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平成22年第3回教育委員会臨時会会議録(3)

作成・発信部署:教育委員会 総務課

公開日:2011年1月24日 最終更新日:2011年1月24日

平成22年第3回教育委員会臨時会(3)

秋山委員長

 それでは、協議の結果、理科については大日本図書の教科書といたします。
 次は、生活について協議を始めます。それでは、ご発言をお願いいたします。

鈴木委員

 生活という科目で、教育出版の教科書について申し上げたいと思いますけれども、自立への基礎を養うという目標に対しまして、発達段階に合わせてねらいをはっきりと示しているという特徴があります。
 それから、子どもの「気づき」ですね。いろいろなことに気がつくように生活上の力をつけるという観点から、心の育ちをサポートするように編集されていることがよく伝わってくる、工夫されているなとは思いました。
 それから、全体として、「見つける」、「比べる」あるいは「たとえる」という活動を繰り返すことで、諸感覚に訴え、それをフルに活用して、さらに追究をしていけるという活動内容が構成されていて非常によいなと思いました。
 例えば、この上巻の16ページあたりのところに、そういったところが出ていると思われます。
 以上です。

秋山委員長

 ありがとうございます。他社の教科書はいかがでしょうか。

寺木委員

 東京書籍の教科書は、活動を通して生まれる子どもの気づきや願いを「吹き出し」というのでしょうか、その中に子どもの言葉で示されています。話し合いやふりかえり、伝え合いなどの言語活動の例が充実していて、児童にはわかりやすくすぐれていると思いました。
 生活科で、大切な幼児教育から小学校教育へとスムーズに接続をするための工夫や配慮が見られる点では、教育出版の本は大変わかりやすいように思います。上巻の1年生から下巻の2年生に向かって徐々に情報量を増やしている構成になっていますし、さらに、3年生以上の理科、社会につながる内容を、「はってん」というコラムに示してあることなどは、とても評価できるのではないかと思います。

秋山委員長

 ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。河野委員。

河野委員

 大日本図書の教科書を見ますと、例えば下巻の47ページなどを見ますと、生活の言葉として、雨の降り方について、非常に細やかな表現を取り上げております。語彙力や表現力を高めて、言語文化への理解を促す内容が入っていて、非常によいと思います。言葉の力というのは、やはり大事な視点ではないかと思います。
 それから、学校図書は、1ページ当たりの写真やイラストの数が厳選されていて、大きくて見やすいので、学習意欲がわくのではないかと思います。
 また、自己評価について意識させているのも、自主的な態度を養うという面からは、よいと思います。

秋山委員長

 ありがとうございます。では、私のほうから、光村図書なんですけれども、写真やイラストが大変大きくて、意欲を喚起できると思いました。
 また、単元ごとに資料がよくまとめられていて、思考が途切れずに活用できるのはよいと思います。
 啓林館の教科書には、別冊がついていました。資料としての情報量は豊富だと思います。ただし、低学年の子どもたちが3冊を使いこなすということはちょっと難しいのではないかと思いました。
 私はこの2つなんですけれども、ほかにいかがでしょうか。

鈴木委員

 日本文教出版の教科書ですけれども、写真あるいはイラストが非常に見やすかったという印象を持っております。
 また、体験して学習できるように、点字あるいは植物の成長等が折り込み教材として載っておりまして、資料としてはおもしろい、工夫がなされていると思いました。
 こうして見ますと、社会生活、こういう身近なところから考えますと、7社の教科書は、それぞれよさはあると私は印象を受けているんですが、「自立への基礎を養う」という生活科の目標から見たときに、教育出版の教科書は、先ほど申したかと思いますけれども、感覚をフルに活用して観察し、発見し、比べ、例えるという課題に取り組んでいる構成でしっかりなされているなということ、それから、低学年のうちにまず「気づく」力をしっかりと育てることを強調しているという点からも非常によろしいのではないかという印象を持っております。

秋山委員長

 ありがとうございます。河野委員。

河野委員

 私も、今、鈴木委員がおっしゃったのと同じ意見です。教育出版の教科書は、3年生以上の理科へつなげる活動として、自然現象の不思議さに触れたり、おもちゃの動きを何度も試したり、目に見えないものの働きを考える活動がありました。このようなつながりを意識している活動を取り入れているのは、おもしろいと思いました。

秋山委員長

 私も、教育出版の教科書では、「身近な人々や社会とのかかわりに関心を持つ活動」が、言葉やイラスト、写真などで示されている点が非常に多かったように思います。人とのかかわりという点で、三鷹市では、人間力の育成に力を入れているところでありますので、それに、発達段階に応じた学習をしていくことは、とても大切なことだと思います。
 この点から、委員の皆さん方の意見が多かったように、教育出版の教科書でよいのではないかと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

秋山委員長

 ありがとうございます。では、生活は教育出版の教科書といたします。
 次は、音楽についての協議を始めます。それでは、ご発言お願いいたします。鈴木委員、お願いします。

鈴木委員

 東京書籍の教科書ですけれども、学習の手順が非常に明確に示されていて、目標の達成について確認の項目が設けられているのは、非常によろしいと思いました。
 リコーダーの運指表といいますか、指の使い方、あるいは楽譜の約束が巻末の折り込みのページにまとめられて掲載されております。これはどのページから開いても参考になるという点では非常に使いやすいと思われます。

河野委員

 私も、東京書籍の教科書は、児童の活動写真とか、あと、カラフルなイラストとかが載っていて、非常にきれいな教科書で魅力があると思います。
 それから、教育芸術社の教科書を見ますと、鑑賞の学習で、感じ取ったことを発表し合ったり、話し合ったり、書いたりする活動ができるように配慮されています。コミュニケーション能力を育てるという点から、このような学習がしっかりと設定されているのはすぐれていると思いました。

秋山委員長

 ありがとうございます。寺木委員、お願いします。

寺木委員

 教育芸術社の教科書では、児童の興味や関心を高めるための工夫の一つとして、「作者の言葉」というコラムを設けて、予備知識を高めるための工夫がなされていると思います。
 また、歌を歌うための教材は、すべて「こころのうた」として掲載され、歌詞は縦書きで書かれています。これは、日本語の美しさと曲のすばらしさを感じ取るための工夫で、とてもよいのではないかと思いました。

鈴木委員

 私は、音楽の中でも、外国の音楽といいますか、特に民謡について関心を持ちまして、これはどの教科書でも取り上げているんですけれども、教育芸術社の教科書では、外国の原語のままの歌詞が載っているということで、ルビを振って、歌唱の教材として取り上げている。多少、日本語にということもあるのですけれども、取り上げていて、子どものたちの興味、あるいは関心がより深められているなと思いました。
 おそらく、意味はなかなか解釈するのは難しいと思いますが、国際理解という点からも、世界の音楽をそのまま味わうということを通して、自分の国と外国との音楽文化の違い、あるいは音楽のよさに気づいて、興味・関心が持てるように非常に工夫をされていて、深い考えでつくられているなと思いました。

秋山委員長

 ありがとうございます。私は、先ほど河野委員のご発言にもありましたけれども、教育芸術社の1年生の教科書の巻頭に、「みんなでうたってともだちをつくりましょう」という項目があります。このような投げかけというのは、コミュニケーションを図ろうとする態度を培うという点から、先ほども言いましたけれども、人間力育成を図っている三鷹市の実態に非常に合うのではないかと思います。
 それから、巻末とか最後の何ページかは、唱歌や童謡、それから歌唱や器楽の教材がとても多く取り上げられています。もちろん、これは、子どもたちの実態に合わせて、適宜取り扱われるのだと思いますが、保護者としても、子どもたちの学習に家庭で積極的にかかわれるような可能性があると思いますので、非常にいいと思いました。
 そのほか、何かありますでしょうか。河野委員。

河野委員

 教育出版の教科書は、表現、あるいは鑑賞の教材ともに充実した内容となっていて、子どもたちに課題を持たせながら音楽の基礎・基本を身につけられる構成となっていて、子どもにわかりやすく、学習しやすい教科書だと思います。
 ただ、学年ごとのつながりという面から見ますと、教育芸術社は、音楽づくりという学習を系統的、継続的に取り上げていてよいと思いました。例えば、5年生の音楽づくりの学習に「リコーダー」を積極的に活用するということが載っていました。
 教育芸術社の教科書を見ますと、学習内容に関する学年のつながりとか、あるいは器楽や歌の扱いに関する「つながり」をしっかりと意識して配列してあって、指導の工夫も見られますので、とてもよいと思いました。

寺木委員

 皆様のお話を伺っていると、どの教科書も甲乙がつけがたいようには思いましたが、あえて言わせていただけますれば、私は、教育芸術社のほうがよいように思いました。基礎・基本を身につけるための系統的な学習の流れができているように思いました。教育芸術社は、表現と鑑賞を効果的に積み重ねることによって音楽に対する感性や表現力を無理なく伸ばし、領域を超えて系統的に学習できるように工夫されている点では、小・中一貫教育を実施している三鷹の義務教育の中で、この教科書が使われるのはよろしいのではないかと思います。

秋山委員長

 ありがとうございます。それでは、意見も一致したようですので、教育芸術社でよろしいでしょうか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

秋山委員長

 それでは、音楽は、教育芸術社の教科書といたします。
 次は、図画工作についての協議を始めます。ここから先は教育出版が発行している教科書はございませんので、教育長に協議に加わっていただきます。よろしくお願いします。
 それでは、ご発言をお願いいたします。

河野委員

 東京書籍の教科書なんですけれども、2学年の合本となっておりますが、児童の発達に合わせた弾力的な指導ができると感じました。
 また、表現方法の例示が複数示してあったり、使いやすい題材を精選して掲載していますので、指導がしやすいのではないかと思います。

鈴木委員

 私は、開隆堂出版の教科書について述べさせていただきたいんですけれども、目次に題材名、内容、用具・材料を一覧表で掲載しておりますので、子どもが主体的に表現、あるいは鑑賞できる取り組み方をねらっており、見通しを持って子どもたちが表現活動できるという点で評価できると思います。
 また、幼稚園から小学校へのつながりを意識して、遊びから造形活動を意識した題材が配置されているということで、児童の興味関心に沿った活動が期待できると思います。
 それから、各地域の美術館、あるいは造形イベントなどが紹介されておりまして、地域性が生かせるように配慮されているということもおもしろい試みかなと思いました。

秋山委員長

 ありがとうございます。寺木委員。

寺木委員

 私は、日本文教出版の教科書についてお話しさせていただきたいと思います。
 日本文教出版の教科書では、「造形遊び」、「絵や立体」、「工作」、「鑑賞」という活動に分けてあり、それぞれがとてもバランスよく配列されており、わかりやすいのと同時に、実際にご指導に当たってくださる先生方も使いやすそうかなと思いました。そういうあたりに、日本文教出版の教科書のいい面を感じることができました。
 また、いろいろな素材や場面の写真が掲載されていて、こちらも興味を持って見させていただきました。

貝ノ瀬教育長

 3社とも大変創意工夫をして、いい教科書をつくっておられるわけですけれども、選ぶときの観点の一つとして、やはり学習指導要領の目標と照らし合わせてみるということを考えてみますと、例えば図画工作の目標は、「表現及び鑑賞の活動を通して、感性を働かせながら、つくり出す喜びを味わい、造形的な創造活動の基礎的な能力を培い、豊かな情操を養う」となっているわけであります。
 そういう観点から考えますと、結論から申し上げると、日本文教出版の教科書が最も魅力的な作品が多く掲載されていると思いました。東京都の調査を見ますと、掲載されている作品の数でいうと、東京書籍の教科書は980点、開隆堂出版の場合は1137点、日本文教出版が1319点あるという調査が出ております。
 また、鑑賞の題材も非常に多くなっているのではないかと思います。調べたところによりますと、12の題材がありまして、他社の倍になっているということでございます。これは日本文教出版です。
 それから、中学校へのつながりは、本市は小・中一貫教育ということで推進しているわけですので、そういう面からですと、作品を鑑賞して発表する、それから、話し合ったり、日本の伝統美術などのよさに気づいたりとか、中学校での鑑賞の「批評」活動といったものにつながっていくことが大事なわけですけれども、そういった面での配慮がなされているということがあります。
 また、鑑賞した後に立体の作品にあらわすという活動も組み込んであって、非常におもしろいと受けとめているところでございます。
 以上です。

秋山委員長

 ありがとうございます。鈴木委員。

鈴木委員

 私、先ほど開隆堂出版の教科書について申し上げましたけれども、これは、日本文教出版の教科書と同じくA4判でかなり多くの作品が掲載されていると。ただ、紙面が小さく分割されていて、一つずつの作品のサイズがやや小さくなっているという印象を持ってはおります。この3社を比較してみて、先ほど申しましたようなバランス的なことも考えますと、日本文教出版の教科書が最も適切かなという考えを持っています。

秋山委員長

 ありがとうございます。河野委員。

河野委員

 私も、日本文教出版の教科書が非常におもしろいと思いました。といいますのは、例えば1、2年の上の29ページなどを見ますと、子どもがかいた旅行のときの絵が載っておりますけれども、こういう子どもの作品も載せた上で、子ども自身による解説が掲載されていて、作品の背景が、この教科書を使う児童にも伝わってくる点がよいと思います。児童の作品理解や創作意欲もより一層高まるのではないかと思います。

秋山委員長

 ありがとうございます。私は、開隆堂出版の教科書も、とても写真がきれいだし、インパクトがあっていいと思いましたけれども、やはりバランスを考慮しますと、皆さんが推薦されている日本文教出版の教科書がよいかと思いました。
 小学校の図画工作から中学校の美術へと円滑に入れるような題材の設定がなされていることも、先ほど教育長がご発言になったように、三鷹の小・中一貫教育に合っているのではないかと思います。
 それでは、意見も一致したようですので、日本文教出版でよろしいでしょうか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

秋山委員長

 よろしいでしょうか。それでは、図画工作は、日本文教出版の教科書といたします。ありがとうございます。
 次に、家庭科について協議を始めます。それでは、ご発言お願いいたします。寺木委員。

寺木委員

 東京書籍の教科書について、この教科書は、すべての題材を3つの小さな題材から構成して問題解決的な流れを一致させるようにしています。
 また、学習目当てとふりかえりの箇所がはっきりと示されていて、明確な目標と学習後の評価をできるようになっていると思います。基礎・基本の知識や技能を確実に身につけるための工夫として、重要語句を太字あるいは青字にしてわかりやすくしていると思います。

秋山委員長

 ありがとうございます。河野委員。

河野委員

 私も、東京書籍については、作業の過程を絵と写真で順に並べてあって、実習や制作をするときにわかりやすいと思います。

鈴木委員

 「これだけはできるようになろう」という箇所もあって、しっかりとした目標を子ども一人ひとりが持てるように工夫がなされていると感じました。

秋山委員長

 ありがとうございます。寺木委員。

寺木委員

 紙面構成について感じたことですが、見開きページは大変見やすく、大事なところをすぐ探すことができ、子どもたちが自分から学べるように構成されているように思いまして、大変いいと思います。

秋山委員長

 ありがとうございます。それでは、もう一社の開隆堂出版はいかがでしょうか。

河野委員

 学習したことを家庭での実践に生かせるように、「チャレンジコーナー」という箇所が設けられているのは、一つの特徴として興味深く拝見しました。

寺木委員

 家庭科という教科の特性を生かした食育が学習できるように、「食育マーク」がページ数字のところにつけられているのは工夫の一つかなと思います。

貝ノ瀬教育長

 家庭科については、今までお話のように、東京書籍と開隆堂出版の2社があるわけですけれども、それぞれ特色があって工夫されていると。
 特に、開隆堂出版の場合は、5、6年の2年間を見通ししていくことを意識しているように思います。
 そして、学年の系統性とか、季節感などを十分配慮した題材の配列に非常に工夫を凝らしている点は強く感じられるところでありますが、家庭科の学習指導要領のねらいということを考えると、家庭科の場合は、やはり実践的な態度を育てることが重視されるという面で考えていくと、東京書籍のほうは、「見つめる」、「計画する・活動する」、「生活に生かす」といった問題解決的な学習のステップですね、こういう進め方を重視している。そして、こういったステップを学習展開で実践していくことは、実践的な態度を育てることでは非常に大事だと言えるわけですよね。
 また、写真の大きさや資料の配置、こういう面も見ますと、子どもがわかりやすいとか、つかみやすいとか、そういった工夫もなされているということで、やはり東京書籍のほうに分があるかなという印象を持ちました。

秋山委員長

 ほかにご意見はありませんでしょうか。
 私も、やはり東京書籍は、見開きで、とてもよくまとまっているように思います。小さいことですけれども、玉どめとか玉結びなどのところは、とてもわかりやすいです。それに、学習活動の流れが明確であることも大切なところを押さえている感じがします。
 家庭科の教科書は、東京書籍がよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

「平成22年第3回教育委員会臨時会会議録(4)」へ続く

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