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平成23年第3回教育委員会臨時会会議録(2)

作成・発信部署:教育委員会 総務課

公開日:2011年11月29日 最終更新日:2011年11月29日

平成23年第3回教育委員会臨時会

日程第1 平成24年度使用中学校教科用図書及び小・中学校教育支援学級用教科用図書の採択について(協議)

秋山委員長

 それでは協議の結果、書写の教科書は教育出版といたします。
 では次に、社会科地理的分野についての協議を始めます。それでは、ご発言をお願いいたします。

河野委員

 東京書籍は、関連する資料を見開きごとにまとめてあって、生徒が自主的に学習を進めていける工夫をされていると思います。基礎的・基本的な知識、技能を習得できるようにされておりますし、あるいは人口問題などについても、コンパクトによくまとまっていると思います。課題を設定してのテーマ学習では、学習過程を具体的に提示しています。インターネットを活用した学習活動の仕方も示しているのが、特徴的だと思いました。

寺木委員

 教育出版は、世界のさまざまな地域として、アジアとヨーロッパをバランスよく取り上げていることが特徴のように思います。生徒の興味や関心を生かした学習活動につなげるために、「トライ」という項目を設定して、「○○について調べてみよう」、「○○をまとめてみよう」など、生徒の自発的な学習意欲を高めていけるような構成になっています。発展的な内容にも工夫があり、「地理の窓」というページで、「地域から世界を考えよう」、「現代日本の課題から考えよう」など、地理的分野と現代社会との関連性にも配慮がされているように思いました。

鈴木委員

 教育出版は、コンピュータを使って、生徒が調べた結果をプレゼンテーション用にまとめる画面が例示されておりまして、今後必要とされるICT教育との関連性も意識されているという印象は受けました。

秋山委員長

 ほかの教科書はいかがでしょうか。

寺木委員

 帝国書院の教科書は、地図が見やすいのが特徴です。また、「チェック&トライ」という見開きで学習課題を提示し、それに対して図表を読み取ったり、学習に必要な技能を解説したりする項目を設けていて、生徒みずから、課題に対して自分の考えを見出すという構成をしています。本文と写真などの資料が連動していて、問題をつかむというか、把握するというか、そういうことから始まり、調べる活動をして、まとめるという問題解決的な学習の流れが具体的に示されているように思いました。

鈴木委員

 問題解決的な学習は非常に重要なことですけれども、資料あるいは地図との関連を意識して作業をさせる学習過程の流れを明確に示していることは、今、お話がありましたけれども、中学校の生徒がみずから主体的に学ぶということに関しては、非常に有効であると思います。各ページごとに、どのような段階にあるか記載しているところが非常にわかりやすい。写真、資料なども大きく扱っておりまして、見やすいという印象を強く持ちました。

秋山委員長

 確かに、生徒が自主的に学ぶ意欲を伸ばしていくことは、これから社会人として生きていく上で、とても大切な力だと思います。地図と写真などの資料が本文と連動して、横に配置してあるレイアウトなどは、とても教えやすいのではないかと思います。地理的な広がりを生徒に認識させる、意識させていく一つの工夫であるかと、私も思います。

河野委員

 同じく帝国書院のものなのですけれども、調べ方としてのインターネットの活用についても触れられております。ネットで調べるだけでなく、自分で課題を解決していこうとする意欲を反映している構成がとられていると思います。
 それから、例えば1年生の190ページなどを見ますと、さらに深めようということで、ここでは通信技術を生かした過疎地域の取り組みを見ようということで、発展的な内容が取り上げられておりますけれども、こういうところも大きな特徴だと思います。

寺木委員

 日本文教出版の教科書ですが、全体的に、経済発展とともに環境問題を取り上げたり、日本のさまざまな地域に関しての内容やページが比較的多いことが特徴です。世界の中での日本の位置や役割をとらえることができるような工夫が感じられました。

河野委員

 吹き出しや、ノートのまとめ方の例などで、わかったこと、考えたことを示しているというのは、身近な感じがします。具体的でわかりやすく、学習に活用できるのではないかと思います。

秋山委員長

 どの教科書もそれぞれによさがありますけれども、いかがでしょうか。

鈴木委員

 おっしゃるように、どの教科書もそれぞれよさがあるということですが、生徒が主体的に課題解決的な学習の流れを計画して、実際に主体的に進めていける工夫が強く特徴として出ている、帝国書院の教科書がよいのではないかと私は思います。

寺木委員

 私も、地図の見やすさと写真図版の取り上げ方のバランスのよさ、そして本文との連動性は帝国書院の大きな特徴のように思います。

河野委員

 私も、帝国書院の教科書は地理的な広がりが感じられるつくり方をしていますし、基礎、基本と発展的な内容の両方にバランスよくページが割かれていると思います。言語活動を意識したまとめのページや、語句の活用などにも触れられていますから、三鷹市の中学生として身につけるべきことを、確実に身につけられる配慮がされていると思います。

秋山委員長

 それでは、地理的分野の教科書は帝国書院でよろしいでしょうか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

秋山委員長

 それでは協議の結果、地理的分野の教科書は帝国書院といたします。
 次に、社会科歴史的分野についての協議を始めます。それでは、ご発言をお願いいたします。

寺本委員

 歴史の教科書は、客観的、科学的に資料や記述がなされていることが大きなポイントではないでしょうか。
 まず、東京書籍の教科書は取り上げている時代区分や、歴史上の人物の記述数など、全体的にバランスよく編集している印象を受けました。日本の歴史に合わせて、世界の歴史についても多く取り上げられているように思います。内容では、各時代の初めに写真や絵などを多く取り上げて、その時代をイメージさせ、その時代の学習の終わりに新聞づくりや、比較表づくりなどの、時代のまとまりを意識させる学習活動が掲示されていて、時代の特徴をとらえやすい編集になっていると思いました。

河野委員

 東京書籍は、ほかの教科書よりもちょっと大きくワイド判になっておりますけれども、この分、資料が見やすい大きさで掲載されていると思います。

寺木委員

 教育出版について申し上げたいと思います。見開きごとに「読み解こう」という項目を設けてあって、生徒が資料の読み取りや考えを深めるための工夫、つまり言語活動に関連する学習について、意識して多く取り上げられていることが特徴のように思います。ほかにも1つの時代と別の時代の連続性や、時代ごとの相違点について注目して時代を特徴づける構成も、編集上の工夫が見られました。

鈴木委員

 清水書院の教科書ですけれども、ページが多くて、時代ごとの記述が丁寧になされている印象を受けます。特に近代の日本と世界について、ページ数を多く割いているところがあります。また、歴史上の人物などのコラムも豊富に掲載されていると感じました。
 育鵬社の教科書ですけれども、今回の教科書の中でも、歴史上の人物を中心にした編集方針であることが伝わってきます。特に「近代の日本と世界」という時代区分の中では、多目に人物の記述がなされているところがあります。折り込みの部分に漫画風の人物絵巻が入っていることも、特徴的かと思います。

秋山委員長

 ほかにはいかがでしょうか。

河野委員

 帝国書院の教科書は、独自の視点として、例えば1年生の80ページなどを見ますと、人間と自然のかかわりを取り上げていたり、人権、福祉、教育などを紹介する「時代末コラム」というページを設けておりまして、現代の生活に関連する視点を生徒に持たせる工夫がされている点では、興味深く拝見いたしました。

秋山委員長

 日本文教出版についてなのですけれども、古代と中世の絵を見比べようとか、課題を設定して行う学習等、「歴史を掘り下げる」ということで、中世の女性たちというのを設けたり、生徒の学習意欲の高まりに対応しているという印象を受けます。見開きごとに提示してある、「はてなマーク」のコーナーも学習のきっかけとなるようで、興味深く思いました。
 ほかの教科書はいかがですか。

寺木委員

 自由社は全体として歴史人物に重点を置いた構成が目立ちます。歴史上の人物、特に近代の日本を中心に記述箇所が多く見られます。コラムの中にも「人物クローズアップ」という歴史読み物を設けていて、本文に書いてある内容を、より詳しく発展させたコーナーがあります。ここでは二宮尊徳ついての記述がありまして、銅像などが載っています。

秋山委員長

 ほかにいかがですか。

河野委員

 どの教科書も、工夫がされていて、とてもいいと思いますけれども、すっきりしていて読みやすい構成なのは東京書籍ではないかと思います。歴史に関する指導は、扱う情報量が膨大な分、生徒にとって読みやすいことは大切なことだと思います。学習の見通しもつきやすいと思います。

鈴木委員

 私も、東京書籍は情報量及び構成のバランスが非常によろしいという印象を持っています。歴史は流れですけれども、その流れをとらえやすく説明していると工夫を感じます。

秋山委員長

 確かに情報量が多過ぎても、生徒にとって、かえって歴史を複雑にとらえさせてしまうことにもなりかねないと思います。古代から中世、近世、近代、そして現代と、歴史上の人物の数も含めて、バランスよく取り上げられていることが、中学生にとって将来に対する客観的な歴史観の醸成につながるのではないかと思います。
 こうした視点からご意見を比較すると、全体としてのバランスのよさという点では、東京書籍の声が多かったように思うのですけれども、いかがでしょうか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

秋山委員長

 それでは協議の結果、歴史については東京書籍といたします。
 次に、社会科公民的分野についての協議を始めます。それでは、ご意見をお願いいたします。

寺木委員

 公民的分野は、憲法を頂点とした法治国家、民主主義国家としての日本の仕組みを、中学校の生徒がわかりやすくとらえていけるものが望ましいと思います。また、政治だけではなく、経済活動や国際社会における日本の役割に関しても、公平に取り上げられていることも重要なポイントではないかと思います。
 東京書籍の教科書は、項目として見ると、政治について取り上げる割合が多いという特徴を感じました。内容的には、章の最後にグラフを活用する学習課題のページを設け、資料の意味を考えながら、体験的な学習活動ができる構成がされています。最近、ニュースでも問題になっているインターネットと人権について、この教科書には、「公民にアクセス」というコラムがあって、インターネット上での人権侵害が取り上げられています。生徒の日常生活の問題に焦点を当てようとしているところが、こんなところにも見られるように思います。

河野委員

 教育出版は政治の項目の中で、自由、権利や責任、義務について、わかりやすく記述してあります。特に憲法の仕組みや裁判の仕組みが比較的わかりやすく、きちんと記述してある点が評価できると思います。また学習の最後に、「持続可能な社会の実現に向けて」という項がありまして、この点についてレポートを書く学習があります。このような学習は自分の考えや意見をしっかり持って、他者に伝えていくということで、これからの国際化社会を生きていく中学生に、ぜひ身につけてほしい力であると思います。

鈴木委員

 清水書院ですけれども、各章ごとに「公民ファイル」というページが設けられておりまして、内容ごとに学習を深めたいという自主的な生徒の要求にこたえられるつくりになっています。ほかにも、最終章に卒業論文を書く単元がありまして、これがひとつ特徴になっています。内容としては、責任や義務についての記述が丁寧な印象を受けたということであります。

秋山委員長

 ほかにはいかがでしょうか。

河野委員

 帝国書院は、内容として、個人と社会のかかわりについての記述箇所が多いことが特徴の一つだと思いました。責任や義務についても、経済面と政治面の両面からバランスよく取り上げています。内容的には、資料活用の技能を身につけるために、「技能を磨く」という項目を設けていることも特徴的だと思いました。

鈴木委員

 日本文教出版の教科書ですけれども、各章の課題に関する事例問題がありまして、現代社会の見方、あるいは考え方を活用して解決する、「チャレンジ公民」というページを設けております。それで、生徒が学習したことを生活に生かそうとする意欲を高めるような取り組み、あるいは工夫が見られます。最終章のレポート作成という課題につきましても、地理と歴史の学習内容を踏まえまして、例えば「対立と合意」とか、あるいは「効率と公正」というフレームを使って、独自の学習テーマが設定されていることで、学習内容と実生活のつながりを意識した視点が見られるということであります。

秋山委員長

 ほかにはいかがでしょうか。

寺木委員

 自由社の教科書について、拝見して感じたことを申し上げたいと思います。「私たちと国際社会の課題」に多くの割合を割いているように思いました。また、個人と社会のかかわりについて、関連した記述も多いことが特徴のように思います。「学校と地域社会と国家」という項目の中では、情報化社会の到来によって発生した社会問題が記述されており、29ページにそういう視点で書かれたところがあるので、読ませていただきましたが、中学生の興味・関心を問題意識につなげる工夫もされているように思いました。

秋山委員長

 どの教科書も最終章に、よく特徴があることが多いですけれども、育鵬社の教科書の最終章には、「国づくり構想」という観点から、私は内閣総理大臣、○○な国、日本、国づくり構想を立てようという形で、テーマを設定して、プレゼンテーションやレポート作成などの調べ学習と表現力の育成を考えた内容があります。これはとても特徴的ではないかと思いました。政治に関係して、責任、義務について、記述されている箇所も多くて、生徒が社会に主体的にかかわる意識を高めようとしている意図があるように見えました。
 ほかにはいかがでしょうか。

河野委員

 どの教科書も、さまざまな工夫がなされていると思います。ただ、日本国憲法、法律をもとにした日本社会のあり方をわかりやすく、すっきりと説明できている点では、私は教育出版の本は非常に中学生にとってはわかりやすいのではないかと思います。
 例えば1年生の目次を見ますと、第2章で「人間を尊重する日本国憲法」ということで、憲法について非常によく説明されております。それに基づいて、第3章で憲法がどういうふうに、私たちの暮らしにかかわってきているのかということ、それから地方自治についても説明がなされておりますので、やはりこのあたりは非常にすっきりとした説明がなされていると思います。
 文章による記述だけでは内容を理解するのが難しいと思われる、裁判制度についても、非常にわかりやすく図解してありますし、企業のCSRが取り上げられていることも大きな特徴だと思います。

鈴木委員

 基本的には変化していく社会に対して、中学生なりにどのように向かい合って、どのように生きていくか考える力をつける、その基礎として、公民の学習の価値はますます高まっていくと私は思っています。
 先ほど、法律の専門家でいらっしゃる河野委員からお言葉がありましたけれども、生徒には、憲法をはじめとした法体系をわかりやすく学習できることが重要だということですが、私もそのように思います。また、この日本は既に国際社会の一員としてグローバリズムの波の中にあるわけでして、日本という国や、あるいは国際企業といいますか、それがいかに国際社会に貢献していくかということを、中学校の段階でしっかり教えることも重要だと思います。
 こうした視点から考えますと、全体として条件を満たす教科書は教育出版ではないかと、私は思いますが、いかがでしょうか。

秋山委員長

 これまでの協議を踏まえて、教育出版がよいとのご意見をいただいたようですけれども、いかがでしょうか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

平成23年第3回教育委員会臨時会会議録(3)」へ続く

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