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平成22年第9回教育委員会定例会会議録(3)

作成・発信部署:教育委員会 総務課

公開日:2011年3月8日 最終更新日:2011年3月8日

平成22年第9回教育委員会定例会(3)

日程第3 教育長報告

河野委員

 家庭訪問の目的をどういうことに置くかによって、考え方はいろいろ違うんだろうと思うんですけれども、確かに保護者にとっては、働く母親であれば余計のこと、先生が来るとなれば掃除もしなくてはいけないし、時間もとらなければいけないので、煩わしいという気持ちは理解できます。先生も、いろいろ回るよりは学校に来てもらったほうが楽だと。しかも夏季休業中のほうが時間もとりやすいため、そういう気持ちを持たれるのは理解できます。反面、先生と保護者とのコミュニケーションを図ることを考えますと、例えば働いている母親であれば、特に相談するほどの問題はなくても、今度の新しい先生がどういう先生かということが、夏休みになるまでわからない。保護者会で一方的に話はされるんでしょうけれども、個人的にお話をしてちょっと打ち解けることも大事なことかと思うんですが、そういう機会が全くないことについては、どうなんだろうということが1つあります。
 また教育目的から言っても、どういう家庭かを把握することは、子どもの指導上、非常に大事なところがあるのではないかと思うんです。例えば家庭での教育環境はどうなのか、虐待などがなされるような家庭環境ではないのかどうか。それは家での整理整頓ができているかとか、ちょっと入ったときの雰囲気はどうなのかとか、行ってみてわかる、感じるものも、かなり多いのではないかなと思うんです。だからほんとうに子どものことを思って、その子どもを理解した上で教育を進めようということであれば、それでいいのかなと、私の個人的な考えとしては思うんです。
 保護者にとっては、多くの保護者は面倒くさいことはなるべくやりたくないでしょうから、来てほしくないという意見のほうが、個人面談か家庭訪問かどちらかと言われれば、個人面談でお願いしますというほうが多いと思うんですけれども、それで果たして、ほんとうに子どもの環境を先生が担任としてきちっと理解して、その子に心配りができるのかどうか。
 例えば第四小学校の経験で言えば、私も2人子どもがいましたので、長いこと家庭訪問でやっていた時期がありまして、個人面談に変わったのがここ2年ぐらいだと思いますけれども、個人としてどちらがいいのかといいますと、確かに面倒くさくない点では個人面談のほうがいいですし、忙しい中わざわざ時間をとられるのも煩わしいことも事実ですが、やはり担任の先生と早くからある程度打ち解けたり、気心がわかることは、担任の先生にとってもいろいろトラブルを防ぐ上でも大事だと思いますし、何よりも子どもについてどういう家庭環境かを把握することが大事だから、昔から家庭訪問が行われているのではないかなと思うんです。それを保護者が希望しなくなったということで簡単に取りやめて、家庭訪問なし、個人面談で15分ぐらいということで、果たして十分なのか。
 地域確認をするといっても安全面のことであって、家庭に上がって、家庭から感じるもの、問題があるところがあればチェックするとか、そういう配慮がされているのがほんとうは望ましいのではないかと思うんです。そういうことについてはどう考えるかということですよね。家庭訪問の目的をどう考えるのか、生徒と先生とのつながり、親とのつながりをどう考えるかという、教育観にもかかわりますけれども、親が希望しないからということで、それでいいのでしょうか。

松野指導課長

 ご意見としては、お話はよくわかるところもあります。5月にやらずに夏休みまでということになると、どうしてもその間、間があいてしまいますので、そういったご意見もありますということで、校長先生方にお話しすることはできるとは思います。家庭訪問の意義というのは、委員がおっしゃるように、子どもの家庭とじっくり話をすることと、もう1つは家庭の状況を把握することにあると思います。
 ですので、意味がないとは言わないんですけれども、家庭訪問をするためには、地域を移動する時間を含めると、1軒に当たる時間がすごく短くなって、個人面談のほうが時間はたっぷりとれるわけです。移動時間がない分を全部面談に当てられるため、個人面談のほうが子どもの様子を親と話をするのには十分な時間がとれるという意味もあって、個人面談にしたということもあると思います。

貝ノ瀬教育長

 家庭訪問することに教育的な意味があると。個人面談も意味があると。だったら両方やればいいではないかという話になる。そういう理屈ではなくて、最終的には、家庭訪問は学校行事として位置づけた場合に、法的に強要できるのかどうかということです。そこまで行くわけです。そういうものがきちんと位置づけられていれば、親の意向にかかわらず、伺いますよということになるでしょう。

松野指導課長

 強制的な立ち入りはできないです。

貝ノ瀬教育長

 そうすると、あくまでも教育的な意味があるかないかという観点から、各家庭、保護者にお願いするというか啓発するというか、学校の立場としてはこういう意味があるので、ぜひご協力をお願いしたいということになりますね。だから今の校長たちの話だと、22校やっていないということは、あまり教育的意味を感じていないということになるのではないでしょうか。

松野指導課長

 結果だけ見ると、そういうことになります。

貝ノ瀬教育長

 けれども、河野委員がおっしゃったように、教育的な意味は、またそれにプラスで、今、児童虐待が増えているから、一歩踏み込むと、わかる人にはわかるんですね。家庭の養育の態度とか、僕が教員のころは、子どもの部屋も見せてくれましたけれども、そのようなところを見ると、この家ではお子さんに対してどう接しているかがわかるので、そういう意味では別にチェックするというのではないですが、安心するというか、そういう材料になります。
 教育的な意味が全くないならやめてしまう。あるのだったらぜひ希望してくださいと、ご協力くださいと申し上げた上で、でも絶対嫌ですという家はしようがないです。けれども、そのように教育的意味があるなら、教育的意味を伝えて、ご協力をお願いしたいですと言えば、中には委員のところみたいに、ぜひいらしてくださいというところもあるわけでしょう。そういうところも、ないことはないと思うんです。

河野委員

 行方不明の高齢者問題みたいなところをちょっと感じまして、プライバシーとかいろいろなことを理由に、不都合な家庭ほど来てほしくないと言うところがやはりあるんだと思うんです。だからそこを見ることは、言葉で聞く以上に感じるものがあるはずで、先生方もきちっと見ていらっしゃれば、5分いただけでその家庭の教育態度というか状況はわかるのではないかと思うんです。だから来てほしくないという親が、どうしても来てほしくないというのを、無理やり行くことは法的にもできないのでしょうけれども、来てほしくないということであれば、ちょっとその家庭環境に気を配るとか、来てほしくないから「はい、わかりました」ということで、いいのだろうかなとは思うんです。
 もちろん先生に来られることは、どの保護者にとっても煩わしいことではあると、本音では思うし、先生方も暑い中大変だと思いますけれども、それでも期間を区切らないで、例えば1か月ぐらいかけて少しずつ合間にやるとか、やり方は工夫の仕方があるのではないでしょうか。何も1週間のうちに忙しい思いをして形だけ訪問するのではなくて、玄関先ではなくて中に入って30分ぐらい時間をとっていただければ、大分ほんとうは違うのではないかと思うんですが、どうしてそういうやり方ができなくなったのかなと不思議には思います。

秋山委員長

 寺本委員。

寺木委員

 ちょうど私の下の子のとき、あったのがなくなったときに、子どもが学校に通っていまして、上の子が中学校から私学に行きましたので、そちらはなかったという2つの経験から、私自身が家庭訪問に何を感じていたのかなと、河野先生のお話をお伺いしながら少し整理してみました。
 先ほどから、先生とのコミュニケーションを深めるという意味で家庭訪問があったのであれば、面談でも十分それはかわりができていたのではないかなということと、地元の学校に通わせることのよさの1つに、家庭訪問があったように思います。私学に行きますと、やはり遠いので、全然、学校から家を見に来ることはないわけです。そこはちょっと公立の地元の学校のよさが、少し家庭訪問がなくなったことで、そういう意味ではマイナスになるかなということです。そして、先生とのコミュニケーションをとることは、とても親の立場としては大事なことで、それをどのように深めるかという、公立の学校に子どもを通わせる中で、親が考えなければならないことが、先生とどうやってコミュニケーションを深めるかということで、家庭訪問がなくなったからその関係が薄くなるとはストレートには思いませんが、もし全面廃止ということではなくて、例えば希望した方とか、あるいは先生が家庭に行って、家庭でお話をしたいなという状況を持っていらっしゃるお子さんについては、何らかの方法でできる場合があるという部分も、少し残っていてもいいような気はします。
 私の意見は以上です。

貝ノ瀬教育長

 これも教育課程に位置づけた教育活動の1つになるでしょうから、最終的に校長がどう考えるか、校長のリーダーシップ、校長が家庭訪問に教育的な意味があるのかないのかという、最後にはそこになる。校長に任されているのだから、先生方の意見を聞いて、行きたくないからやめようというのではないとは思いますけれども、そういう感じで22校、まとまってしまったのなら、残念だと思います。
 指導課のほうで、問題提起したらいいのではないですか。
 僕は6年前まで校長だったんだけれども、そのときはそんなことは全然議論にならなかったので、当然、家庭訪問はするものだと、教員には行ってもらいますという感じでした。向こうの都合が悪かったら、違う日にすればいいではないかという感じでした。土日だってあるではないかと、そのようにして、勤務時間ではありませんなんて言う人は、そのころはだれもいなかったけれども、しかし今はそういうことではないと言う人もいるかもしれないですね。

河野委員

 部外者だからそう思うのかもしれませんけれども、今の学校は、いろいろな行事をやらせたり、プールカードをつくらせたりとか、細々とした管理の面ではものすごく細かくなっているのに、根本的なことである、子どもの家庭環境も把握しないで、どうやってその子を1年間、指導するのかなと。部外者からはそう思いますけれども、ほんとうに大事なことに時間を割かないで、そういうことと比べるとそれほど重みがないことに時間を割き過ぎているのではないか。もし時間の配分をというのであれば、ほんとうに人を指導することはどういうことなのか、やはりいろいろなことをやればいいというものではなくて、その子の家庭環境を理解して、きちっと向き合うことなしには、どんな制度だってどんな行事だって教育効果を上げないと思うんです。そこの大事さを、もし校長先生が把握されていないのだとすれば、部外者から見るとちょっと疑問に思います。

貝ノ瀬教育長

 優先順位の問題で、本務は何かということになるでしょう。そのことについては、教育的な意味をもう一度、各学校は確認してもらって、併用してやるとか、面談でどうしても代えるということであれば、早目に面談をやるとか、そのようにして、これも合間にやればいいわけだから、まとめて1週間で終わらせようとすると、確かに無理がかかりますから、長期間に分けてやるとか工夫ですね。おっしゃるように工夫ということ。

藤川教育部長

 松野課長、近隣の自治体などは家庭訪問をやっているのですか。

松野指導課長

 同じような状況です。

貝ノ瀬教育長

 時数確保とか、そういうこともあるからね。

藤川教育部長

 家庭訪問をしたことがない先生が、相当いるんですね。

松野指導課長

 そうですね。ここ何年かで教員になった方の中にはいると思います。

貝ノ瀬教育長

 ここ二、三年で採用された人は、多分、全く経験していないでしょうね。

藤川教育部長

 三鷹にとどまらずということですね。

松野指導課長

 そうです。

河野委員

 それでは、地域の実情もほんとうにはわからないでしょうね。例えば三鷹市にとっても、コミュニティ・スクールというのに家庭訪問をしたこともなくて、小学校、中学校も家庭の実態も知らないでコミュニティ・スクールと言われてもという感じは、しないこともないですよね。

貝ノ瀬教育長

 例えば地図を見ながら、当然、初めて回るところは地図をもらって、地図を見て歩きながら、ここは危ないとか危険箇所だとか、確かにわかるんですよね、自分の目で。そうでなければ、めったに、僕も例えば豊島区の学校に10年、1校にいたことがあるけれども、家庭訪問でもなければ、まず網の目のように回ることは、多分なかったでしょうね。何か問題を起こした子どもの家とか、何かあったときには、確かにそういう効用もありますね。危険箇所など、子どもにとっていろいろ問題のところだとかということも、わかるかもしれないし。今はとにかく子どもの虐待の関係でも、やはり家庭の様子も見る必要があるかもしれない。
 教育的な意味があるのなら、それは考えたほうがいいのではないですかと、問題提起したほうがいいでしょうね。全くないとか、ほかに優先すべきことがあるんだということがあって、きちんとそういう考えに立っているのなら聞かせてもらって、工夫してもらうことになる。

秋山委員長

 話の流れとしては、家庭訪問もやはり考えていただきたいという流れではないかと思うんですけれども、私自身も子どもの環境を知るには、生活を知ることが一番いいのではないかと思うんです。そして家の中に入れる人は、そうたくさんな職種はないです。保健師とか民生委員とか。家の中に入れる人ということで、それが教師にあり、教育活動の1つであれば、ぜひ選択肢をなくしていただきたくないと、ぜひそれは活用していただきたいと思います。
 ほかに質問はありませんでしょうか。
 最後に、まだ熱いので、熱中症対策としてどのようにされているのかを教えてください。

松野指導課長

 これは議会でもたくさん質問が出たんですけれども、基本的に熱中症の対策としては水分補給をすること、それから子どもの健康観察をきちんと細かく行っていくことだと思います。特に外だけではないんですけれども、部活動あるいは体育の授業、これから運動会もありますので、運動会の練習等で、たくさん汗をかいたような場合には、きちんと水分補給をするようにという指導をしております。また学校によっては、保護者の希望に応じて、水筒を持参させるようなことをしております。子どもに小まめに水分補給をさせ、疲れたときには休憩をとるように指導をして、未然防止に努めている状況です。

秋山委員長

 基本的なことですけれども、室温と湿度もきちんとチェックしていただいてということになると思います。

貝ノ瀬教育長

 塩分やスポーツドリンクなども取りながら。

内野学務課長

 そうですね。各学校の判断にもよるんですけれども、スポーツドリンク、粉状のものがありますから、これは塩分の補給にもなります。ただ一方では、糖分が多いこともありますけれども、それを薄めて場合によっては用意することも、学校のほうで対応することはできるようにはなっております。

秋山委員長

 ありがとうございます。
 最後にもう1点、この前、消防署の絵画が2階に展示されていたんですけれども、保護者の方が、平日ではないと見られないので、我が子の絵が飾ってあっても見られなかったとおっしゃっていました。ということは、ここで展示があるものに関しては、平日しか見られないようになっているんですよね。

新藤総務課施設・教育センター担当課長

 こちらの教育センターの側が、館の管理として土日、休日は特定の会議以外は使わない形の管理体制になっています。ですから、お休みの日は警備員が日中は2人いるのですが、逆に言うと2人だけでこの館全部を見ている状態なので、あけていられない現状があります。
 はたらく消防の写生会は、ここだけではなくて、詳細の日程はわからないですが、地域のコミュニティ・センターを使う展示も併用して行っています。そうすると、土日があいていて、月火木に分かれた休館日には閉館する形になっていますので、ここだけではなくてほかでも展示をしているので、その機会を使ってごらんいただく感じになります。

秋山委員長

 ぜひ、そういうことも一緒に広報していただくといいかと思います。

新藤総務課施設・教育センター担当課長

 そうですね。今回のご案内は、消防署側には、特にご自分のお子さん、もしくはお孫さんだったりが出しているご家庭からの問い合わせもありますので、消防署側からも、ここでは週末はやっていないよ、あるいはほかでもこのようにやっているよということを、きちっと案内はしてもらえるようにお願いしてあります。

秋山委員長

 よろしくお願いいたします。
 ほかにはありませんか。
 それでは、日程第3 教育長報告を終わります。
 以上をもちまして、平成22年第9回教育委員会定例会を閉会いたします。ご苦労さまでした。

午後 3時23分 閉会

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