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平成17年第4回教育委員会臨時会会議録(4)

作成・発信部署:教育委員会 総務課

公開日:2005年10月7日 最終更新日:2019年12月27日

平成17第4回教育委員会臨時会

日程第1 平成18年度使用中学校教科用図書の採択について

○廣瀬委員長

 では、技術分野は東京書籍ということにいたします。
 それから、今度は家庭分野ですね。家庭分野も同じ二つの出版社から出ているわけですが、家庭分野はいかがいたしましょうか。

○秋山委員

 東京書籍と開隆堂ですけれども、どちらも食育のことをしっかり書いてあります。これから、社会的に食育への関心が大変高まっていることを考えますと、この食育をしっかり書いていただいているほうが望ましいと思います。その点から考えると、東京書籍のほうが若干力が入っているかなと思います。
 あとは、子育ての面なんですけれども、家庭と地域の役割とか、どちらもファミリー・サポートという名称が入ったり、子ども家庭支援センターという名称が入ったりしています。ただ、これも子どもたちにしっかり問題意識を持って調べてもらうということが大事なので、そのことはやっぱり東京書籍のほうがきちんと導いてあるかなと思いました。以上です。

○磯谷委員

 これについても本当に悩ましいところですけれども、私は特に子どもとのかかわりのところに注目してみたんですけれども、いずれも、押さえるところはきちんと押さえられているんですね。ただ、やはりこの東京書籍のほうが、ちょっとおわかりいただけるかわかりませんけれども、より広い、概念的な部分を、あるいは、対子どもと向き合うというだけじゃなくて、家族だとか、もうちょっと広がりを持った形で書かれているというところは、やや分があるというふうに感じました。その他は今、秋山委員がおっしゃっていただいたところも含めて、やはり東京書籍のほうが望ましいかなというふうに思っております。

○寺木委員

 すみません。私、先ほど技術分野のところで、家庭科の分野と勘違いしていまして。実は、この家庭科のところで、食育のことを言いたくて、ずっと頭にありまして、何か関係ないところで申しわけありません。
 私は、開隆堂が、環境教育、消費者教育、それから、男女共同参画とか、そういう意味では、バランスよく取り上げられているなというふうに思いまして、さらに、幼児とのかかわりという部分の記述も多い。また、これは個人的になんですが、表紙裏の金子みすゞの詩がとても、これから穏やかな家庭を営んでいくにはとてもいい影響を与える詩が載っていて、いいなと思いました。
 東京書籍のほうもたくさんいいところがございます。幼児との触れ合いのところにも十分に力を入れていまして、幼児の学習から、また、家族へつながっていく、そういう意味での、これからの生きていくためのつながりとか、そういう意味ではとても東京書籍もしっかり押さえられているなということで、どちらも甲乙つけがたい。
 ですが、推すとしたら、どちらかというと開隆堂かなというところです。皆様の意見をお伺いしたいと思います。

○貝ノ瀬教育長

 家庭の分野ですけれども、これはちょうど東京書籍と開隆堂、同じように2社ございますが、私個人としては、これが一番時間がかかったといいますか、どちらというふうなことで、大変厳しい選択を迫られたわけですけれども、家庭分野の目標を考えたときに、やはり生活の自立とか、それから、家庭の機能についての理解ということがあるわけですけれども、それ以上に、やはり自分自身が課題を持って生活をよりよくしていこう、改善していこうという、そういう能力、態度を育てるんだという、そういうことをやはり大きくねらっていると思うんですね。ですから、そういうことを考えたときに、どちらがよろしいのかというふうに見たわけですけれども、そう見たときも、やっぱり両方ともちゃんとできているんですね。なかなか難しいところです。開隆堂は特にこの人権とか男女平等とかノーマライゼーションとかバリアフリーとかですね。ユニバーサルデザインという、そういう視点がよく出ていまして、非常にこの現代的な課題が押さえられているということが言えます。
 一方、東京書籍のほうも、大きくこの食育を重視しておりまして、情報化とか環境問題、人権問題、福祉、そういう現代的な課題ですね。これらを示していますので、どちらもきちんと掲載しているわけですが、どちらかというと、この日本食だとか、伝統文化という、そういう面で東京書籍が少し重視しているかなという点。
 それから、地域通貨ですね。地域通貨ということをやはり東京書籍は扱っているという、そういうことを考えたときにですね。三鷹の実態を考えたときには、東京書籍がやや分がいいのではないかというふうに考えて、私は東京書籍を推薦したいと思います。以上です。

○廣瀬委員長

 私もその開隆堂のよさというのを非常に感じました。特にその男女共同参画社会については、両方とも扱っているんですね。開隆堂のほうが発展学習のところで、いろいろ課題も入れたりして、集中してそちらを学習したければ、発展的にすることができる。その点は、東京書籍のほうは、幼児との触れ合いとか、家庭の部分ですね。ちょっとはっきりと、どこの場所というページまでは覚えてないんですけれども、でも、右側のページのところに、男女共同参画社会についての記述がありまして、そして、法令の条文も載っていて、そこから発展させることもできるわけなので、あと、それから、その幼児の触れ合い、家族のあり方等々の部分、それ以外の部分も含めてですが、写真とか絵には、男性がかなり中心的に子どもとかかわったりしているという部分があって、間接的ということになるかもしれないけど、その全体を読めば、自然と男女が共同して社会をつくっていくということがくみ取れるというかな、自然に入っていくような形になっているのではないかと思います。
 東京書籍のほうは、地域通貨、地産地消ということを取り上げていて、それで、地域通貨、今、教育長おっしゃったけど、三鷹の実態に合っているということも、これは東京書籍の特徴的な部分であって、情報化、環境問題、人権問題、福祉等々ちゃんと扱っていますし、バランスもとれていると思います。食育という部分、これも十分対応しているところであって、特に男の子も含めて、こういうことがちゃんとわかっているほうが、今のような何でもありの食事というか、食べ物の時代に、偏ったことが起きないようにするという意味でも、中学生でこういうことをしっかりと押さえるという、そういう意味で、ここは充実している東京書籍がいいのではないかというふうに思いました。寺木先生、いかがでしょうか。

○寺木委員

 はい。今、皆様のご意見をお聞きしまして、本当に甲乙つけがたい、開隆堂も本当に捨てがたい魅力がありますけれども、この4人の皆様が東京書籍を推してくださるということで、私もここで東京書籍に賛成いたします。

○廣瀬委員長

 それでは、家庭分野は東京書籍ということにいたします。

○磯谷委員

 先ほど技術分野のところで、寺木委員がちょっと勘違いをされてお考えになったというお話が出ましたので、結論だけ、先ほど東京書籍ということになりましたが、寺木委員のほうで、特にそれでよろしいかどうか、ご確認をされたほうがいいんじゃないかと思います。

○廣瀬委員長

 よろしくお願いします。

○寺木委員

 私も東京書籍のその技術・家庭を学ぶことの、先に見えているものが、例えば中小企業が取り上げられていたり、高層ビルについての記述があったりということで、東京書籍のほうがいいと思います。よろしくお願いします。

○廣瀬委員長

 では、技術分野は寺木先生も東京書籍ということでよろしいですね。

○寺木委員

 はい。

○廣瀬委員長

 磯谷先生、ありがとうございました。
 技術分野は東京書籍、家庭分野、東京書籍ということにいたします。
 最後ですね。外国語科、英語を取り上げます。これはいかがでしょうか。

○秋山委員

 学校図書と三省堂、教育出版、それから光村、この四つを推薦します。学校図書の場合は、動詞から勉強が入っていくというところで、ほかの教科書と違ったように思います。それと、三省堂の場合は、読む、聞く、話すが非常にバランスがとれているというふうに思います。教育出版のほうは、各ユニットにチェックがあって、到達目標がはっきりしていまして、子どもたちが学習しやすいのではないかと思います。光村図書のほうは、コミュニケーションを重視したストーリー構成で、自然な会話が使われているという点が印象的でした。私は、三省堂と光村図書、どちらも選べませんので、委員の先生方のご意見を聞きたいと思います。

○磯谷委員

 私は、光村に非常に注目をいたしました。まず、やはり内容的にいって、本当に生の生きた英語というふうな感じがしております。必ずしも伝統的な日本の教室で行われていた英語教育からは、少し違うかもしれませんけれども、本当に使える英語というのを目指したものじゃないかなというふうな印象を持っています。先ほど秋山委員がコミュニケーション重視とおっしゃいました。まさにそうだと思うんですけれども、決して、では、文法とかがおろそかになっているかというと、そうではないですね。やはりきちんと、ところどころに文法をまとめて、かつ、とてもわかりやすい形で記載をしていると。そして、最後のところにまたその文法のまとめというふうな形があるわけですけれども、この文法のまとめも、文型から入っているというところに、私は非常に注目をしています。
 ただ、光村図書は、確かにかなり野心的な部分はあるなと思っていまして、3年生の、特に最後のほうになりますと、たしかリオデジャネイロでの会議で女の子がスピーチをした文が載っているんですが、これ自体は、ほかの教科書にも一部載っているんですけれども、かなり、仮定法であるとか、難しいものも含めて、しっかり長くとってあって、掲載しているんですね。これはある見方からすると、いや、ちょっとそれは子どもたちにとってなかなか厳しいんじゃないかというふうに思われるかもしれないけれども、一方で、難しい部分については、きちんと日本語訳を下に置いて、意味はきちんととれるようにしている。むしろ、発展的な学習をした子どもたちにとっては、そのあたりも実力を試すという意味でも、おもしろいんじゃないか、本当の意味で興味深いんじゃないかなというふうに感じています。こういうふうなことからして、私は、光村が非常に望ましいのではないかなというふうに思いました。
 先ほどは出ていませんけれども、一方で開隆堂を見ますと、これはこれで、私が読んだ印象では、どちらかというとリーディング重視といいますか、そういったところで、これはこれでまたおもしろい視点だなというふうに思っています。ただ、過去分詞が出てくるのは3年生になってからというふうなところがございまして、ちょっとあとが慌ただしいかなというふうな印象を持っています。
 その他の教科書は、もちろんそれぞれしっかり書けているわけですけれども、いずれも、ある意味、これまでのオーソドックスなやり方という印象を持っていまして、そういう意味で、光村は少し日本の英語教育を変えていくというふうなことになるんじゃないかな、ここはちょっと思い切って光村を採用したらどうかなというふうに考えています。

○寺木委員

 私は、三省堂が現在使われている教科書ですけど、時間に余裕があるという、そこでは三省堂に非常に魅力を感じています。また、教育出版と学校図書、両方の教科書に三鷹市が子どもを派遣していますニュージーランドのことが取り上げられていて、身近な英語を感じるという意味では、こちらもいいのではないかとは思っているんですが、今、磯谷先生の、オーソドックスなスタイルから、そろそろ新しいほうに移ったらどうかという提案を聞きまして、もう少しこのあたりの話をお聞きしてみたいと思っています。

○廣瀬委員長

 私としては、学校図書、それから、現行の三省堂、それから、光村に注目したんですね。それで、特に学校図書と教育出版は、今、寺木先生がおっしゃったように、ニュージーランドを扱っているという意味で、三鷹の中学校の3年生が行きますよね。特別な関係があるところで、モチベーションを高めていいのではないかとは思ったんですが、ちょっとこう、内容的にというか、考え方として、いわゆる伝統的な英語教育のスタイルをとっていると。学校図書は、その中でも、一般動詞で始めて、be動詞があとに入ってきている。そういう二つのやり方があるんですけど、もともと「be」から入るか、「have」あるいは、一般動詞から入るかということで。いいんですけれども、全体として若干ちょっと古いタイプかもしれないというふうに思いました。
 それで、現行の三省堂はそつのない、やっぱりさすが三省堂なんですね。英語の教科書としてきちんとしたものができているんですが、そういう意味では手堅い英語教科書だと思いますが、コミュニケーションを重視した方向に変わってきているとは言っても、やっぱりちょっと古いタイプのものだと思います。
 今までどおりの教え方を続けていくのであれば、三省堂はなかなか、それでいいと思うんですけれども、ここで光村を見たときに、私は、磯谷先生が衝撃を受けたみたいなことをおっしゃったけど、私も実は同じような印象を受けて、光村は最初から非常に自然な英語が出ていて、これはそれを覚えていれば、すごく自然な会話が続けられる。自然な表現というのができるというふうに思います。
 かといって、磯谷先生もおっしゃいましたけど、コミュニケーション中心になっているから、文法事項、語いのところがおろそかになっているかというと、全くそういうことはなくて、学習指導要領に沿ってやっているわけですから、そこはそつなくちゃんと入れています。そこで違いは何かというと、他社のは、この文法事項はまだだから、この形は教えないというふうな形で省いちゃうわけですね。そうすると、ある意味、積み重ねになるわけなんだけど、単純な形なので、これも丸ごと覚えてしまえばすごく自然な会話ができるという部分がなくなっちゃっているわけですよ。そういう意味で光村は入れていると。例えば、最初のところで、人の名前を言っているときに、自分のことは、「マイ・ネーム・イズ・ヒロセ」というんじゃなくて、「コール・ミー・ヒロセ」というふうに、まあ、ファーストネームですから、「コール・ミー・マサ」みたいに言うわけですよ。それは「マイ・ネーム・イズ・マサ」じゃなくて、「コール・ミー・マサ」というふうになっているわけで、そうすると、文型的には難しいことになるんですね、今までの考え方だと。だけど、これは子どもにとってはちっとも難しいことではなくて、それは非常に自然なわけです。このことを丸ごと覚えてもらうというふうな、例えばそういうことですね。それでできている。
 三鷹市で、これから小学校から英語活動ということをやっていって、耳から入ってくる英語ということをやっていくというカリキュラムを考える、実際にもう始まっているんですけれども、そういうところで小・中一貫教育で英語活動ということを考えたときに、三鷹市としては、この教科書を採用して、三鷹の子どもたちの英語力というものをもっと高めるという方向に一歩踏み出してほしいというふうに私は思いました。文法的だけど、実際にはあまり使わないけど、習ったから入れておこうというタイプのものが、どちらかというと今までの教科書です。でも、これはそういうことではない。
 文法事項も、過去分詞が2年生で入るというのは、三省堂と光村です。2年生で入れているので、3年生になってから、過去分詞を新たに習うということが必要なくなって、3年生が楽になるわけですね。そういったところの配慮までしてあるので、全体的に見て非常によくできている教科書だというふうに思いました。英文和訳、和文英訳ということにとらわれないで、もちろんそういうことは必要なところはさせることができるわけなんですが、それを一番大事なものにしていないという意味で、本当に力のある子ができる教科書ではないかというふうに思いました。

○寺木委員

 私が光村図書に関して少し不安といいましょうか、全く今までと違うスタイルの教育になるので、どうかなと思っていたのが、文法とか、受験に向けてはそういうものが必要になるので、そこのあたりがどうなるのかなという不安がありましたが、今、廣瀬委員長のお話の中で、自然な英語とか表現力をつけて、なおかつ、文法の部分でもクリアできているのだということで、お話をお聞きしているうちに、これからはやっぱり英語力が必要だと思いますので、ここで、今までずっと英語教育と言われながら、なかなか会話ができないという状況がいろんなところで言われていまして、ここでひとつ新しい、希望があるチャレンジということで、光村を、教科書を変えてみるのもいいかなというふうに思いまして、光村図書に賛成いたします。

○秋山委員

 委員長がおっしゃいました、やっぱり小・中一貫というところで、英語活動を、小学生から新しく実施して、取り組んでいくというところも、方向性として光村を賛成したいと思います。

○廣瀬委員長

 それでは、英語は光村図書ということでよろしいですね。

(「はい」と呼ぶ者あり)

○廣瀬委員長

 それでは、英語は光村図書ということにいたします。
 それでは、教科ごとに絞り込まれました教科書について、協議の段階でございましたので、会議を休憩いたしまして、これを採択の原案として事務局のほうにまとめていただいて、議案として教育長より提案していただくことにいたします。
 では、ここで20分間ほど、休憩いたします。

午後3時14分 休憩
午後3時35分 再開

○廣瀬委員長

 それでは、休憩前に引き続きまして、会議を再開いたします。
 委員の皆様にお諮りいたします。この際、議案第43号 平成18年度使用小・中学校教科用図書の採択について、これを日程第2に追加して、議題といたしたいと思います。ご異議ありませんでしょうか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

○廣瀬委員長

 ご異議なしと認めまして、さよう決定いたしました。
 それでは、議案を配付してください。

平成17年第4回教育委員会臨時会会議録(5)へ続く

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