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平成23年第3回教育委員会臨時会会議録(3)
作成・発信部署:教育委員会 総務課
公開日:2011年11月29日 最終更新日:2011年11月29日
平成23年第3回教育委員会臨時会
日程第1 平成24年度使用中学校教科用図書及び小・中学校教育支援学級用教科用図書の採択について(協議)
秋山委員長
それでは協議の結果、公民的分野の教科書については、教育出版といたします。
次に、地図についての協議を始めます。地図については、教育出版が発行している教科書はございませんので、教育長に協議に加わっていただきます。よろしくお願いします。
鈴木委員
東京書籍は、何々について説明してみようとか、あるいはノートにまとめてみようという、言語活動の充実に対する指導ができるように配慮されているという印象を受けました。
寺木委員
今、鈴木委員がおっしゃった東京書籍についてですが、東京書籍の教科書は、地図の基本的な活用法の理解のために基本的な約束事や使い方について、巻頭に示すようにしてあります。それぞれの地図が地球上や日本列島のどこにあるのかがわかるように、地図の右下に地球儀や日本列島を模した位置図が掲載されていることも、使いやすさについて配慮し、工夫されているように思います。また、地域の様子が、具体的につかめるよう、資料図の近くに関連した写真が掲載されています。そのような特徴を思いました。
秋山委員長
もう1社の帝国書院については、いかがでしょうか。
寺木委員
帝国書院の教科書は、「地図を見る目」というコーナーを設けて、具体的な視点を紹介しています。それに加えて、衛星写真、航空写真等、景観写真が効果的に組み合わされているので、地域の状況や特色を生徒がイメージしやすい工夫がなされていると感じました。ほかにも、「やってみよう」というコーナーで、具体的な国のデータ比較などを通した問題設定など、生徒が問題を身近に感じ、解決への意欲を高める工夫がされているように思いました。
鈴木委員
帝国書院は、地図あるいは写真の精密さ、あるいは見やすさなどの点で、地図専門の会社がつくったという感じを強く持ちました。データとしても生活、あるいは文化、あるいは歴史に関する数値がさすがに充実しているという印象を持っています。
秋山委員長
ほかにいかがでしょうか。
河野委員
地理的分野の教科書でも話題になりましたが、地図では見やすさという点は一番大事なことだと思います。ワイド判で、見やすさ、使いやすさという点では、帝国書院は非常によいのではないかと思います。
貝ノ瀬教育長
帝国書院ですけれども、やはり日本、それから外国の地名索引を見ますと、大変見やすくできているということ。それから、地図帳では、やはり索引の充実度が使いやすさについて直接影響することがございます。やはり生徒が主体的に学習していけるという意味では、使いやすさ、調べやすさは非常に大事なことかと思います。
秋山委員長
いかがでしょうか。ご意見を比較すると、帝国書院を推すご意見が多いと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
秋山委員長
それでは協議の結果、地図については帝国書院といたします。
では次に、数学についての協議を始めます。それでは、ご発言をお願いいたします。
河野委員
東京書籍は構成が工夫されていると思いました。例題の後に「たしかめ」があって、例題の内容を確認してから次のステップに行く流れがあります。理解を確実にさせるという点で、数学が苦手な生徒にとっても、わかりやすい工夫がなされていると思います。また、学習した内容を確認するための「ちょっと確認」や、誤った解答の例を示した「まちがい例」が、いろいろな箇所に掲載されていて、生徒自身が振り返りがしやすいと思います。
秋山委員長
確かに、河野委員がおっしゃったように東京書籍は、基礎の確認や補充のための補充問題などの問題が細かく系統的に設けてあると思いました。生徒の実態や習熟度の程度に応じて、指導がしやすいのではないかと思います。
ほかの教科書はいかがでしょうか。
寺木委員
啓林館の教科書について申し上げたいと思います。学習の流れという点で見ると、啓林館は、「本編」と、207ページの「くり返し練習」、215ページにあります「数学ひろば」という構成になっていて、生徒の実態や授業時数に応じて選択できるようになっていることが特徴であるようには思いました。
鈴木委員
日本文教出版の教科書ですが、すべての学年が2ページで1単位時間の内容を扱う構成になっていまして、基本問題の後には理解の状況に応じた問題が選択できる設定になっています。全体を見ると、各社とも小学校算数との関連を大切にした内容が多く掲載されているという印象を持っています。
教育出版ですけれども、章の導入に、小学校の単元との関連を掲載しております。
数研出版では、小学校算数からの内容も大切にしながら、やや難易度の高い問題も多く配置されているという印象を持ちました。
河野委員
大日本図書や学校図書は、生徒が主体的に取り組める数学的活動が、たくさん紹介されています。思考力や表現力を育てるために、バラエティーに富んだ題材が用意されているので、数学を学習する楽しさを味わえるように工夫されていると思います。子どもたちにとっては、数学を学ぶ楽しさが味わえると思います。
秋山委員長
算数と数学については、特に系統的な学習が重要かと思います。三鷹市は小・中一貫教育を行っていますが、その一層の充実を図るための視点、それから、現在すべての小・中学校では、算数、数学については少人数指導を行っているので、その現状を踏まえてのご意見はいかがでしょうか。
鈴木委員
習熟度別の学習を行う場合には、もちろん一番基本の問題に解法を簡単に示すだけではなくて、きちんと授業で考えさせていくことが大切ですが、その意味では、東京書籍は、使いやすい、かつ、よく考えられているという印象も持ちました。
また、問題の導入の際には、日常の生活経験をわかりやすく写真、あるいは絵で提示したり、身の回りの数学に目を向けた活動を取り入れておりまして、生徒の興味・関心を持たせられているという印象を持ちました。
秋山委員長
ほかにはいかがでしょうか。
河野委員
東京書籍は、補充問題と発展問題のバランスがよく配置されていると思います。発展的な題材も多く配置されていますので、生徒の習熟度に応じて、基礎・基本から発展までをしっかりと身につけさせることができると思います。
寺木委員
今、お二人の委員がおっしゃったように、私も東京書籍の教科書に非常に関心を持ちました。特に、1年生で小学校の学び直しができるように工夫してあると思いますし、小学校からの連続で系統立てて学べるという意味では、すべての学校で小・中一貫教育を実施している三鷹の義務教育の中で、この教科書を使うことはよいのではないかと思いました。
秋山委員長
それでは、東京書籍を推す意見が多いと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
秋山委員長
それでは、数学は東京書籍の教科書にいたします。
次は理科についての協議を始めます。ご意見をお願いいたします。
河野委員
小学校からの系統性を踏まえて、学習に取り組めるようになっていると思います。各社、この点は今回、工夫されていると思います。実際の授業の際に参考になる観察、実験の手順や活動例の写真を見ていくと、画像のわかりやすさと多さでは、大日本図書の教科書が特徴的だと思います。特に安全性の配慮も、基本的な器具の操作や事故防止についても、生徒の立場から見て、とてもわかりやすいと思います。
鈴木委員
確かに大日本図書は、観察あるいは実験の挿絵、写真も充実しています。生徒が学習に取り組む際に、具体的なイメージを持って授業に臨めると思いますし、また自習の際にも、授業を思い出しやすくなるのではないかと思います。
秋山委員長
鈴木委員がおっしゃったように、確かに大日本図書は、取り上げられている観察や実験の数が多いように見えます。開いてみたら、それが強く感じられます。
鈴木委員
大日本図書ですが、観察あるいは実験の後に、必ず「観察結果から考えてみよう」、あるいは「実験結果から考えてみよう」という、課題について考察する場を設定してあるところも、観察、実験を通じて、思考力、判断力、あるいは表現力を育てることに役立つのではないかと思われます。
寺木委員
私も、大日本図書の各章の終わりにある、グラフや図を読み取ったり、文章を読んで考えたり、説明したりする問題も、読解力、言語能力の育成という、社会的な要請にこたえているように思います。先ほどご意見のあった観察、実験のわかりやすさと、言語活動を通した科学的な思考の育成のバランスという点から見ても、大日本図書はよいのではないかと思います。
秋山委員長
そのほかの教科書はいかがでしょうか。
寺木委員
東京書籍ですが、小学校からの学習内容の系統性を各単元の冒頭のページで示してあり、生徒がこれから学習する内容について、見通しを持って学習に取り組めるように工夫がしてあります。それから、言語活動の充実に配慮がしてあって、「わたしのレポート」というところで、結果や考察をどうのようにレポートにまとめたり、発表すればよいかということをわかりやすく示してある部分もよいのではないかと思いました。
鈴木委員
学校図書ですけれども、学習の要点がわかりやすく構成されておりまして、特に日常生活と学習内容の橋渡しになるページを、各内容の冒頭に設けてあります。また、「どんな仕事?」という問いかけのコラムもありまして、学習内容と関係する職業を紹介してございます。生徒が理科を学ぶための動機づけを多方面から行っておりまして、興味、あるいは関心を高めようとしているのは大きな特徴だと思われます。
秋山委員長
ほかにいかがでしょうか。
寺木委員
教育出版について申し上げたいと思います。科学に関心を持つように、授業で学習した内容を、「学習したことを活用しよう」というコラムで、実際に振り返ってみる点はおもしろいと思いました。単元終わりの、「家族や友達とチャレンジ」というコーナーなど、学習をさらに活用したり、探究したりするための工夫の部分もよいように思いました。
秋山委員長
ほかの教科書はいかがですか。
河野委員
啓林館の教科書はちょっとおもしろい構成で、教科書本体とマイノートと分かれておりまして、マイノートがついているというのが特徴的です。このマイノートにスケッチの仕方や、グラフや回線図の書き方が実際に書き込めるようになっていて、生徒の表現力、思考力を伸ばそうとする手だてとして、特徴的な構成になっていると思いました。
寺木委員
理科に限らず、どの教科でも、新しい学習指導要領では言語活動の充実が求められているのだと思いますが、言語活動を充実させるためには、文字や図表などによる情報の充実と、実際の観察、実験などの体験的活動の充実の両方が必要だと思います。その点、こうやって各社を見てみると、特に大日本図書は科学に対する生徒一人一人の興味・関心が高められるように工夫されていることは、大変よいことだと思いました。
秋山委員長
中学校の理科の授業では、生徒が主体的に観察や実験に取り組んで、自然の不思議さとか美しさに直接触れることが、これから重要になっていくと思います。こうした視点から、大日本図書の言語活動と観察、実験の関連を重視するという編集趣旨がよいという意見が多かったように思います。
いかがでしょうか。皆さん、大日本図書を推す意見でよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
秋山委員長
それでは協議の結果、理科については大日本図書の教科書といたします。
次は、音楽(一般)についての協議を始めます。それでは、ご発言をお願いいたします。
鈴木委員
教育出版の教科書ですけれども、学習の手順が明確に示されておりまして、目標の達成についての、確認の項目が設けられているというのはよろしいと思いました。それにしても、私たちが音楽の教育を受けたころとは随分違う、楽しさが全面に感じられる教科書になっているという印象を強く受けました。
河野委員
どの教科書も、演奏者の活動写真やイラストがたくさん掲載されていて、非常に魅力があると思います。
教育出版の教科書を見ると、例えば鑑賞の学習で感じ取ったことを発表したり、話し合ったり、書いたりする活動ができるように配慮されております。コミュニケーション能力を育成する点から、このような学習がしっかりと設定されているというのは、すぐれていると思います。
教育芸術社の教科書は、生徒の思考、判断、表現を行う場面が明確に示されていて、吹き出しを示すことで、この場面で何をするのかがわかりやすく示されていると思います。
寺木委員
私も、教育芸術社については、「感じ取ったことを言葉で表現する」とか、「根拠を持って批評する」という言語活動については、とても大切な力だと思いますし、具体的に示された箇所が多いという部分では魅力があります。
鈴木委員
教育出版は、我が国の郷土の音楽、伝統音楽といいますか、その曲数がやや多い点から、生徒が伝統音楽に興味・関心が持てることは、非常にすぐれていて、よいと思います。
教育芸術社に関してですが、諸外国の音楽の鑑賞の曲数がやや多いということで、教科書の後半にまとまっているのは見やすいという印象を持ちました。
秋山委員長
教育出版の2年生、3年生用の後半の「歌のアルバム」のところに、たくさんの合唱曲が掲載されているのが、資料や曲目数が充実しているという印象を持っています。
寺木委員
そうですね。委員長がおっしゃるように、合唱曲がたくさん載っているということは、生徒にとって親しみやすいことだと思います。どちらの教科書も甲乙つけがたいとは思いましたが、あえて言わせていただければ、教育出版のほうがより使いやすいのではないかとは思いました。
秋山委員長
それでは、意見も一致したようですので、教育出版でよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
秋山委員長
それでは、音楽(一般)は教育出版の教科書といたします。
次は音楽(器楽・合奏)についての協議を始めます。それでは、ご発言をお願いします。
河野委員
教育芸術社は本文中に登場する演奏家が、楽器との出会いや、楽器への思いなどを語っているページがあり、生徒が関心を高めて、楽器の学習活動に取り組める工夫がなされていると思います。
鈴木委員
教育芸術社の教科書ですけれども、取り上げている楽器の種類、あるいは曲数も多いと思います。それから和楽器の取り扱いも多くて、和楽器の特徴である姿勢といいますか、あるいは奏法に関する写真がありまして、詳しく説明してあります。日本の伝統音楽についての取り上げ方もよいと思いました。
秋山委員長
ほかにございませんでしょうか。
寺木委員
教育出版の教科書は、琴の楽譜や三味線の三線譜が掲載されていて、伝統的音楽に関して、生徒の興味・関心を喚起させる工夫があると思いました。9ページに琴の数字譜というのでしょうか、それが載っていて、私が見ましてもなるほどなと思う部分もあります。
一方、教育芸術社は、表現と鑑賞を効果的に積み重ねて、音楽に対する感性や表現能力を伸ばし、系統的な学習ができるように工夫されている点がよいと思います。鑑賞の学習があって、それを発展させて器楽の学習へとつなぐことができるように、関連が図られた教材の配置がされているように思いました。
秋山委員長
それでは、意見も一致したようですので、教育芸術社でよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
平成23年第3回教育委員会臨時会会議録(1)の目次
- 平成23年第3回教育委員会臨時会会議録(2)
- 平成23年第3回教育委員会臨時会会議録(3)
- 平成23年第3回教育委員会臨時会会議録(4)
- 平成23年第3回教育委員会臨時会会議録(5)
- 平成23年第3回教育委員会臨時会会議録(6)
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