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平成23年第2回教育委員会定例会会議録(2)

作成・発信部署:教育委員会 総務課

公開日:2011年9月3日 最終更新日:2011年9月3日

平成23年第2回教育委員会定例会

日程第2 議案第5号 平成23年度基本方針の承認について(2)

河野委員

 議案書の4ページの第1についてまずお伺いしたいのですが、確認のためここに記載されている相互の検証とか、いろいろなものの相互関係についてまずお伺いしたいと思います。
 この中に、まず「三鷹子ども憲章」というのがあって、「三鷹市教育ビジョン2022」というのがあります。それからこの基本方針というのがありますけれども、この三つの相互の関係なんですけれども、これはどういう関係に立つのか。つまり、例えば「三鷹子ども憲章」というのは法律で言えば憲法みたいなものなのか、「三鷹市教育ビジョン2022」というのは長期的な教育計画みたいなものなのか、その中でこの基本方針というのはどういう位置づけなのかについて説明をお願いいたします。

秋山委員長

 お願いします。

藤川教育部長

 「三鷹子ども憲章」は7か条から構成され、各条の一文字目をつなげると「みたかのこども」となるように工夫して、子どもたちが親しみをもって、三鷹の子どもが自分たちが目指すべき子ども像を唱和できるようにと制定したもので、後ほどまとめたものをお持ちいたします。ですから、教育ビジョンや基本方針とは直接のつながりはございません。もちろん考え方は重複していますけれども、子ども向けの子どもが暗唱するような憲章になっております。
 「三鷹市教育ビジョン」については、今言われたように、教育委員会としての中長期計画といいましょうか、ある程度のスパンを見た上で三鷹がどういう教育をしていきたいかをまとめた中長期的なビジョンでございます。ただし、三鷹市全体の基本計画に計画期間を合わせようと今新たなビジョンの策定に取り組んでおりまして、12年間のスパンを見て、ここで今つくり直そうとしているということでございます。

河野委員

 この教育ビジョンはそういう長期的なものだということはわかりましたけれども、それとこの基本方針との位置づけなんですけれども、それは教育ビジョンという長期的なものを実現するための具体的な施策と考えればよろしいのですか。

藤川教育部長

 施策と、もちろん考え方も入りますが、要するに4年なら4年、次は12年になりますけれども、中長期的な目標に対してその1年その1年どのように取り組んでいくのかということを定めているのがこの方針です。ですから、1年やって成果が上がったもの、ある程度うまくいったものについてはより高い目標に、進んでいないものについてはもっとこういう手順をとりましょうというような形で、1年1年の時点、時点で修正を加えて、今日、こういう説明をさせていただいているところでございます。例えばエアコンなどは、今までにはありませんでしたが来年度の事業に入ってきますと、それを明記しているということでございます。ですから、大枠の考え方としては教育ビジョンの考え方にのっとっておりますけれども、それを踏まえて1年1年どう取り組みますかという方針が述べられているものだとご理解いただければと思います。

河野委員

 そうすると、例えば小・中一貫教育校の充実と発展というものについては、特に表現の変更はないようなんですけれども、12年の中でどういうふうに具体的にビジョンに向かって毎年の基本方針が変わっていって、そのビジョンを達成するのかというのがいまひとつわかりにくいと感じますが。

藤川教育部長

 本当はもう一つ事業計画というものがございまして、これはこれにあわせて4月にまたお示しします。教育ビジョンがありまして、1年1年の基本方針、これは主に考え方で、事業も若干入ってまいりますけれども、さらにそれを具体化して具体的にこういう事業をやりますと並べた事業計画、これは今回お認めいただいた補正予算だとか、これから審議が始まります来年度の市の予算、そういう予算審議を踏まえて具体的に事業化されたものを事業計画としてまとめますので、そういう意味で言いますと3層構造になっていますね。教育ビジョンと、それを1年1年におろした基本方針と事業計画という形になっていまして、ですからこの基本方針の部分は考え方でもあり、具体的な事業もある程度ピックアップして載せるという形になっていますので、その辺のころ合いについては、どこまであげる、あげないということについては、私どもで、これは根幹にかかわるのであげておこうとか、これは事業計画に載っていればいいんじゃないかというような形で区分けして展開しているところです。

河野委員

 前の教育委員会のときにも議論があったと思うんですけれども、基本方針で基本的な考え方を述べられている部分と、事業計画的なものが混在しているために、考え方の部分なのか、それとも事業計画の部分なのかを厳密に分けられていないので、少しわかりにくいところがあるように感じています。これはずっとこういう整理の仕方でよろしいのかどうか。考え方は考え方、その考え方に基づいての具体的なプログラムはプログラムということで明確に基本方針の内容についても分けていくことを検討していただく必要があるのではないかと思っています。それが一つ。
 それから、この1ページ目の冒頭の表現が、ちょっと読みますと、「急激に変化する現代社会のなかで、世界の平和と人類の福祉に貢献していくために市民一人ひとりの自己形成の場の充実が求められている」と書いてあって、ここはあまりにも大上段といいますか、これは三鷹市の教育の基本方針だと思うんですね。もう少し三鷹市の基本方針であるということを踏まえた表現があるのではないかと。市民の方がこれを見た場合に、普通の市民の方は世界の平和と人類の福祉に貢献していくと言われても、何と言いますかぴんとこないといいますか、もう少し地に足がついた表現が必要なのではないかなと思いますけれどもいかがでしょうか。

藤川教育部長

 このあたりについては、教育ビジョンは中長期計画ですので、わりと大上段に構えていまして、特にこれは基本方針の冒頭の部分ですから、教育ビジョンの一番大上段に構えたものをそのまま受け継いで展開しているという格好になっています。今新しいビジョンの検討の中でビジョンの位置づけを、本当に高邁な思想とか考え方に絞っていくか、または、それとは別に具体的な計画を展開していくのか、それともビジョンというのは2層の構造も含めて、具体的なところまで全部含めてビジョンにするのか、その辺も議論していますので、ご指摘を踏まえて来年度以降どうするかよく考えてみたいなと思います。

河野委員

 考え方の部分についても、非常に高邁な理想の部分と現実的な考え方の部分とが、非常に混在していまして、一読してどういうことを目指したいのかがいまひとつわかりにくいのではないかなと思います。だから先ほどの基本方針については、考え方の部分と具体的な事業計画の部分をもう少し明確に分けられるということと、それから考え方についても、高邁な理想の部分と三鷹市としてできる具体的な考え方の部分とをもう少し峻別して練っていったほうが今後はいいのではないかなと思います。

伊藤総務課長

 基本的に部長のお答えしたとおりですが、まず一つは、今、教育ビジョンとの関係を見直していますので、その中でしっかり整理していくということを前提に、ある程度、どうしても計画を策定する場合には、まず一番最初には高邁な思想といいますか、これは市の自治基本条例であるとか、あるいは基本構想という市の根幹となる構想もありますけれども、それは平和の希求、自治の推進とかですね、やはり自治体として目指すべき一番上の理念があって、その後で少しおりてきた形のものがあるという構成と、それから、どうしても毎年の基本方針ですので、一定の事業計画のエッセンスが含まれる。そのつくりの整理が入り組んでいる印象を受けるところがあるのだと思います。その部分についてはもう少し、初めてごらんになった方にもわかりやすいような整理の仕方といいますか、例えば施策の重点性であるとか、ある程度の部分はビジョンに基づいて、特に学校教育の部分はビジョンに基づいた構成になっていますので、それはご指摘の点を踏まえて検討していきたいと思います。

河野委員

 そうですね。それから、こういう基本方針というのはつくることに意味があるわけではなくて、実際に成果として目に見えるところに意味があると思うんですね。ですから具体的にどういうことを毎年の改善点としてやっていかれるのか、どこに重点を置いて、具体的にどういう成果を上げていくのかがやっぱり大事なのではないかなと思います。

伊藤総務課長

 その点につきましては、この基本方針と事業計画に基づきまして、点検、評価というものを毎年実施しておりますので、そうした形で個々の事業について、重点事業については点検、評価の形でPDCAサイクルが回るような仕組みは一応できています。さらにそれを効果的かつよりよいものにしていくために、新たなビジョンの中でも検討していきたいと思います。

貝ノ瀬教育長

 別な言い方をしますと、教育の分野については、ちょっとほかの分野と違う特殊性といいますか特色があるんですね。つまり、教育に限ってはほかの分野と違って憲法に基づいて教育基本法というものがわざわざつくられていますよね。ご承知のように教育基本法は法律の中に目標などが書かれているわけですよ。普通は法律に目標なんかが入るというのはあまりないわけなんですが、教育はそういう意味では非常に特殊なところがあって、最初に目標まで入った教育基本法があって、そして学校教育法、そして地教行法とかさまざまな法律があって、そういうものに基づいて学習指導要領がつくられている。学習指導要領は目標そのものなんですよね。でもそれを告示として法的な拘束力を持つという判決まで出ているような特別な分野といいますかね。ですから法律のご専門の方からすると、何についてもどんなことについても必ず目標的な理念的なものがリード文に入ってくるので、ちょっと違和感を感じるかもしれませんね。
 ですから、例えばこの4ページの基本方針のところでも、最初の5行はリード文なんですけれども、結局、教育の世界では最初に何でも具体的なものに入る前に非常に高邁というか、まさにずっと高いところから来たようなものがずっと引き継がれて、それがリード文として入って、そういう非常に高い理想を目指して我が市の教育、我がまちの、我が学校の、我が学級の教育が行われています。それがあまり強過ぎると、いわゆる国からずっと縦社会の関係でもって教育行政の一貫性と言いながら、しかし非常に拘束的な余裕のないような受け取り方もされてしまうんですけれども、そういうところがあるんですよね。ですから、まさに序列というとおかしいですけれども、やっぱり教育基本法、三鷹で言えば教育ビジョンがあって、基本方針があって、事業計画があって、それに基づいて各学校が教育目標をつくって、そして具体的なそれぞれの学年目標とか学級目標をつくって、それで目指してやっている。それがお題目にならないようにするためには、やっぱり検証、評価が必要なんですけれども、そこで、今、伊藤課長が言いましたけれども、点検、評価というものが数年前から、教育基本法が改正されてそれが義務化されたんですね。ですから、それに基づいて一昨年あたりから全国の各教育委員会も点検、評価、つまり教育委員会がいろいろな事業計画について実際にやって、実際にどうだったのかというのをフィードバックさせて、それでまたその次の改善に生かしなさいということになったんです。
 ですから、おっしゃるように、そういう意味ではどの段階でもそういう理念的なものが全部ついてくるというのはある意味では特別というかな、そういう世界というところはあるんですよね。ですから、それぞれ教育関係者はすごく高邁なことに基づいてやっているという自己満足と言えばそういう面もないこともないんだけれども、しかしそういう自覚というか意識が、結局、今の日本の教育を支えているというか、先生方もね、要するにモチベーションというか、そういう高い志を持って非常に長時間でも、また忙しい中でも子どもと向き合って一生懸命頑張っているというか、そういう理念というか、そういうものをバックにしているというか、それが自分自身の誇りであり支えになっているという面もあるんですよね。

河野委員

 基本方針ですから、いろいろなことを書くのはそういう性格上やむを得ないかと思いますし、書いてある内容そのものはとてもいいことだと思います。しかし、これだけたくさんのことをできるわけではないので、やはり具体的な目に見える改善を図るためには、ここのうちどれに重点を置いて取り組むのかということと、具体的にそれを改善するためにはどうしたらいいのかという絞り込みが必要なのではないかなと思っておりまして、これはどの組織でも言えることだと思いますが、課題はいっぱいありますけれども、全部に取り組むだけの力は、普通、どの組織にもないと思いますから、三鷹で一番問題となっている、保護者が一番望んでいるところはどこなのかを一つか二つ絞り込んだ上で、それについて具体的にどういうビジョンを立てていくのか、それに絞り込んだ検証というふうに、あまりにもたくさんのものをやり過ぎるとどれもこれも中途半端になるのではないかということを懸念するわけです。

貝ノ瀬教育長

 おっしゃるとおり、ここまでの段階での資料でごらんになると確かに総花的でいろいろなことが出されているというふうに、これを全部やるのかという感じがありますけれども、でも実際には、ここには出ていませんけれども、予算編成の段階で、各原局のほうで予算を立てるときにこれらに基づきながら来年度はこれを重点にしていきましょうというものが政策会議で議論されるんですね。これは市長部局と一緒です。それが教育部として、生涯学習部として提出されるわけですが、本来だったらそれも教育委員さんにお目通しいただいたほうがいいのかもしれませんね。これが来年度の重点なんだというところで、これはご理解いただいていたほうがいいかもしれないですね。そうすると、この中から来年度はこれに絞り込んでいるんだということでご理解いただきたいということがおわかりいただけると思うんですよね。
 確かに、ここまでの段階だと網羅的でいろいろなことが入っています。しかし、また基本方針なので、全部網羅的にならざるを得ないところもあるんですね。ですから、教育委員会としては来年度こういう面で重点にしていきますと。例えばコミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育校の推進というのは常にトップになっていますけれども、そういうのはある程度確定した段階でお示ししてご理解いただくというのもあってもいいんじゃないですかね。そうすると、ああ、ここに絞り込まれているんだとご理解いただけると思うんですよ。

河野委員

 わかりました。ありがとうございます。

秋山委員長

 ほかにご質問はありますか。

寺木委員

 ただいまの河野委員のお話をお聞きしまして、私も最初に教育委員になったときにここを読みましたときに、おお、すごいなというのがありまして、だけれども、私は長い間、PTAの現場にいましたという表現はとても変なんですが、そういう自分の知識の中では、この世界平和と人類の福祉に貢献していくための市民という、ああ、これが日本の公立学校に子どもを入れるという大きな教育の、日本人の子どもたちはこういうふうなことで育っていくのかと、これを読みましたときに私はとても納得する部分がありまして、どういう目標で子どもを教育してもらっているのかということで、これこそもっと多くの保護者たちに理解していただけるといいなと逆に思わせていただきました。でも、そのときはそういう感想すら言う勇気もなくて、今日、河野委員が言ってくださって、全くなるほどそういうことも言っていただいてすばらしいなと思いました。ありがとうございます。
 その中で一つ小・中一貫のお話が出まして、これは私も質問しようと思っていたのですが、七つある学園のことが、学園の学園長についてなど、そのあたりがこの中には少し出ていないなという、そこの説明はまた違う機会にはいただけるんでしょうけれども、少し基本方針の中にそれが抜けている。小・中一貫教育という言葉ではところどころ出ているんですが、コミュニティ・スクールの役割とか働きとか、そこではどういうことが行われているのかとか、それについての書き込みが少しないような気がしました。
 あと、これは簡単な質問です。こちらの3ページに(ア)小・中一貫教育の充実と発展、ちょっとこれは私よく理解できないのでご説明をお願いしたいと思います。「小学校中学年以上の学年内教科担任制を行う」と。この学年内教科担任制というのはどういう方法なのか、これは教えていただきたいと思います。
 それから生涯学習課のほうで、10ページですね、ちょっとこの字がどうかなと思うのがありまして、(オ)の網かけの一番最後のところで、「『大沢二丁目古民家』の復原に向け取り組む。」という、その「復原」という字はこういう字でよろしいのでしょうか。ちょっとこれは疑問に思いました。
 以上3点です。

藤川教育部長

 確かに寺木委員が言われたように、学園ということにポイントを置いて展開したところは足りないと言うと変ですが、この3ページの小・中一貫教育の推進のところだとか、あるいは7ページの地域と共に創る学校のコミュニティ・スクールのところだとか、そういったところでとらえられてはいるんだと思うんですけれども、この辺については、前年度から変わったところを修正、修正をかけてきておりまして、全体の骨組みをあまりごちゃごちゃすると基本的な骨組みが変わってしまうので、やはり今回、教育ビジョンの見直しをして全体的な考え方の骨組みをつくり直しますので、その中で生かせればなと思っております。改めてご指摘のとおりかなと。その部分が、多分この何年間にきちんと1項目置けるぐらい立派になったということだと思いますので、その辺はきちんと教育ビジョンの見直しの中でやっていきたいと思います。

寺木委員

 よろしくお願いします。

松野指導課長

 お尋ねの学年内教科担任制ですけれども、小学校と中学校の間の中一ギャップというもの、小学校のときは同じ先生がずっと担任の先生として指導してくださったのが、中学校になると教科によって指導される先生が変わる。そういう小学校、中学校の段差を埋める円滑な接続の一つとして、小学校の中でも、例えば5年生の子どもたちに対して、5年生の担任の中でこの先生が社会科を受け持つ、この先生が理科を受け持つという形で、中学校と同じように幾つかの教科で教科による指導を先生がしていくシステムなんですね。現在でも既に三鷹市内の小学校では行われてはいるんですけれども、より意図的、意識的に行っていただくということで、今回このような文言を入れさせていただいたところでございます。

寺木委員

 理解できました。ありがとうございます。

久保田生涯学習課長

 生涯学習課の久保田です。「復原」のことについてご説明させていただきます。これ専門用語なんですけれども、「ふくげん」にはこの「復原」ともう一つ「復元」がございまして、使い分けがございまして、「復元」はかなり昔、遺跡などがそうなんですけれども、失われた建物などを、当時はこういう形じゃないかと想像して再現するのが「復元」で、改修などで形が変わっていたものを当初の姿に戻すのというのが「復原」という形で使い分けをしておりまして、だから遺跡の関係ですと「復元」が出てくる形で、大昔の文明、モヘンジョダロとかいろいろありますよね、ああいうのがこんな形でできたんじゃないかということを例えば模型でつくったとしたら、この復元はこうなるとかという、そういうふうな使い分けをしています。

寺木委員

 ありがとうございます。勉強させていただきました。

平成23年第2回教育委員会定例会(3)」へ続く

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