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平成23年第6回教育委員会定例会会議録(4)
作成・発信部署:教育委員会 総務課
公開日:2011年11月17日 最終更新日:2011年11月17日
平成23年第6回教育委員会定例会
日程第4 教育長報告
鈴木委員
この横長の「三鷹市立小・中一貫教育校 7学園の活動について」、今、このコミュニティ・スクールについても、この資料を使って説明がありましたが、この中に相互乗り入れ授業、それから交流活動というのがあります。これを、何といいますか、鳥瞰図的に見てみると、7つの学園がいわゆる小・中一貫にしたということの実際的な活動が見えてくる。そうすると、なぜ小・中一貫にしたのだということ。いわゆる哲学があってやったわけで、その具体的な、今、成果というか、実態がこうですということで、相互乗り入れの授業と交流活動という二つのカテゴリーに分かれているということですよね。相互の乗り入れの授業を見てみますと、一つには小学校から中学校へ、それから中学校から小学校へというのがありますけれども、これは7つの学園を見ると、例えばここに、活発な交流をしているところと、そうでもない、あるいは中学校から小学校へは多少活発だけれど、小学校から中学校はどうだろうということがありますが、その観点からすると、例えばこの三鷹の森学園は小学校が中学校へ、それから中学校が小学校へも、かなりやっているのかなというのがあります。やっぱり、やっているところと、やっていないところがあるというのがあります。これが、なぜこういう結果なのか。それから7つの学園の中で相互乗り入れについて、何か連絡をし合って、お互いに報告し合ってということをやっているのかというのが一つです。
それから交流活動に行きますと、小学校、中学校の交流活動も活発にやっていらっしゃるところと、そうでもないところというのがあるということで、この相互乗り入れの授業というカテゴリーと、交流活動というカテゴリーで、全部合わせて小・中一貫の活動の実態ということなのですが、これはどちらかに比重を置いて、こちらをやるということが、ある学園ではこうだというポリシーのようなものがあるのかどうかとか、その辺のところを、もう評価をなさってもいい時期なのではないかと思いますけれども、その辺はどうでしょうか。
秋山委員長
松永課長。
松永指導課教育施策担当課長
まず、相互乗り入れ授業について、少し説明をしたいと思います。確かに、三鷹の森学園はいろいろな教科でいろいろな人がという形での入り方をしているところが事実としてありますけれども、ただ、回数的に言うと、どのぐらいあるのかといったこと、それがまず一つあります。逆に連雀学園などですと、一つの教科という形で入っていたりするのですけれども、これはレギュラーで同じ教科の人がずっとコンスタントに行く。さまざまな形で相互乗り入れ授業のやり方について、各学園でいろいろな形の、ある意味、試行錯誤をしながら、今、積み上げて、結果はどうなのかといったところを出しているところです。
そういう意味では、ある決まった教科で、レギュラーで行くことのメリットがあるのか。それとも、さまざまな人が入っていくほうが、子どもたちにとってメリットがあるのかといったことは、実際にやってみてどうなのかといったことを、また検証の報告としていただく中で、三鷹のすべての学園の実施方策の中に生かせていければといったところだと思っています。安心して進学できるという形の回答が出てきたところは、実は毎週レギュラーで同じ人が来てくださるところの子どもだったりすることもあったりするので、多いから、より効果が上がるか、そうでないのかというのは、まだ検証中といったところになります。
それから交流活動につきましても、さまざまな試行錯誤、もっとこういうふうにしていったらよくなるのではないかといったことで、それぞれの学園が、ある意味、特色を持ちながら、発揮していっているところなのかと、今は見ています。こちらも、現実的には、やはりまだ結果が、結論としては出てきていないところなのかと思っておりますが、子どもたちにとっては、やはりさまざまな方と交流をすることは楽しいものなのだという思いは、すごく強くなってきているというのは、各学園の評価の検証からは出てきています。
鈴木委員
これは、非常に微妙な問題というか、結局、このような交流の仕方をやっていればいいのかということ。逆に言うと、小・中一貫校となるという目的はこういうことだったのかということです。それを検証しなければいけないのですが、さはさりながら各学園の、いわば自由度というか、これを十分認めてあげなければいけないわけで、これを認めてあげるということと、教育委員会が制度としてこれをつくった目的は達成されているのかどうかというのは、ある意味、教育委員会から、いわばコントロールするというふうなことにも通じかねませんから、それも気をつけなければいけないのですけれども、そのようなスタンスをどこに置くかはちゃんとしながらも、やっぱり小・中一貫の制度を、これだけの大がかりな改革をやったわけですから、検証した結果、ではどういう方向にというのは、各学園の行政の方たち、あるいはもちろん先生方もPTAも含めてですけれども、その方たちの声を吸い上げながらも、教育委員会がちゃんとした方向というか、戦略的なものを持っていなければいけないと思うのですけれども、これはいつごろになったら、なるのでしょうか。
藤川教育部長
今、委員が言われたとおりだと思います。それで、ばらつきがあるのは、いろいろ条件がありまして、もう5年たつところもあり、1年しかたっていないところもあり、5年先にやったところの見よう見まねで、まねしたところもあれば、逆にちょっと違うことをやってみようというところもあったり、そのでき方がばらばらだったので、今まで多少ばらつきがあるという面と、あと、学園で特色を出しなさい、学園の持っている条件、人的な資源、そういったものをうまく生かしなさいということで言われて、学園長さんが自分たちで考えながらやっていますので、ある程度特色が出てくるのはやむを得ないかなという面もございます。それから、今、言った年度の違いというのもございます。また、学園の重点の置き方によって、科目を絞ってみたり、あるいは別に研究指定校などを受けていて、そういうところについてはそちらでやるから、学園はちょっと違うことをやろうではないかという、そういう判断もございます。ある程度やってみて、ここで教育ビジョンを改定していこうという流れでございまして、つまり一つは、こういう、7学園横並びにして検証・評価しようというのも、それぞれの特殊性をきちっと客観的に踏まえながら、7学園それぞれどうか、そして全体としてどうかということを、我々として把握して、評価をするための出発点です。こういう資料をつくるということは、今、言われたように、あちらがあまりやっていないのではないかとか、こちらがやっていないのではないか。正直言いまして、これは見せられた学園長さんとか、そういう方たちが、ほんとうは一番感じているのではないか。
ある程度、それぞれの学園に任せながらも、教育ビジョンの中で今までやってきた数年間の取り組みを踏まえて、次の5年なら5年、10年なら10年の小・中一貫はこういうことを目標に行くぞ、市全体としては、これを目標にするので大枠は外れないでくれ、ただしその中で、それぞれ創意工夫をして、地域なりの人財とか特殊性を踏まえて、頑張って教育ビジョンの目標を達成してくれという形で進めていきたいと考えていますので、これは一つのデータだとお考えいただけるといいのではないかと思います。
鈴木委員
この教育ビジョン2022、この中に当然そういうことも含まれるわけですね。
藤川教育部長
そうですね。その中で、当然今まで数年間やってきたことの、こういうデータを参考にしながら、ではこれをもう少し、いい制度にしていく、持続可能な制度にしていく、発展させるにはどうしたらいいのか。学力の問題がありますよね。人間力の問題、社会力の問題と、大きなテーマがございますので、それをさらに伸ばすためにはどうしたらいいのかという議論をして、それを教育ビジョンの中に落とし込んで、それは外さないで、学園を運営してくださいという、そういう流れになろうかと思います。
鈴木委員
ある意味で、これなら小・中一貫にしなくてもよかったのではないのかという結論になってしまっては困るわけで、小・中一貫だからこそ、こういうことができるのだと、これ以外ではできないのだというところ、だから特徴を出すというところもそうなのでしょうけれども、その辺はやっぱり、何というのでしょう、あまりきつく目配りしてはいけないのですけれども、でもそこをちゃんと配慮しておかないといけないと思うのですが。
藤川教育部長
学力の面では、若干、上向きという結果は出ていますが、社会力とか人間力の成果は出ているのかと言われましても、これはアンケートでは、皆さん、役に立っていますという答えが返ってきますけれども、実際ここから、それこそノーベル賞が出たとか、そういう結果が出るまでには、まだまだ時間がかかりますので、なかなか難しくて、その辺の評価をどうしたらいいのかというあたりは、いろいろとお知恵をいただきながらやっていきたいと考えています。
河野委員
私も、今、鈴木委員の意見を拝聴して、ほんとうにそのとおりだと思ったのですが、例えば、交流活動については、各学園の自主性をかなり尊重するとしても、相互乗り入れ授業については、やっぱり小・中学校の、教育の連携というか、例えば数学については特にそうだと思うのですけれども、単に1年間に何回かやるだけということではなくて、小学校からの算数の積み重ね、中学校への数学の橋渡しをどういうふうに計画的にやって、どうやったら相互乗り入れ授業が効果的に行われるかということについては、やはり教育委員会で、ある程度、各学園のものを取りまとめた上で、一つのモデルケースならモデルケースでもいいですけれども、何らかのものを示した上でやらないと、いま一つコミュニティ・スクールに変わったなというのを感じにくいと思うのです。交流授業も単に年に1回、5年生なら5年生、1回か2回あるだけで、それだと先生と顔見知りにはなるでしょうけれども、いま一つ具体的にどういう連携が行われているのかという観点がわかりにくいのではないでしょうか。だから、各学園の自主性に任せる交流活動と、それから教育委員会として教育的な観点から配慮していくべき相互乗り入れ授業と、きちっと分けて考えたほうがいいのではないかというのが一つあります。
それから、もう一つはボランティアの問題なのですけれども、これは教育委員会に限ったことではない、いろいろ、市全体のボランティアの問題にもつながると思いますけれども、ボランティアの行為に一方的に甘えるということではなくて、例えばボランティアをしたことによって、ある自治体によってはそれを点数化したり、スタンプか何か、そういうものをためておいて、将来、自分がボランティアを受けられる立場にも利用できるとか、何かボランティアを続けられる工夫というものがなければ、単に一方的に行為に甘えるということでは、広がりがどうしても限界があると思うのです。だから、これはいろいろな自治体の例を見て、どうやったらボランティアが長続きして広がっていくのかということを工夫される必要があるのではないかと思うのです。
秋山委員長
私はスクール・コミュニティという概念が出たときに、コミュニティ・スクールというのは学校側に地域の方々が来てくださって、いろいろ学校の経営だとか、いろいろな運営に役に立っていただいている。ではスクール・コミュニティという概念になったときには、今度は学校が地域のために何ができるかという発想を、やっぱり取り入れていいのではないかと個人的は思ったのです。そうするとボランティアで来ていただいているような活動に関しても、今後は学校が地域のために何ができるかという視点で行けば、そこのボランティアに対してもやりとりができるのではないかという考えを持っています。
藤川教育部長
相互乗り入れの授業の関係なのですけれども、教育委員会が入って、小中の先生が入って、各教科ごとに研究をして、小学校1年から中学3年までの現在の教育課程を全部眺めて、そしてそれを9年間の連続としてつなげるにはどうしたらいいのかということで、三鷹的な、要するに文科省の大枠は外さない範囲で、どういうふうに組み立てれば、小学校、中学校のカリキュラムが連続していくのかという研究会もやって、それをそれぞれ科目ごとにつくっているのです。それに従って、中学の先生が小学校へ行って、小学校の現状はどうか、それを中学校に役立てるにはどうかということを、みずから実体験をしながら考える。また、小学校の先生が中学へ行って、自分が小学校で日ごろ教えていることが、中学へ行ってほんとうに役立っているのを見るという形で、学校だけに任せっきりではなくて、カリキュラムをみんな苦労してつくっていまして、それを何年かごとに修正をかけるということまでやっているのです。先生たちもきちっと小学校と中学校との連携をしようということでやっていまして、成果がほんとうに即、それが見事に出たと自信を持って言えれば、このラインがぐーっと右上がりに上がるのでしょうけれども、なかなかそういうわけにはいかないけれども、頑張っていますので、その辺はよく見ていただければと思います。
秋山委員長
では、寺木委員。
寺木委員
私は、この小・中一貫コミュニティ・スクールが動き出して、とてもよかったなと感じていることがありまして、それは保護者の人、地域の人が、自分たちで考えたことをちゃんと実際に実践できるという、そういう参加するという喜びを持っていただいているのだと思いますが、最近いろいろな学校に行きますと、皆さんとても明るくなりまして、何というのか、以前の学校の雰囲気とは全然違う、いい感じを受けることが多くて、これがコミュニティ・スクールをやったことの結果として、今、感じられる部分、ちょっと言葉では具体的に何ということは言えませんが、とても地域の方、学校に入ってくださっている人たちがいい感じで学校に来ていただいているので、これは皆さんの発言力も、PTAの人たち、P連の人たちの懇談会とかを見ましても、以前とは全然違う、とてもいい視点で発言してくださるようになりまして、こういうことが小・中一貫、まず大人のほうが変わってきた、では、もう少し時間がたてば、きっと子どもたちも変わっていくのではないかと、私はとても期待を持っています。
鈴木委員
おそらく、一貫して科目がこういうふうに、いわばシームレスになったということで、要するに、最近の言葉を使えば、ラーニングアウトカムという、学習成果はどこに置くのだというのがありますけれども、だから一貫してこういうふうにしたから、算数はここまで行った、国語はここまで行ったということで、それは9年間すれば、今、小学校1年の人が中学校3年になって卒業していった、そこまで待たなければ、検証すると言ってもほんとうはわからないわけです。だけれど、今の河野委員がおっしゃるように、科目だけこういうふうにやったから、これが小・中一貫かというと、おそらくほんとうの意味の小・中一貫にするということの意味と意義は、そういうところではないのだろうと思うのです。社会力とか人間力など、いわく言いがたい、数値にあらわれないようなところが、いわばラーニングアウトカムということで出てくるわけで、それを検証するには、もう少し待たなければいけないと思うのですけれども、明らかにPTAの人たちの、何というか、関与の仕方が変わってきたとか、そういうのは大切なことだと思います。
寺木委員
そうですね。とてもそれは評価しています。
鈴木委員
だから、皆さんよくおやりなのだと思っています。
藤川教育部長
あと、校長先生たちも、ふつうは小学校と中学校は完全に分かれてしまう。ところが、今、中学が小学校へ来たり、小学校が中学へ行ったりというのもあるし、学園でしょっちゅう一緒なので、中学と小学校が分かれてしまうなどということはなく、みんな、ああじゃない、こうじゃないと、お話をするような雰囲気ができてきたことだけでも、非常にすばらしいのではないか。それをうまく目的につながるように、仲のよさ、連携のよさを持っていけるかどうかというのが、これから勝負になるのかなと。
鈴木委員
そうですね。だから私は、河野委員がおっしゃるように、教育委員会としてポリシーを打ち出しながらも、やっぱりこういう雰囲気の中で、もう一皮、もう一皮という感じで、これは大変疲れることなのですけれども、意識的に少しずつ、少しずつやっていけば、差異化というか、おのずから出てくると思うのです。だから今までのことだったら、まあ大丈夫だ。だけどそれで満足せずに、何かもう一皮という感じでやっていっていただければと思いますけれども。
秋山委員長
おそらく小・中一貫でやっていることは、目に見えてないものと、見える活動と、やっぱりあると思うのです。やっぱりそこを目に見えているものばかりに評価が行ってしまいがちなのだけれども、見えないものにもきちんと評価できるような形で進めていただければいいかと思います。
ほかにありませんでしょうか。
では、私から一つ。
震災の後、子ども心のケアがよく言われていますけれども、総合相談窓口にそういう相談がないかどうかということと、駅伝が11月27日になっていますが、従来だと2月ぐらいにあったわけなのですけれども、それが変更になっていますが、今後もずっと11月でいくのかどうか、その辺を教えてください。
田中学務課副主幹
総合教育相談室、田中です。総合教育相談室に直接の、そのような教育相談に対するお申し出はないのですが、各学校に配置しておりますスクールカウンセラーのもとには、そのようなご相談がございます。あと、震災で被災された親子の方が三鷹にいらっしゃって、その当日からスクールカウンセラーを希望されまして、学校にそれを伝えまして、最初から対応したということがございます。
秋山委員長
内野課長。
内野学務課長
私からも追加でですけれども、学務課学務係の窓口で、被災で三鷹に来られた方については就学の手続をします。そのときに、お一人、やはりちょっと心のケアのほうで心配なのだという保護者の方からの相談を受けましたので、学校ではこういうカウンセラーがいますからということで、学校長にも連絡しておきまして、保護者の方にも、そういう対応ができますのでいかがですかということで紹介して、対応したというところはあります。
秋山委員長
ありがとうございます。
藤川教育部長
最近よくある問い合わせは放射能の関係です。被災地から来られた方ではなくて、放射能を心配されるというメールの質問だとか、そういう質問が多くございます。
秋山委員長
丁寧に対応してあげてください。
では、岡崎課長。
岡崎スポーツ振興課長
駅伝の実施時期ですが、今年で駅伝は第20回目を迎えまして、去年は大沢グラウンドのお披露目ということで10月10日に開催しましたが、過去19回は、毎年2月開催でした。ただ実施時期が冬ということで、雪などの天候不順で、2回中止になったことがありまして、それと走っている人はいいのですが、役員さんたちがやはり寒いということもありまして、そういう時期を、雪の心配もない時期であって、なおかつそんなに寒くもない時期だということで、今年は11月27日としております。これはまた、来年、再来年続くかということはちょっと未定なのですが、今回11月に実施してみて、また検証したいと思います。
秋山委員長
ありがとうございます。
ほかに何かありますでしょうか。
それでは、日程第4 教育長報告を終わります。
以上をもちまして、平成23年第6回教育委員会定例会を閉会いたします。
ありがとうございました。
午後3時31分 閉会
平成23年第6回教育委員会定例会会議録(1)の目次
- 平成23年第6回教育委員会定例会会議録(2)
- 平成23年第6回教育委員会定例会会議録(3)
- 平成23年第6回教育委員会定例会会議録(4)
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