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三鷹市基本構想第1次素案

作成・発信部署:企画部 企画経営課

公開日:2004年8月26日 最終更新日:2009年4月10日

 「人間のあすへのまち」を求めて ~平和、人権、自治を基調として~

 三鷹市基本構想は、新たな世紀における、三鷹の更なる飛躍と発展のための指針として策定されるものです。私たちは、長年にわたってこのまちをはぐくんできた多くの人びとの情熱と努力をいしずえとして、新しい三鷹の創造をめざします。

 私たちは、日本国憲法に基づき、世界平和への寄与、基本的人権の尊重、協働とコミュニティに根ざした自治の推進を基調として、「人間のあすへのまち」の実現をめざします。これは、将来にわたって世界の人びとと共有すべき普遍的な理念であり、私たちが新たな世紀に掲げる基本的な目標です。私たちは、三鷹から世界に広がる地球的な視点に立って、環境に配慮した循環型社会の実現をめざし、様々な人びとと共に生き、協働しながら、三鷹のまちをはぐくみつづけます。

画像:新しい三鷹の創造(イメージ図)(拡大画像へのリンク)

新しい三鷹の創造(イメージ図)

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第1 目的

この三鷹市基本構想(以下「構想」とします。)は、新たな世紀における三鷹市の基本目標およびこれを実現するための総合的かつ計画的な施策の方向を定めることを目的とします。

第2 目標年次

構想の目標年次は、おおむね2015年(平成27年)とします。

第3 計画人口

計画人口は、計画期間内の最大人口予測値を基礎として、おおむね175,000人とします。

第4 基本理念

構想の基本理念を、平和の希求、人権の尊重、自治の実現とします。私たちはこの基本理念を基調とし、三鷹から世界に広がる地球的な視点に立って、環境に配慮した循環型社会の実現をめざして、様々な人びとと共に生きる、協働のまちづくりを推進します。

第5 基本目標

構想の基本目標を「人間のあすへのまち」とします。この基本目標は、「高環境・高福祉のまちづくり」によって実現されます。

1.高環境:緑と水の公園都市の創造

安全性や利便性、快適性などの視点から、都市全体をうるおいをもった緑と水の公園都市として創造することによって、高環境の実現をめざします。

2.高福祉:いきいきとした豊かな地域社会の形成

全ての人びとが健康で安心して生活できる、いきいきとした文化の薫り高い豊かな地域社会を形成することによって、高福祉の実現をめざします。

第6 自治体経営の基本的な考え方

 効率的で開かれた「21世紀型自治体」を実現するため、三鷹市における自治の基本的な考え方を明確にするとともに、自治体経営の視点から、地域における資源を最大限に活用した事業の戦略的展開を図り、変化に柔軟かつ機動的に対応できる推進体制を整備します。また、トップマネージメントと執行体制の確立、議会のチェック機能の発揮と協力、市民、事業者等との協働を基本としながら、計画課題の優先順位を設定し、重点的で効率的な行政を推進します。

1.行政の役割転換

市民満足度の向上の観点から、総合的な行政評価制度の構築や積極的な民間活力の活用などにより競争原理を導入するとともに、安定した市民生活を保障する仕組みを整備し、行政の主な役割を直接的なサービス提供者から総合的なコーディネーターへと転換します。

2.協働のまちづくりの推進

計画の策定やその推進にあたっては、コミュニティ住区の視点を基礎に置き、地域の人材、情報、歴史、文化、自然環境、民間活力などのあらゆる資源を活用します。また、市民満足度を的確に把握し市民の声を市政に反映する総合的な公聴・相談システムを構築するとともに、市民、事業者との協働によるまちづくりを積極的に推進し、市民の価値観の多様化に適切に対応します。

3.成果重視の行政経営システムの確立

組織体制の整備、事務事業の見直し、都市税財政の自立性の強化と財源の拡充など行財政改革を推進するとともに、先導的モデル事業や実証実験型事業の実施、公共施設等の再生型改修など戦略的な事業展開を図り、効率的で成果重視の行政経営システムを構築します。

4.柔軟で機動的な推進体制の整備

横割り組織の積極的な活用、危機管理体制の確立を図り、柔軟で機動的な推進体制を整備します。また、国、東京都、他の公共機関、事業者等との連携に努めるとともに、課題に応じた広域的な都市間ネットワークを形成します。

5.透明で公正な行政の確立

行政の説明責任に基づく積極的かつ迅速な情報の公開・提供を推進するため、「電子自治体」の構築を図るとともに、男女平等、環境保全などの課題について行政みずから率先し、先導役として社会全体への波及に努めます。

第7 都市空間整備の基本的な考え方

 基本目標の実現に向けて、都市構造やコミュニティ住区を基礎とした、個性的で魅力的な都市空間の整備を図ります。また、都市計画道路等の整備による格子状の都市構造の形成にあわせて、防災やまちづくりの基礎単位となるブロックを設定します。さらに、災害に強い都市の形成を基本に、人口が適正な規模となるよう努め、良好な環境と都市の利便性が調和した高品質の都市空間を創造します。

1.都市構造を基礎とした整備

(1)都市の骨格

都市空間の骨格の形成を図るため、広域的な視点もふまえた都市軸や歩行者を中心とした緑と水の軸線を設定します。

(2)都市の拠点

都市空間の重点的・先行的な整備や誘導を図るため、地域の特性に応じて活性化、文化・スポーツ、緑と水などの拠点を設定します。

(3)都市のゾーニング

住宅地、商業地、工場、農地など、土地利用の特性に基づいた機能分担と連携を図るため、住環境、自然環境、活動環境の視点によるゾーニングを設定します。

2.コミュニティ住区を基礎とした整備

コミュニティ住区を基礎に、協働によるコミュニティ意識の醸成を図りながら、個性ある魅力的な都市空間の創造を図ります。

第8 「高環境・高福祉のまちづくり」を進める8つの施策

 基本目標である「人間のあすへのまち」は、「高環境・高福祉のまちづくり」を進める8つの施策によって推進されます。

1 世界に開かれた人権・平和のまちをつくる

(1)基本的視点

全ての人の基本的人権を保障し、人種、国籍、性、信条、心身の障害、社会的身分などによるあらゆる差別の解消を基本原則として、平和を希求し、世界に開かれた人権・平和のまちをつくります。

(2)施策の方向

[1]国際化の推進

人権を尊重し、多様な文化を理解し合う地球市民意識の醸成を図りながら、地域での市民主体による広範な国際交流活動を推進するとともに、海外の自治体や団体との連携に努め、世界に開かれたまちづくりを進めます。

[2]平和施策の推進

憲法の平和主義と人権の尊重の精神に基づく平和施策の推進を図るとともに、地球市民としての自覚をはぐくみ、平和の実現に努めます。

[3]男女平等社会の実現

男女が互いに自立した個人として尊重し合い、あらゆる分野で平等に活動できるよう、男女の固定的な役割分担を見直すとともに、積極的に格差是正に取り組むことにより、男女平等社会の実現を図ります。

2 魅力と個性にあふれた情報・活力のまちをつくる

(1)基本的視点

市民生活の充実に向けて、魅力ある地域産業の育成、都市基盤および情報通信基盤の整備、情報ネットワークの形成を図ることによって、情報・活力のまちをつくります。

(2)施策の方向

[1]情報環境の整備

情報通信技術の革新に対応した環境整備を行い、都市の活性化を促進するとともに、情報格差の是正、個人情報の保護を徹底し、市民生活の向上を図ります。

[2]都市型農業の育成

農地を都市の貴重な資源として計画的に保全し、都市型農業を育成するとともに、地域との交流促進を図ります。

[3]都市型産業の育成

地域社会と共生し、住環境と調和した都市型工業への転換を支援するとともに、研究開発型企業や情報通信技術を活用したSOHOなどの育成・誘致を図り、都市型産業の発展に努めます。

[4]商業環境の整備

三鷹駅前中心市街地の活性化を図るとともに、幹線道路沿道の周辺環境との調和ある発展や地域商店街の整備に努め、地域の特性に合った魅力ある買物空間の創出に努めます。
 また、市内および近隣の集客力の高い文化・スポーツ施設と連携した商業振興を図ります。

[5]消費生活の向上

市民の多様化する消費生活に対応した適切な情報提供や相談業務の拡充、学習啓発活動の充実を図り、消費者の自立と保護を推進します。また、勤労者の福利厚生の充実を図り、安心して働ける条件を整えます。

[6]再開発の推進

三鷹駅前地区や工場跡地などの都市空間の再開発を進め、地域特性をいかした魅力と活力のあるまちづくりに向けた都市機能の修復・強化を図ります。

3 安全とうるおいのある快適空間のまちをつくる

(1)基本的視点

災害に強い都市基盤の整備を図ることを基本に、バリアフリーのまちづくりを推進し、都市の利便性と緑や水などの自然環境が調和した、うるおいのある快適空間のまちをつくります。

(2)施策の方向

[1]安全で快適な道路の整備

誰もが安心して生活できるようバリアフリー化を積極的に推進し、安全で快適な道路空間を形成するとともに、幹線道路や生活道路等の重点的な整備を進めます。

[2]緑と水の快適空間の創造

まち全体が緑豊かでうるおいのある快適な空間となるよう緑と水の保全、回復、創出およびネットワーク化を推進するとともに、地域の特性をいかした都市景観を形成します。

[3]住環境の改善

安全性が高く快適な住環境を実現するため、市民との協働による重点的なまちづくりを推進するとともに、建築指導の強化を図ります。また、日常的な防犯対策の充実に努めます。

[4]災害に強いまちづくりの推進

市民の生命と財産を守るため、幹線道路の整備や災害危険度が高い地域の改善など都市の防災化を推進するとともに、危機管理体制の強化、防災設備の拡充や災害時における弱者対策など災害に強いまちづくりを推進します。

[5]都市交通環境の整備

総合的な交通対策を推進するため、バス交通網の整備や自転車交通施策の充実を図るとともに、新しい交通システムの導入に取り組みます。また、地域内通過交通の抑制や交通安全施設の設置など日常的な対策を拡充します。

4 人と自然が共生できる循環・環境のまちをつくる

(1)基本的視点

地球環境の保全の視点に立って、持続的な発展が可能な循環型社会の実現に向けて、人と自然が共生できる良好な環境のまちをつくります。

(2)施策の方向

[1]環境保全の推進

地域の発展が自然環境や生活環境と調和した都市となるよう、公害の防止、自然環境の保全・回復、エネルギーの有効活用など、環境保全の推進に努めます。

[2]資源循環型ごみ処理の推進

行政、市民、事業者等がそれぞれの役割に基づいて連携協力し、ごみの発生の抑制、循環資源の再使用・再利用に努め、最終処分場への負荷を最小限にとどめるよう努力します。

[3]水循環の促進

都市基幹施設である上・下水道施設の更新と広域的な視点からの再構築を図るとともに、節水対策の積極的な推進、合流式下水道の改善、雨水浸透施設による地下水の涵養や雨水利用、下水処理水の活用など水資源の有効活用に努め、水循環の促進を図ります。

5 希望と安心にみちた健康・福祉のまちをつくる

(1)基本的視点

全ての市民が健康で安心できる豊かな生活をおくることができるよう、利用者の視点に立って、選択と契約に基づくサービス提供システムを市民、事業者、行政の協働によって確立するとともに、バリアフリー化とサービスの質を保障する仕組みの構築を進め、コミュニティに基礎を置いた健康・福祉のまちをつくります。

(2)施策の方向

[1]地域福祉の推進

高齢者や障害者が地域に生きる一員として尊重され、自立的に生活できる地域社会をつくるため、保健、医療、福祉の連携を基礎とした福祉を支える環境づくりを推進し、市民、事業者、行政の協働によるサービス提供体制の拡充を図ります。

[2]高齢者福祉の充実

高齢者が生きがいを持ち、地域の中で自立して生活できる環境づくりを介護保険制度などの運営を基礎として推進します。また、事業者やNPOなどによる高齢者へのサービス提供が、利用者の視点に立ったものとなるようなシステムの確立に努めます。

[3]障害者福祉の充実

障害者が人権を尊重され、個性を生かしつつ社会の一員としてふさわしい自立した生活をおくるための条件を整えるとともに、利用者の視点に立ったサービスが適切に受けられるよう、障害者福祉の充実に努めます。

[4]生活支援の充実

生活保護世帯に対する的確な保護の実施と自立に向けた相談、助言および援助の充実に努めます。国民年金制度の啓発、国民健康保険事業の充実を図るとともに、制度の改善を国に要請します。

[5]健康づくりの推進

健康な地域づくりを推進するため、疾病の予防・早期発見施策を充実するとともに、保健、医療、福祉の連携による総合的な健康・福祉サービスの提供に努めます。

6 いきいきと子どもが輝く教育・子育て支援のまちをつくる

(1)基本的視点

全ての子どもが人権を尊重され、家庭、学校や保育園等、地域の連携の中でいきいきと毎日をおくることができるよう、また、学校が健やかな心と体をはぐくむ豊かな学びの場となるよう施策を充実し、創造力と個性にあふれた子どもが輝く教育・子育て支援のまちをつくります。

(2)施策の方向

[1]子どもの人権の尊重

全ての子どもの人権が尊重され、障害の有無にかかわらずのびのびと生活し、いかなる場合においても虐待を受けることのないよう、施策の拡充に努めます。また、子どもが地域社会の中で自主性・創造性を養えるよう、地域と家庭の連携から子どもの成長を支援するための施策の充実に努めます。

[2]子育て支援の充実

子どもと家庭での子育てを支援するため、在宅の子育て支援、保育園・学童保育所・児童館などの子育て支援事業の充実、ひとり親家庭の支援、保育園と幼稚園の連携などにより子育て支援の充実に努めます。

[3]魅力ある教育の推進

ゆとりある学校教育の実現をめざして基礎的・基本的な内容を重視した指導を行うとともに、総合的な学習を基礎とした国際化や情報化、地域参加など、子どもの個性に対応できる、新しい教育課題への取り組みを進めます。また、地域と密接な連携を図り、多様なニーズに対応できる三鷹らしい教育をめざします。

[4]開かれた学校環境の整備

学校を児童・生徒にとって優れた教育の場にするとともに、子どものための遊び場として、また、幼児から高齢者まで、ひろく市民に開かれた施設として地域の財産となるよう、学校の公園的な整備と複合的な活用を進めます。

7 創造性と豊かさをひろげる生涯学習・文化のまちをつくる

(1)基本的視点

市民誰もが、いつでもどこでも学び、活動することができるよう、場と仕組みの整備と充実を図り、生涯にわたって豊かな人生がおくれる生涯学習・文化のまちをつくります。

(2)施策の方向

[1]生涯学習の推進

市民一人ひとりが、みずからを高める機会を生涯にわたって確保できるよう、小・中学校等の積極的な活用を図り、市民参加型の生涯学習を推進するとともに、「市民大学」に関する施策を拡充し総合的な生涯学習施設の整備を図ります。
また、図書館活動の充実を図るとともに、関連施設との相互協力とサービスのネットワーク化を進めます。

[2]市民スポーツ活動の推進

市民の健康・体力の増進を図り、いきいきとした市民生活を実現するため、幼児から高齢者まで、だれでも参加できる地域単位の総合的なスポーツ活動の振興を図るとともに、スポーツ施設の建設・整備を進めます。

[3]文化行政の推進

市民の芸術・文化活動を支援し、全国的に発信ができる文化施設の整備や既存の文化施設の活用を図るとともに、地域の歴史や文化にかかわる資源の保存、展示、ネットワーク化により、芸術・文化の資源をいかした魅力あるまちの創造を図ります。

8 ふれあいと協働で進める市民自治のまちをつくる

(1)基本的視点

三鷹市における都市自治の基本的な考え方を明確にするとともに、自立した市民活動を支援する制度等の拡充を図り、市民、NPO、事業者、行政など様々な主体が協働する市民自治のまちをつくります。

(2)施策の方向

[1]コミュニティの展開と協働のまちづくりの推進

まちづくりの推進と市民生活の充実に向けて、行政と市民、NPO、事業者等が、それぞれの役割に応じて協働するコミュニティの新たな展開を図ります。また、NPO等の活動の充実やネットワーク化に向けた支援のために、拠点整備や制度の創設などを行うとともに、環境や福祉など地域の活動と連携した、地域通貨などの新たな仕組みづくりの支援に努めます。

[2]「21世紀型自治体」の実現と都市自治の確立

「21世紀型自治体」を実現するため、総合的な行政評価システムの確立や積極的な民間活力の活用、戦略的な事業展開による成果重視の行政システムの構築などに取り組むとともに、行政情報のより積極的な公開や「電子自治体」に向けた基盤整備や多様な市民参加手法による協働のまちづくりを推進します。また、自治の基本的な考え方について制度的な整備を図るとともに、国・都との行財政制度における政府・自治体間の適切な関係の構築を図り、都市自治の確立に取り組みます。

このページの作成・発信部署

企画部 企画経営課 企画調整係
〒181-8555 東京都三鷹市野崎一丁目1番1号
電話:0422-29-9031 
ファクス:0422-29-9279

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