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平成18年第6回教育委員会定例会会議録(2) 

作成・発信部署:教育委員会 総務課

公開日:2006年12月6日 最終更新日:2009年10月2日

平成18年第6回教育委員会定例会

日程第4 学校給食の充実と効率的運営に関する実施方針(案)について(協議)

石渡学務課長

 委託の業務の内容につきましては、15ページを見ていただきますと、委託の業務内容の一覧をここに書いております。その中で、スクリーンのかかっている部分が委託をするというところになります。上から、献立の作成、食材料の発注というところ、ここにつきましては、学校栄養職員が作成し、献立に基づき、必要な食材を発注するというふうになっておりまして、現行と同様でございます。

秋山委員

 民間委託にするときに、官と民との溝ができないかどうかというのが気になるところで、交流をしてもらって、意思疎通を図ってもらいたいということがあります。そういうときに、入らなくても済むのではなくて、チーフと意思疎通を密にしてもらって、栄養士のお考えを現場で十分浸透してもらうように、そこを、民間委託していただくときにはお願いしたいと思います。それが、栄養士個人の資質によるものではなくて、だれでもがそういうふうにやってもらえるようになるといいと思います。
 ことしの入学式のときに、ある学校で、スタッフの紹介のときに、栄養士も、それから調理員の方も紹介された学校があったんですね。民間委託になったときに、そういう機会がなくなるのは寂しいなと思います。

柴田教育部長

 今のところはすごく重要なご指摘です。委託したからといって、全く調理現場の人が学校と切り離されるわけじゃなくて、三鷹の場合は、自校方式で、給食室で調理するわけです。今までと同じように、そこで従事してくださる人たちは毎日食べる給食をほんとうに誠心誠意丁寧にやっていただくわけですから、学校のほうで、その人たちの紹介はきちっとやるのと、交流も今まで以上にやっていただくようにします。それはもう食育として、そういうことはしっかりやろうというふうに思います。
 それから、もう一点、栄養士の役割も、今までと違って、献立をつくって、それで調理の指導をしているという役割から、今度は業務を委託する責任者として、要するにコーディネートしていかなくちゃいけないんですね。それと、栄養職員としての学校での食育の指導者という、要するに今までやっている業務とは違うところで役割を果たしていただくということです。自分でコーディネートしていく力を持っていかないととても栄養職員としての役割を果たせないという形になりますから、そこの研修での能力アップはぜひとも必要だというふうに思っています。

磯谷委員

 今の調理職員の中には、チーフに当たる人というのはいないんですか。

石渡学務課長

 今の調理職員の中にも、もちろん主任職の者もいますので。それから、そうでない場合では、ベテランの調理の人が調理の中のチーフというか、全体を取りまとめていくという役割を担っている者もございます。

磯谷委員

 そうすると、その点については民間委託をしなくても、結局、今のチーフの人を通して、学校栄養職員が同じような形で指導というか、指示をされれば、学校栄養職員は一々入って指導しなくても済むのではないですか。要するに、民間委託そのもののメリット・デメリットというところに入ってくるのかどうかというところの疑問なんです。

廣瀬委員長

 特にメリットのアのところですね。

磯谷委員

 そうですね。今だって、そうやってチーフの方にきちんと責任を持ってやっていただければ、その点については同じことになるのではないかなと思うんですけれども、その点はいかがですか。

石渡学務課長

 もちろん、ここにありますように、例えば調理指示書等をつくるに当たっても、その学校だけが使うのではなくて、直営の、委託をしていない学校につきましても、そういうノウハウというのは波及していくと思いますので、その中で、今委員がおっしゃるとおり、栄養職員がだんだん別のステージで仕事ができるような形になっていくのかなと思っております。

磯谷委員

 要するに、民間委託でなければならないメリット、それが一体何なのか、そしてデメリットが何なのかというのを、なるべくクリアにしていただかないと、議論が漠然としてしまうと思うんですよ。
 今の点のように、もし厳密には民間委託をしなくたって、同じような形で学校栄養士の役割を限定化して、そして余裕を持って栄養指導等もやっていただけるということであれば、それは、民間委託のメリットとして挙げるのは本来おかしいと思うんです。
 それから、このメリットのイのところも、柔軟な人員配置などということが書かれていまして、「食物アレルギーのある児童・生徒に対して、除去食や代替食の提供などにより、現在よりもきめ細やかに対応することができます。」とありますけれども、現在、結構きめ細やかに対応しているのではないですか。どうして民間だと一層きめ細やかに対応できるのかというのがちょっとよくわからないんですが。

柴田教育部長

 理念的にはそうかもしれないですね。直営であろうが民間委託であろうが、工夫次第でというのはあると思います。
 まず1点目のチーフの方を通して指示すれば栄養士の手もあくではないかということですが、実際上、正規の職員は各学校3名しかいないんです。あとは、嘱託の職員とパートの人で、標準的なところでいきますと10人ぐらいで短い朝の時間帯で調理を上げているわけですね。要は正規の職員は3人で、それに栄養士も嘱託とか臨時の方を指導しながらやっているのが現状なんですね。新しい方も新陳代謝で入ってきますから、調理員は調理員として、現場で自分の作業をしながら教えているわけです。そういうような状況で、すべてチーフの方に指示をすれば、それで全部調理が成り立っていくかというと、その調理員の資質にもよるところがありますし、そこの嘱託の職員とかパートの人の構成にもよるわけなんですね。ですから、現場の中では、ほんとうにもう作業というのは、大量の食を調理していくわけですので、時間的な余裕は一切ない中でやっているわけです。それは、調理業務は調理業務で今回は民間に委託して、そのかわり、安全管理の面とか衛生管理の面で、しっかりと栄養士が指導していくという、そういう役割に切りかえることによって、安全性とか衛生面は上がりますし、そしてまた、そのあいた時間を食育の指導に使うということですから、そういうメリットをここで出そうということです。
 それはもう一つの柔軟な配置もそうなんですが、結局、必要なときに必要な人員を投入するということが、直営の中でもやろうと思ったらできるんですが、それだと、ものすごいコスト高になってしまうというのがあるんです。190食から180食という、年間の食数はそれしかつくらないんですね。365日ある中の180食とか190食で、なおかつ、1日1食しかつくらない。3時のおやつとか夕飯なんかもつくらないわけです。とにかくその1食しかつくらないという、そういう食を正規の職員の人数でたくさん投入しようとすれば、コスト高ははっきりしているわけですね。ですから、一定の限られたコストでもっと多くの柔軟な配置をすることによって、きめ細かな食を提供することができるというのは、確実に言えるわけです。
 バイキング給食とかセレクト給食だとか、いろんな形もとっていますけれども、子どもたちにとって、選ぶ力とか、そういうものを給食を通じながら栄養士が指導したりすることもできるし、特に、アレルギーがありますと、これはもう給食現場の力に頼っているわけです。それだけの目いっぱいの中で、この子については卵を除去するなど、きめ細かな除去食をつくるわけですから、それはもう現場の力量に頼っているところがあって、学校によっては、そこまでできないというところも現実的には生じてきているというのはあります。ですから、全部の学校できめ細かくできているかというと、はっきり言って、そうでもないところもどうしても出てこざるを得ないというのがあります。
 こういうものがどうして給食の充実に結びつくかということを、もうちょっとうまくこの中に表現しないといけないなと、ご質問をいただいて、そういうふうに思いました。

寺木委員

 18ページの表を見ますと、民間委託にすると安くなるということですが、そこの安くなる根拠を少し教えていただけますでしょうか。

石渡学務課長

 こちらの表は、食材料費、それから光熱水費等につきましては、委託するしないにかかわらず、同一であるという前提でございます。その中で、人件費が、こちら、栄養職員も含めての人件費が10億強の数字がありますけれども、委託をしたときの人件費というのは、栄養士とか、それからその他、教育委員会の事務局職員等々も含めての人件費がここに載っかっているわけですけれども、この委託料というのは、何社かの見積りをとって、それで、具体的にこの三鷹の給食の規模でどのぐらいの委託料で全校ができるのかという試算をしたときに、この数字になったということでございまして、ここでコストの削減が図れるということでございます。

磯谷委員

 先ほどの柴田部長のお話も、結局のところ、現状ではコストが非常にかかってきて、身動きがなかなかとれないけれども、民間委託をすると、ここにあるように、大幅にコストが削減できて、その分、少しこちらサイドに余裕が出てくるのではないかということなんでしょうか。

柴田教育部長

 もちろんそれも、コストの削減、当然のこととしてありますけれども、何のためにコストを削減するかという、何のためというのを、この中では、給食の充実ということを打ち出しているわけです。ただ削減するだけならば、これは効率化だけで終わってしまうわけですけれども、今よりももっと充実すると。今の学校給食がほんとうに行き届いたものであるかどうかというのは、比較してはじめてわかるところがあります。
 家庭で非常に悲惨な食事をしているわけですね。それで、せめて学校給食だけでもちゃんと栄養を補給させるために、戦後の食糧難の時代じゃなくて、今はもう飽食の時代の中で、栄養が偏ってしまっているというものを、学校給食の中でしっかりと食指導をしながら教育していく必要があります。そのためには、ちゃんとしたモデルとなるような主食と主菜と副菜としっかりとあって、それで、食事というのはこういうものだということをきちんと生の材料で見せていくという、そういう役割が今は求められているわけで、今までの給食でいいということではなくて、やはりそこをもっと充実させたものにしようということで、これを打ち出しているわけです。

磯谷委員

 大変心強いお話だと思います。
 そうすると、削減された人件費の相当部分というのは、さらに食材のグレードアップであるとか、そういったところに使われるということになるんでしょうか。

柴田教育部長

 12ページのところに、民間委託により得られた効果の活用ということで、食育の推進とか給食内容の充実、安全・衛生管理の徹底を図るための施設・設備の計画的な改善ということで、しっかりとそれを充実に向けようという考え方です。

貝ノ瀬教育長

 考え方は、100円浮いたら100円そのまま使えますよという、そういう意味ではないですよ。

廣瀬委員長

 先ほどの柴田部長のご説明を伺っていてかなりわかったんですけれども、子どもが、給食がおいしくてしようがないと言っていた親からすると、今でも随分いい給食が出されていると思うんだけれども、でも、三鷹市が求める本来あるべき姿というのがあると。それに近づけることができるというのがメリットですよね。なおかつ、人件費が削減できるということで、その分ほかに回すことができる、あるいは時間を別のことに使うことができるということなんですよね。
 このメリットのところでは、ア、イ、ウというだけだから、いかにもウがほんとうだなと、本音はウなんだろうというふうに見えてしまうところがあるんだけれども、どうもアとイの書き方がいまいち力がないという気がするので、少し書き方を工夫していただくといいかなと思います。

柴田教育部長

 もう少し具体性を持った中身でこのメリット・デメリットのところを表現させていただきます。

廣瀬委員長

 それから、15ページの図を見ると、やはり栄養職員の責任が非常に強いですね。最初のほうのご説明で、調理室に入ることができないということだったけれども、実はそうではなくて、仕上がりをチェックするとか、いろいろなことをしなければいけないわけですから、これは当然入ることになると思うし、決して栄養職員の仕事を減らすということではないと思うんですよ。もちろん調理指導は減るかもしれない。だけれども、今までわりと漠としていたものが、はっきりと責任というものが明確化されるということで、よろしいのではないかと私は思うんですけれども。

磯谷委員

 繰り返しますけれども、何がほんとうの意味でのメリットで、何がデメリットなのかというところをきちんと提示をして、市民の方に問いかけていくということになると思うんですね。
 そこで、浮いたお金の幾らかは食材等のアップにいかしたいということは、少なくともストレートには全然書いてないですよね。今ご指摘のところについても、「民間委託することにより得られた効果」と漠然と書いてありまして、しかも、何か食材のというよりも、食育の推進とか、給食内容の充実というところには織り込んでいるとおっしゃるのかもしれませんけれども、要するに、人件費を削減して、これが給食にどうプラスになっていくのかというところをアピールしてもらったほうがいいんだけれども、ただ、予算等の関係で、それをどこまで書けるのかという、そちらのほうの兼ね合いはあるかなとは思うんですけれども。わかりやすいのは、そのほうがずっとわかりやすいですよね。

柴田教育部長

 できるだけわかりやすく書ければいいところなんですけれども、どうしても、教育委員会としての権限の範囲というのがあって、その分の予算をこっちに振り向けますということを言い切ることができない。これは、予算編成の権限の問題がございます。
 それから、ちょっと誤解を招いて申しわけなかったですけれども、食材費は、これは保護者からの負担ですべて賄っているわけです。ですから、それ以外の調理にかかわる人件費だとか設備とか、そういったものについて、これは公費としての税金を投入して給食を実施しているわけです。ですから、食材費はすべて保護者負担で賄っています。

貝ノ瀬教育長

 調理室なんかも、ドライ方式という、まだ2箇所かしかないんですけれども、そういうふうにしていったほうが、衛生上も調理上もよろしいんだということになっているんですが、お金がかかるので、なかなか一遍にいかない。だけど、それを市長部局に、これだけの努力をしているということで、要求しやすくなるわけですね。市長部局のほうも、認めやすくなるということになると思うんですよね。それから、給食だけじゃなくて、学校教育ということで、例えばほかの指導員のほうの増員に、人件費の浮いた分をそちらのほうに振り分けるということで、こちらが要求しやすくなるし、市もつけやすくなるということになると思うんですよね。そういう意味で、広く影響がこっちに返ってくるということは言えると思います。
 ただ、先ほど来申し上げていますように、民間委託ありきということじゃなくて、結局、給食の質の向上を図るために、いかに給食の能率化を図っていくかというところで、民間委託ということも大きな選択肢に入ってくるということですよね。
 報告書の中で、前の段階で、検討委員会もいろいろ検討していただいたときに、やはり委託したほうがより大きな、能率化には一番よろしいということでご意見をいただいたという経過があるんですね。ですから、そういう意味で、質の向上というのは、単に栄養士の時間を増やしたというふうなことじゃなくて、栄養士も含めて、給食指導がもっと充実していくということです。
 アレルギー対策も、今までは各学校の力量によっているんですよ。やれるところとやれないところがあるんですよね。だけど、委託になるということで、今度契約する段階では、それぞれもうプロとして、調理師のプロとしてみんな、5人なら5人そろうわけですから、そしてお願いするわけですから、ある意味では安心して、また、今まで以上においしい給食が期待できるわけですよね。そうでないと委託した意味がない。ですから、そういうことももちろん前提にした契約になるわけですよね。
 検討委員会の皆さんが、ほかの地区でやっているところへ行って、実際に見学したり食べてみたら、すばらしいという、そういうことで、理屈だけじゃなくて、納得して帰っていらして、こういうまとめになったということです。

廣瀬委員長

 そうですね。これから委託して全部お願いしてしまうというわけでもないですから。

寺木委員

 民間委託になりますと、今給食室で働いている人たちはどういうことになるのでしょうか。

廣瀬委員長

 それも大事なことですね。

柴田教育部長

 68名ほど正規の職員がいるんです。この人たちの首を切るということではなくて、例えば、今回、4校で19年度から実施していくとすれば、各学校に3人が基本的にはおりますので、12名の方が、その学校から外れて、ほかの学校の調理の現場に入っていただくと。ほかの学校も3人でやっていますから、かなり厳しいところがあるわけですね。ですから、当面、別にその人たちの職をすべて失わせるということではなくて、できるだけ調理の作業の現場で働いていただきますが、もう一つの方法としましては、ほかの一般用務職のほうに変わりたいという希望の方もいらっしゃるので、そういうところも、ご希望を踏まえて、職場を用意したいと思っています。

貝ノ瀬教育長

 職場を変わっていただきながら、定年までお待ちしますということですよね。

廣瀬委員長

 ほかにいかがでしょうか。
 先ほど、冒頭にご説明があったように、これからまたいろいろと、市民の方のご意見を伺ったりするわけですね。最終的にはまた秋にここで議論して、審議するということになりますね。

柴田教育部長

 メリット、デメリットの関係で、もうちょっと具体性を持って、内容的にはそう大きく変わるわけではなくて、わかりやすく整理をしたいと思います。

廣瀬委員長

 その点について、整理した内容を送っていただけるとありがたいと思います。それでは、ほかにご質疑等なければ、確認いたします。学校給食の充実と効率的運営に関する実施方針(案)についてをご協議いただきましたが、ご了解いただけましたでしょうか。

(「はい」と呼ぶ者あり)

廣瀬委員長

 本件につきましては、皆様のご了解をいただいたものといたします。

「平成18年第6回教育委員会定例会会議録(3)」へ続く

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