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平成25年第9回教育委員会定例会会議録(3)

作成・発信部署:教育委員会 総務課

公開日:2014年3月10日 最終更新日:2014年3月10日

平成25年第9回教育委員会定例会会議録

日程第4 教育長報告

岡委員

 先ほどの一般質問についてですが、石原議員のご質問の中のセーフコミュニティ・セーフスクールについてというのは、何について質問されて、どういう答弁があったのか、もう少し詳しく教えていただけたらと思います。

高部教育長

 これは豊島区長が講演会の中で、世界規格というのでしょうか、そういう安全・安心を客観的に評価して認定するような制度・仕組みを活用しているというお話があったのですね。実際、先ほど言いましたように、WHOに認証機関があって、今、全国では小学校で3校が認証を取得しているようなのです。全国で3校です。そういう意味ではこれはまだ認知されていないというか、岡委員も初めてお聞きになったように、ISOとはちょっと違って、ようやくスタートしたばかりです。
 ただ、今、社会的に関心を持たれているのは、学校での安全確保ですね。防犯対策も含めて、いじめの問題も含めて、あらゆる観点からそういうものについて計画を立てて、チェックをして、実行して、そしてまた評価していくというサイクルを、学校がそれにきちんと取り組めているということで、1つのお墨付きではないですけれども、認証する制度がスタートしたのですが、日本で生まれた制度ではありませんので、理解が難しいといいますか、要求事項に的確にクリアしているかという聞き方をされますし、コストもかかります。認証の手数料もかかりますし、認証委員がどうしても外国の方で、委員の渡航費用を負担するなどの問題もあります。
 実際に導入するとなると、審査手続も含めて、一定の検討をしていく必要があるかなと思います。石原議員の意識としては、三鷹で取り組んでいる安全・安心の取り組みを、認証制度を活用しながら、こういう取り組みが認証されたのだという、環境マネジメントシステムもそうなのですけれども、ISO14001を取れましたということが1つの安心感、信頼になっているように、そういう1つの仕組みとして活用できませんかという問題提起ではありましたけれども、よく検討をさせていただきますという回答をさせていただきました。定着してくれば実現性はあるかなと思っていますけれども、今申し上げたような課題もありますので。

貝ノ瀬委員長

 ほかにどうですか。

河野委員

 一般質問の中で、私が教育委員会のほうでも今後考えていくべき問題があるのではないかと思うのは、吉野議員のICT教育についてです。特に小さいときからのネット依存など、今後ますますこういう問題が大きくなっていくのではないかと思うものですから、この質問について、どういうご回答だったのかも含めて、教育委員会として今後どういうふうに取り組んでいくお考えなのかをご説明いただければと思います。

高部教育長

 吉野議員の質問のきっかけになったのは、先日、厚生労働省の研究班がサンプル調査で、中、高も含めてですけれども、ネット依存と推定される生徒が全国で51万人に上るという発表をしたということがきっかけで、それは一般の社会の中で特殊な地域での問題ではなくて、三鷹でもそれはきちんと把握をして、対策を講ずるべきではないかというような趣旨のご発言でした。
 ただ、ネット依存とは何かという定義がはっきりあるわけではありませんし、サンプル調査でしたので、三鷹でそういう調査をやったわけではありませんので、どういう形でネット依存を把握できるのか、把握の仕方自体が検討課題となっています。単にパソコンなどを使っている時間の長さだけで依存症というのではなくて、夜、寝られなくなるといった症状を見ていく必要があります。もちろん学校教育の中だけでそれが生じるわけではありません。家庭で深夜まで使うとか、そういうことが重なり依存症になるわけですので、今、小・中一貫のモラル教育の中で、ICTの負の部分といいますか、悪影響の部分、チャットとかメールとか有害サイトとか、それは9年間のカリキュラムの中で、学年に応じた指導はしているわけですけれども、こういう生活習慣にもかかわり、社会的には確かに小、中学生にも悪影響が及ぶ可能性がありますので、そのことも含めて、カリキュラムの中でどういう形の実態把握と対策を講じられるかは、今後、厚生労働省なり文部科学省の調査・研究とも連携しながら検討しますというふうに答えました。今、ネット依存症だけを取り出して、どう把握して回答するかという仕組みにはなっていませんので、学習到達度調査の中で、時間数のレベルでは3時間以上が何%かという把握はしていますけれども、それが学校生活の中で、例えば睡眠不足になっているとか、集中力が切れているとか、いらいらで友達とのつき合いに影響が出ているとか、その原因がネット依存症だというような把握はしていませんので、それはさらに担任、ICTの担当教諭、養護教諭も含めて調査していくべき課題かなと思っています。

河野委員

 ネット依存だけではなくて、例えば最近、ラインの利用というのが小・中学生でも非常に多いと思うのですね。それで、すぐに返信をしないといけないということで、しょっちゅうスマートフォンなどを持ち歩いているという話を聞きます。
 これは非常に問題だなと思っておりまして、どの家庭でもある問題ではないかと思っております。あまり低年齢のときからそういうことをするというのは、教育上、非常に問題だなと思っておりまして、なかなか自分を律することができない年齢の子どもに、そういうものを不用意に与えることについてどうかということについては、本当は親がきちっとしていなくてはいけないんですけれども、大体みんなしっかりしているわけではないですから、低年齢のときからスマートフォンなどそういうものをしょっちゅう持ち歩いて、読書をするとか、ゆっくり考えるとか、そういうことがなかなかできなくなってくることについては、非常に危機感を持っているのですね。だから、ネット依存というところまでいかなくても、そういう非常に広範な問題があることについて、教育委員会として早目に取り組んでいく必要があるのではないかなと思っています。

高部教育長

 まさにコミュニティ・スクールのメリットですから、地域、保護者も巻き込んで、各家庭の生活習慣も含めた捉え方をしていかなければいけないです。確かに保護者会でも、スマートフォンを与えるべきなのか、それからルールをどうやって知らせるのか、あるいはそれをどう守らせるのかということが話されています。

河野委員

 そうですね。実際に与えたくなくても、学校からの連絡もメールで来るものですから、携帯電話を与えないわけにはいかないところがあって、だんだん世の中の変化とともに、与えないということで対応することができなくなっている問題があって、保護者全体も含めて、どんなふうにそういう携帯電話やスマートフォンとつき合っていくのか、それに対して保護者と学校が協力しながら、子どもをどういうふうにきちっと育てていくのかというのは非常に重要な問題だと思っています。

高部教育長

 今、学校で具体的に何かその辺のスマートフォンやラインの扱いについて、保護者会の中で指導したり、情報発信しているような例はありますか。

川崎指導課長

 直近では、第三中学校で子どもたちを対象とした、スマートフォン等についての子ども向けの講座を保護者にも公開した形で実施をしたところです。

岡委員

 セーフティー教室などに出席しますと、随分、ICT教育について時間を割かれる割合がふえてきているなという印象はあります。それから、いろいろな講演会や勉強会などで、こういう問題についての講演を依頼したり、勉強しましょうという機運がすごく高まっているような気がするのですね。一日家庭教育学級にしても、こういう勉強会や講演会は実際ふえていると思うのです。
 ただ、保護者が勉強しても、次から次に新しい形態のものが出てきて、保護者もなかなか理解できない。実際、子ども同士がどういうものでつながっているのか把握し切れない、スピードについていけない部分があると思うのですね。ただ、保護者の皆さんも、今、河野委員がおっしゃったような危機感はみんな持っていると思うのです。何とかしないといけないと思っていると思うのですけれども、なかなかすべてには対応できないところだと思うのですね。
 何の問題に対してもそうだけれども、何とかしようとする人たちがいて、それについて勉強会も設定はするのだけれども、本当に問題を伝える必要がある人たちがなかなか出てきてくれない。話を聞いてほしい人、知ってほしい人というのがその場にはなかなか来てくれないというところもあって、そういうところを教育委員会や学校現場で何とかしないといけないところだろうとは思うのです。
 本当に啓発活動は、これからますます力を入れていかなければいけない部分だと思います。子どもたちの健全な発達のためにもそう思うのですけれども、では具体的に何をしましょうというのも、PTAなどにお任せの部分も多いのではないかと思います。

河野委員

 ルールづくりをもう少しきちっと行って、何かモデル的なものができないかなと思っていまして、単に講演をするだけでは不十分であって、意識が高い親はそういう意識を持っていても、みんながある程度それを理解していないと、ある親はやりたい放題で、そこからどんどんメールが回ってくると、子どもたちの間ではルールというのがなくなってしまうのですね。だから、ある程度、どういうルールでそれを使わせるのか。例えば、夜10時以降はそういうやりとりをしないとか、学校全体として、例えば校長会の中ででも、ルールをつくって、それを学校でなるべく守っていこうとか、そういうものも必要なのではないか。単に啓発運動といっても、講演を聞くだけではあまり意味がないのではないか。
 時間の制限も非常に必要なことだと思っていまして、例えば、朝8時前はやらないとか、夜も10時以降はやらないとか、食事のときには持たせないとか、何らかの明確なルールづくりは学校としても真剣に取り組むべき問題だと思います。

貝ノ瀬委員長

 ただ、ちょっと整理しますけど、学校の教員や校長が子どもの家に行って、夜の9時、10時まで使わせないということはできないですよね。

河野委員

 自主ルールということですよね。

貝ノ瀬委員長

 だから、例えば1日何時間にしましょうという指導は、学校として、子どもが学校にいる間は先生方もほったらかしているわけではない。指導はやっているのだけど、基本は親なんだよね。

河野委員

 だからといって野放しにはできないですね。

貝ノ瀬委員長

 そこを、学校ができることと、地域社会や家庭ができることと、少し整理をして、どのような連携があるのか、または連携はするけれども、しかし、家庭ではしっかりと責任を持ってやっていただく。教育基本法に、子どもの教育の第一次の責任は家庭にあるというふうに明記してあるとおりで、それをどう実行してもらうかということをみんなで考えなければいけないですね。だから、学校で文書を出したり、子ども一人一人を指導したりしたとしても、多分、難しいでしょうね。

河野委員

 学校が指導するというよりも、保護者などいろんな方と一緒にルールづくりを進めるということを、コミュニティ・スクールを通してでも、保護者会でもいいですけれども、そういうことはできないかということなのですよね。家庭教育に第一次的な責任があるのは当然ですけれども、例えば、うちの家では10時以降はだめだと言っても、ほかの子どもから11時、12時にメールが来たら、子どもですから返信したくなるわけですね。それは保護者も巻き込んで、なるべく10時以降は控えるようにいたしましょうということで、皆さんでそういうことをできないかと。
 守らせるとしても、各家庭の協力がないと、1つの家庭だけで、家庭教育の中だけでやるのには限界があると思います。だから、そういう形で学校がそういうルールづくりを保護者と上手に連携しながらつくっていけないのかなということを考えているのですけどね。

高部教育長

 1つのメッセージというか運動論を起こすということでは、よく生活習慣では早寝、早起き、朝ごはんと、これを運動化しましょうという動きもありますから、インターネットも含めて、生活習慣にも関連する宣言、メッセージなどを出すと同時に、それをCSの協力も得ながら、家庭での取り組みにつなげる工夫が必要です。どうしても守らないところは、そこまで強制というのは難しいけれども、それを広げていくという取り組みが必要だと思いますので、いろいろな方向で検討させていただきたいと思います。

山口教育部長

 吉野議員の質問でも、実は新しいツールへの対応ということがありました。どんどん技術革新があったり、新しいツールが出てきて、まさにおっしゃったラインとかSNSとか、こういった問題に対してどう対応するのかというようなことがありましたけれども、先ほど岡委員がおっしゃったように、セーフティースクールでは講師に専門的な立場の方をお呼びして授業をしていただくというような側面がありまして、これは要するに、新しいツールの使い方とか、そういうことだけではなくて、専門的見地からの負の部分というものも十分伝えていただいて、その部分をよく理解していただいた上で、今おっしゃったようなルールづくりをすれば、ある程度、保護者の方々についても納得性の高いルールというようなことになるのかなと思いますので、そこら辺の充実も図っていきたいと思っています。

貝ノ瀬委員長

 本市はコミュニティ・スクールなのだから、コミュニティ・スクールをどのように活用してその問題に対処するかということをよく考えたほうがいいと思うのですね。これは例えば学校がそういうことをして、これを守りなさいとか、これは保護者と約束していましたとか、そういうふうに言っても、家庭教育に介入してきたとかという話になってくる。だから、地域の皆さん方の代表である学校運営協議会がそういう問題について取り組んで、そして、まさに約束としてそれを明文化したり、また啓発活動は、地域の人たちや家庭の人たちがそれを担う。それを学校側が応援する、また教育委員会が応援する、そういうことになるほうが、三鷹らしいというか、世間も納得しやすい。
 とにかく電車に乗ってみると、7人ぐらい座れるんだけど、大人が6人は携帯電話やスマートフォンをやってるよね。そういう社会環境だから、大変に困難な問題だけれども、これを、僕もいつも言うのだけど、24時間のうちの3分の1の時間帯を担っている学校に、それをすべて何とかしてくださいというのは無理だと。3分の2の地域や家庭が、それについてどのように協力をして、そして一緒にやれるかということについて、むしろ、学校はそういうことにコーディネートしたり、お世話したりというほうが現実的だと。三鷹はその仕組みができているから、親たちも子どもたちも、近所のおじさんやおばさんたちがみんなで決めたということで、約束を守りましょうということのほうが、むしろ効き目がある。
 この間も高部教育長と話をしたんだけど、三鷹はそういうコミュニティ・スクールの利点を大いに活用して、家庭教育や地域の教育力を高めるような、そういう方策をやっていくべきではないかということで、教育長も張り切っていますので、これから具体的に、学校運営協議会の会長やコミュニティ・スクールのメンバーにそういう点で教育委員会からも啓発してもらって、家庭教育、地域の教育力についてもっと大いに関心を持ちましょうと、そういうふうに仕向けていけると、もっと効果が上がるんじゃないかなと思いますよね。
 だから、まさに社会総ぐるみ、地域ぐるみでこの問題に取り組まないと、多分、前進しないだろうと。大人社会がそれに染まっていますからね。
 そういうことで、指導課だけの問題ではないですけれども、せっかく教育委員からも意見が出ていますので、問題提起しながら、三鷹の仕組みの効果をうまく生かしてほしいと思います。
 ほかにどうですか。
 それでは、日程第1 教育長報告を終わります。
 以上をもちまして、平成25年第9回教育委員会定例会を閉会いたします。

午後 5時13分 閉会

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