクトとなるが、その安全性や地下水への影響、また災害や事故発生時の対応などについて、市民の不安や懸念に真摯に対応し、なお一層の安全性の確保と環境負荷の低減に努めるべきである。

4　ジャンクション上部の高環境の創出

　三鷹地域で予定されているジャンクション部では、コミュニティの分断をはじめ道路の切断など、まちづくり上の大きな課題発生が予想される。広大なジャンクション部については可能な限り蓋掛けを行い、コミュニティの分断や道路の切断を避けるとともに、当該地域が緑と水の公園都市の拠点地域、またコミュニティの醸成に寄与する空間ともなるよう、市並びに地元住民とも充分協議し、緑豊かな公園的な空間の創出に努めるべきである。

5　換気所の設置による環境悪化への対応

　三鷹市はこれまで、市内に2箇所予定されている換気所については地域にとって迷惑施設であり市として設置を望まないと一貫して主張してきた。今後も換気所を必要としない技術の開発に努めるとともに、止むを得ず換気所を整備することになった場合には、最新の技術を適用して処理技術の高度化、縮小化を図るとともに、防災拠点を併設するなど、最大限の取り組みを進めるべきである。

3 インターチェンジ周辺域の環境変化への対応

6　コミュニティの分断対策と周辺まちづくりの推進

　国及び東京都は地域コミュティの分断対策に万全の対策を講ずるとともに、ジャンクション・インターチェンジ周辺地域を含めた都市基盤の整備、良好な住環境の創出、農家が営農継続を可能とする施策の推進など、事業者の責任において総合的なまちづくりの推進に努め、市が取り組む事業にも最大限の協力を行うべきである。

7　インターチェンジ周辺の都市計画道路等の整備

東八インターチェンジの開設までにインター周辺の車の分散や交通の安全対策を進めるために、以下の道路事業の実施を求める。

(1)　東八以南の三鷹3・4・12号線北野区間（三鷹3・4・13号線まで）
(2)　三鷹3・3・11号線（新川2丁目交差点まで）並びに調布3・4・17号線（国道20号まで）
(3)　連雀通り〜人見街道（放射5号線まで）について、安全な歩道の整備、右折レーンの整備、交差点改良など交通安全事業を実施
(4)　人見街道の交通安全事業と連携させ、三鷹3・4・12号線の東八道路から人見街道間の都市計画事業の実施

市が当面整備を求めない道路事業

(5)　市が(1)～(4)で整備を求めた道路（区間）以外の東八インターチェンジ周辺都市計画道路（三鷹3・4・12号線井の頭区間など）については、現時点で、三鷹市としては道路事業の実施を考えず、慎重な検討を進める。

地上部街路「外環ノ2」への適切な対応

　地上部街路「外環ノ2」について、現時点で、三鷹市としては「外環ノ2」の整備を考えず、引き続き住民意見及び市の意見を十分尊重し、地域の特性に合わせた適切な対応を図るよう要望。また、この検討過程で、東京都は「外環ノ2」の計画予定地についての環境やまちづくりの課題、防災シミュレーションなど基本的なデータを示し、道路事業以外に公園・遊歩道・緑道など選択肢を広げた上で、慎重に検討を進めること。

8　インターチェンジ周辺域を含む市内の環境変化への対応

　東八インターチェンジの設置による利用交通量の増加などから、周辺地域では交通面や大気質・騒音などの環境面からの大きな変化が予想される。こうした事態に対し、国及び東京都は環境の悪化等に適切に対応できるよう、計画の具体化や周辺整備の各段階を通じてこれら課題に対する予測、シミュレーションを実施し、永続的に観測・検証を実施できる体制を整えるべきである。その上で、関連情報については迅速に公開し、問題の発生に対しては未然に、また速やかに事業者としての責任において対応すべきである。

4 都市計画変更後のその他の課題

9　国及び都における総合的施策の推進

　国及び東京都は、外環本線の整備を優先することなく、外環をとりまく周辺地域の環境改善につながる総合的なまちづくりを推進するため、市を含めた各機関の円滑な連携体制の確立に努めること。とりわけ、タテ割り組織で道路事業だけを推進するのではなく、総合的な対応組織や調整組織を設置し、地域の総合的なまちづくり支援体制を確立すること。

10　都市計画から事業着手へと至る過程についての市としての考え方

　三鷹市として、今後の計画の具体化とそのための検討・協議のプロセスには誠意をもって対応するが、外環計画の事業着手については、今後、事業決定に向けて国及び東京都が本市に及ぼす影響をどこまで低減し、地域のまちづくりにも寄与するかを慎重に見極める中で判断していく。

外環に関する詳細情報

• 国土交通省関東地方整備局東京外かく環状国道事務所
  （電話＆ファクス）フリーダイヤル　0120-34-1491（所在地）〒158-8580　世田谷区用賀4-5-16 TEビル7F
• 東京都都市整備局都市基盤部街路計画課
  （電話）03-5388-3279　（ファクス）03-5388-1354