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ハグロトンボ(羽黒蜻蛉)
作成・発信部署:都市整備部 緑と公園課
公開日:2019年9月16日 最終更新日:2019年9月16日
【連載第93回】翅の黒いスリムなトンボ トンボ目カワトンボ科
日本には約200種のトンボがいるといわれています。おなじみの赤とんぼ(アキアカネ、ナツアカネなどの総称)やギンヤンマをはじめ、色とりどりの種類がいます。一般的に雄のほうが雌よりも目立つ美しい色をしています。
古代から湿地の多かった日本列島にはたくさんのトンボが生息し、稲作のための水田が広がるとともに私たちに身近な昆虫になっています。日本の古い呼び名「秋津島」がありますが、この秋津とはトンボの古い呼び名だそうです。つまりトンボの多い島という意味があります。トンボは幼虫(ヤゴ)の時には水中の小動物(オタマジャクシや小魚など)を食べ、成虫になると蚊や蛾の仲間などの害虫を捕食してくれるので大切にされてきたということもあるでしょう。
ハグロトンボは、ほかのトンボと違って翅が黒いことから羽黒トンボと呼ばれています。雄の胴体は写真のように美しい光沢のある緑色、雌は黒褐色です。体長は6cmほどで、カワトンボの仲間は他のトンボのように直線的な早い飛び方やホバリングなどをすることはなく、ひらひらと舞うように飛びます。黒い翅のハグロトンボがゆったりと飛ぶ姿はなかなか優雅です。また、枝先や石等にとまるときには写真のように4枚の翅を重ねて閉じます。水のきれいな場所に暮らすといわれ、三鷹市内では大沢の里周辺、丸池公園周辺等で見ることができます。季節的には5月から10月にかけて、かなり長くみられ、羽化したての若い成虫は林の中ですごすことが多いそうです。写真は8月に大沢の里の水田脇で撮影したものです。
たくさんの種類のトンボが生息する豊かな環境を守っていきたいものです。