ここから本文です
平成23年第8回教育委員会定例会会議録(2)
作成・発信部署:教育委員会 総務課
公開日:2011年11月29日 最終更新日:2011年11月29日
平成23年第8回教育委員会定例会
日程第2 議案第26号 平成23年度教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価(平成22年度分)について
河野委員
22ページの11番の、みたか教師力養成講座等の充実についてお伺いいたします。この事業の取り組みとして、みたか教師力養成講座が、(1)で掲げられておりまして、これは三鷹の教員を志望する学生のためのインターンシップ制度を充実させるということで、具体的に、半年の講座を実施するとのことですけれども、インターンシップ制度とか、あるいは特別教育実習を行うということが、どういうふうになされているのか、これだけではわかりにくいので、説明していただけますでしょうか。
松野指導課長
ご質問いただきました教師力養成講座でございますが、三鷹ネットワーク大学と連携して実施しているものでございまして、教員を目指す学生、あるいはもう既に卒業した方もいらっしゃるのですが、そういう方が応募をして、半年間、5月から9月までと、それから10月から2月までという2期にわたっているのですけれども、その講座を受講して、その中で例えば教員として必要な資質能力についての、講義を受けたり、演習を行ったり、そういったことを講座的に受講するということ。それとともに、三鷹の協力をしていただける中学校、小学校に、免許に応じて教育実習という形で、これは特別教育実習というのですけれども、期間はとにかく普通の大学の教育実習とは別にやりますので、どれぐらい長くても構わないのですが、学生の実習として、その学校に行き、授業補助をしたり、あるいは部活の補助をしたり、あるいは校務について学んだりという機会を設けておりまして、これは学校側からも受講生の方からも、実際に子どもと触れ合ったり、学校の事務に触れたりすることができるということで、大変好評なのですけれども、そういう経験を得た上で、採用については東京都の採用試験でございますので、成果について、学生さんの実力が試されるところなのです。61名ということですが、半期で2回ですので、大体1回30名で、同じ方が前半、後半も受けている方が多いので、その中から19名が合格したという実績と、とらえていただければよろしいかと思います。
河野委員
わかりました。この特別教育実習を、大学での教育実習とは別に行われると聞いて、とてもいいことだと思うのです。やっぱり普通に大学で行われている教育実習の期間はあまりにも短過ぎて、できればみたか教師力養成講座の中で、半年のうち、例えば3カ月はそういう学校に入って、子どもの授業の補助をするとか、あるいは補習を手伝うとか、実際に子どもとじかに触れ合う機会をもっと長く持つことは、とても大事なことなのではないかと思うのです。今のお話を伺っていると、特別教育実習の期間は学校によってまちまちのようなのですけれども、短いところと長いところでは、どのくらい違いがあるのですか。
松野指導課長
具体的には、学校側のニーズと学生さんのニーズ、都合の合うところがどれぐらいかというところでもあるのですが、まだ学生の方は当然、大学、本学の授業もありますから、その中で行けるところへ行く。学校も何をしていただくか、何を補助していただくかということも含めて、その中で折り合いをつけて、長い場合には1年通じていっている方もいらっしゃいますし、できる限り長い期間、そして多い回数、学校に行っていただくことで、その大学で通常行う教育実習は3週間か4週間ですけれども、それとは別に子どもと触れ合うことができるということは、みたか教師力養成講座に応募してくる学生さんも、ほんとうにそれが魅力でここに来ていると面接でおっしゃる方がとても多いので、効果を上げていると思います。
河野委員
ほんとうに、とてもいいことだと思いますし、できれば特別教育実習が、もう少し体系立って、特に授業が上手な先生とか、指導力にすぐれた先生のところで、ある程度長い期間、計画的に学べるシステムが整うと、非常にいいなと思っていますし、今もそういう方向でやられていると思いますけれども、今日、これを拝見して、非常にいい試みだと思いました。ありがとうございます。
貝ノ瀬教育長
基本的に、ウイークデーは、学校に行ってもらっているのです。だけれども学生も授業がありますので、午前中はあいている人もいれば、午後があいているとか、夕方あいているとか、いろいろでしょうから、それに合わせてご自分の小学校なら小学校、中学校なら中学校に行ってもらう。ですから、そこの中で学校と話し合って、担任の補助をしたり、場合によってはいろいろな学級を歩いたり、子どもと触れ合うというのが基本ですから。大学1年から入れるわけですから、長い人はもう4年間、何回でも受講できます。
河野委員
回数は制限なしですか。
貝ノ瀬教育長
なしです。土曜日の午前中が座学で、ネットワーク大学でいろいろな方の講義。現場の先生や大学の先生、民間の経営者の、IBMの北城さんや、アフラックの最高顧問の大竹さんなど、そういう人たちから大変いい話も聞けたりしますので、そういうことをずっと続けていきますから、これはもういいに決まっているのです。
河野委員
そうですね。これは無料でやっていらっしゃるのですか。
松野指導課長
1万2,000円です。
河野委員
とてもいい制度だと思いますので、できればもっと人数を広げるとか、規模を大きくするとか、できればほんとうは教員採用も三鷹市でできるといいのでしょうけれども、それはなかなか難しいのでしょうね。
貝ノ瀬教育長
現実には、本市は学校運営協議会やコミュニティ・スクールを各学校に設置しているでしょう。ですから人事に対して意見を出せるわけですから、自分の学校に入っていた学生を、もしそこの学校のほうで、これはいい先生だ、ということであれば意見を出してもらいます。
河野委員
それはできるのですか。
貝ノ瀬教育長
教育委員会から都教委へ意見を出します。そうすると都教委で配慮して、その意見を尊重してくれています。
河野委員
これは、始めて何年ぐらいたつのですか。
松永指導課教育施策担当課長
今年の受験者で5期目です。
河野委員
大体、受講生は増えている感じなのですか。
松野指導課長
まず、定員枠として、大体30名という教室の問題がございます。あるいは指導者の問題もありますので、それでずっと推移している形です。
貝ノ瀬教育長
ネットワーク大学とは、行かれるとわかるのですが、残念ながらそんなに広くないのです。ですから、そういう物理的な条件もあるので、それ以上増やすのは難しいです。
秋山委員長
ほかにありませんでしょうか。
寺木委員
9番の小・中一貫教育に関してですが、これは皆さんのご努力をいただきまして、とてもよい結果をご報告いただいていますが、事業の評価の[2]で、確かにこの小・中一貫が当面目標としたことはクリアされているのかもしれませんが、[2]で目標以上の結果があったというA評価を出す、そこのあたりの根拠を少しご説明いただけますでしょうか。
松野指導課長
もちろん、これは小・中一貫教育の成果という部分もあるのですが、今回、この点検、評価の項目としては、小・中一貫教育の充実・発展等及び教育改革フォーラムの開催というところでございまして、この成果に対するよい結果、目標以上の成果というのは、ここの部分もかなり大きくとらえておりまして、予想以上の参加者も多かったということで、もちろん小・中一貫教育の成果も上がっているのですが、この部分をとらえてA評価とさせていただいたということでございます。
寺木委員
教育改革フォーラムはたくさんの方に来ていただいて、こちらはほんとうに数字的にもとても大成功だったように思いますが、小・中一貫教育の充実という意味では、まだここで目標以上の結果が出たと出すのは、少し時期が早いような思いがあります。決してだめだったとは申しませんが、なお一層の発展を期待して、ここで何か、おおむね目標が達成できたというあたりの評価でも、よかったのではないかなとは思いました。
秋山委員長
ほかにありませんでしょうか。
19番の、みたか子ども読書プランの改定なのですけれども、プランを基本にして、また次にプランを改定するということなのですが、もう少し目標が実際に何をやったかという、もう少し細かい内容に踏み込むことは無理でしょうか。例えば、家庭、地域、学校で、あらゆる機会と場所において自主的に読書活動を行うことができるよう、環境整備を行うというのは、毎年あるような目標なので、何か、今年はこういうことをやったというような、もうちょっと、もう1ランク下げた目標でもいいのではないかと思うのですけれども、その辺はどうでしょうか。
大島三鷹図書館長
実際は、47事業を一つずつ検討し、その中から10項目に絞って、新しいプランの中では、それを中心にやっていったほうがいいのではないかというところまで行っているのですけれども、あまり具体的に書き過ぎてしまいますと、かえってわからなくなる可能性もあるので、文言についてはもう少し、できるだけわかりやすいように考えてみます。
藤川教育部長
寺木委員がおっしゃった内容についてです。確かに今、Aと申し上げたのですが、おっしゃるとおりで、若干じくじたるものもございまして。
というのは、フォーラムなどを見ていて、三鷹は相対的に見ると、確かにいいところまで来たなという感じがしましたので、そこの面を見るとAです。ただ、これから教育のプランを改定して、さらに上を目指そうということを考えると、Aはちょっと甘いかなという感じがしますので、このあたりは事務局提案でAにしましたけれども、その辺をご議論いただければと思います。
貝ノ瀬教育長
22年度の目標に対してどうだったかということを評価するのであれば、22年度の時点ではねらったものが、相当に達成されたということで、こういうふうに自己評価をしたという受け取り方もあるかとも思うのです。
河野委員
教育改革フォーラムは非常に大きな行事で、大変な準備がかかることはわかるのですが、小・中一貫教育の充実のほうが、全体の比重の中では、この9番の項目は多分大きいのだろうということを考えると、Aというのが、どの程度になればAなのか、目標以上の結果をどこに設定するかというところで、非常に抽象的なので、ちょっと評価が難しいですね。おおむね目標が達成できたということは、間違いないと思うのですけれども。
寺木委員
そうそう。それは間違いない。
松野指導課長
もちろん、教育フォーラムの参加者が多かったからAということではなくて、先ほどそれは参加者の数ということで申し上げましたけれども、そのことも含めて、教育改革フォーラムについては、この上の部分に書かれている目標、このコミュニティ・スクールを取り入れた学校づくりの充実・発展のためのフォーラムの開催としてやったことについては、当然よい結果が得られたということであることは間違いないと思います。ただ、今おっしゃるように、小・中一貫教育の充実と発展という部分で言うと、全部総じて言えば、まだまだこれからやらなくてはいけないこともあるだろうというご指摘は、受けとめたいと思います。
寺木委員
私の意見を申し上げますと、12番の児童・生徒の学力向上や、13番の体力の向上。そこの部分で、おおむね目標が達成できたというB評価を出してくださっていて、これは項目別には出してくださっているけれども、小・中一貫の中での、子どもたちの教育ということで見れば、これらは小・中一貫教育の中の一部分の評価と考えたので、先ほど申し上げたわけでございます。
河野委員
三鷹市の教育委員会は非常によくやられているということは、私もわかりますので、厳し目の評価をすることによって、より高いところを目指していただくこともいいのではないかとも思います。
秋山委員長
今回は、小・中一貫教育の充実と発展と教育改革フォーラムを一緒に評価したというところに、難しさがあるのではないかと思いますので、そこを今後は注意しながら評価していただくといいのではないでしょうか。
河野委員
そうですね。
藤川教育部長
では、Bにさせていただきます。
秋山委員長
よろしくお願いします。
河野委員
それから、もう一つだけよろしいでしょうか。
12番の、児童・生徒の学力の向上についてなのですけれども、今後の取り組み・課題が25ページに書いてございますけれども、新学習指導要領が、小学校では平成23年度から完全実施となることを踏まえて、こういことをしたいということが、ここに書いてありますが、読んでいて、取り組みとしては若干物足りないように、率直な意見としては思うのです。
例えば、各学校の管理職及び担当者向けの説明会や事前相談会を実施し、各小・中学校が児童・生徒の学力向上に向けた教育課程及び年間指導計画、評価計画等を編成するようにきめ細かく支援するということで、何か、これだけ新学習指導要領という、内容的に非常に変わったことについて、それに対する対応が、管理職とか担当者向けの説明会とか事前相談会を実施する程度の対応でいいのかどうか、もう少し、これについて、取り組みとしては、もう少し掘り下げて取り組むべきことがあるのではないかと率直なところ、感じたものですから、申し上げたいと思います。
松永指導課教育施策担当課長
このことにつきましては、昨年度1年間こういうことをしたということであって、平成20年の3月に新しい学習指導要領が告示された後、全部の先生方を集めての説明会とずっと積み重ねてきて、最終的に、もうそれをどう具体化するかという、教育課程編成に当たっての、管理職、担当者への指導、助言ということで、ここには書かせていただきました。
河野委員
新学習指導要領では、かなり教える量も増えていると聞きますし、内容的にも変わっていると聞いていますので、それを踏まえた、単なる形の問題ではなくて、もう少し内容的に、新学習指導要領を踏まえて、いま一歩踏み込んだ取り組みが必要なのではないかということを感じたのです。私としては、三鷹の教育委員会に対しては、より高いところの取り組みを目指していただきたいと思いますので、もう少し何か踏み込んだ対応を、もう少し検討されてもいいのではないかなと思うのですけれども。
貝ノ瀬教育長
私のほうで申し上げますと、基本的に子どもの学力を向上させるのは学校なのです。だから教育委員会は学校が取り組むことについて、指導したり、援助したり、アドバイスしたりということなので。主体は学校なので。ですから学校が生きるように、工夫、改善ができるように、教育委員会がそれに対応するというところなのですが、例えばダイレクトに、100マス計算をやりなさいとか、そういうことは控えているわけです。むしろ小・中一貫教育のコミュニティ・スクールをてこにしながら、結局、学校運営協議会の皆さん方が校長から、例えば学力調査の結果とか、いろいろな子どもの学力に関していろいろな情報を得て、その中でどうしたらいい、ああしたほうがいいということになっていきますので、ですからそういうことで、総合的に、教育委員会が例えば策を幾つか挙げて迫るとかということではなくて、環境整備をしながら、結局、学校が主体的に、自律的に、学力の向上について工夫して前進できるというふうにしているということなのです。
だから、ここだけの項目を見ると、何かダイレクトにやるものが少ないような感じがしますけれども、全体が結局、教育委員会が取り組んでいることが、学校に対して力をつける、学校の質を上げていくということに努力しているわけです。だから学力向上ということで、ここだけを見るとそういう点であるかもしれませんが、例えば具体的に、こういうことを教育委員会でやってみてはどうかというものがあれば、そういうものを参考にしながらやってもいいかとも思います。
河野委員
例えば、各学校ごとの学力については、やっぱり三鷹市内でも学校間の学力格差というか、差はあり得るのではないかと思うのです。そういうものについて、教育委員会としてどう取り組んでいくかとか、そういうものはやっぱりあるのではないかと思うし、もう少し、さっきのみたか教師力養成講座みたいに、片方では踏み込んだ対応もされているところもあるわけですから、児童・生徒の学力の向上の問題についても、教育委員会としてもう少し踏み込んだ対応をできるのではないかなと思いますけれども。
藤川教育部長
今後の取り組み・課題のところ、ここまでは他市の教育委員会でもやっていることなのです。問題は、この後の3行です。三鷹市独自の学習到達度調査の分析、考察、それを小・中一貫カリキュラムの中にどうやって生かしていくのかという中身です。それをまた、授業の改善や何かにどう生かし切れるかということです。今、おっしゃったのは、そこをもう少し具体的に書き込めないかというご指摘かなと思いますので、具体的な取り組みを、例示的に付加する感じでまとめたいと思います。
寺木委員
学識経験者からの意見のところで、小松先生や島田先生が書いてくださった文章を読ませていただいたのですが、小松先生は学校教育の分野では、三鷹市教育ビジョンの基本方針に沿って、三鷹市立学校が頑張って公教育の質の向上に努めていますということをはっきり言ってくださっているので、ああ評価していただいているなと私は思いました。
それから島田先生は、今、三鷹市がやっていることが、三鷹市という地域だけではなく、日本の教育行政にどんな影響を及ぼしているのかということも、外からの評価ももう少しやってみたらどうかという、これはすごく前向きな提案かなとお見受けしましたので、今回、この先生方はすごく評価してくださっていると思いました。私も皆さんが1年間頑張ってくださって、いい評価をいただいているなと思いました。ありがとうございます。
秋山委員長
ほかにご質問、ご意見ないでしょうか。
この報告書は、毎年作成されていくわけですので、毎年このような議論を重ねながら、この報告書が進化していけばいいかなと思います。よろしくお願いします。
では、議案第26号 平成23年度教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価(平成22年度分)については、ただいまご審議いただいた点をふまえて若干の手直しを含むことで、可決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
秋山委員長
ご異議なしと認めます。本件は若干の手直しを含めて原案のとおり可決されました。
平成23年第8回教育委員会定例会会議録(1)の目次
- 平成23年第8回教育委員会定例会会議録(2)
- 平成23年第8回教育委員会定例会会議録(3)
このページの作成・発信部署
〒181-8505 東京都三鷹市下連雀九丁目11番7号
電話:0422-29-9811
ファクス:0422-43-0320