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みたか国際化円卓会議 第12期報告
作成・発信部署:企画部 企画経営課
公開日:2023年6月20日 最終更新日:2023年7月10日
第12期活動内容が報告されました
「みたか国際化円卓会議」は、国際化に関する様々な問題とその解決策について、国境を超えて話し合い、市の施策に反映させていくため、平成11年5月に設置されました。外国籍市民自身による市政への参加を進め、外国籍市民等に開かれた暮らしやすいまちづくりに向けたものとして、活発な議論が行われています。
令和5年3月に、第12期(令和3年10月~令和5年3月)の活動内容が、以下のとおり市に報告されました。
みたか国際化円卓会議 第12期報告
第12期では、以下の2つのテーマを中心に意見交換を行いました。
- 第11期のテーマであった「多文化共生センター(仮称)」に関して、多文化共生を推進するための具体的な取り組みについてワークショップ形式による検討。
- 現在、三鷹市が制定に向けて検討している「人権基本条例(仮称)」について、外国籍市民の人権(人種・国籍など)の視点から意見交換。
この度、第12期の取り組み内容を取りまとめましたので、ここにご報告します。
令和5年3月 31 日 みたか国際化円卓会議
円卓会議の開催状況
第1回 令和3年10月20日(水曜日)
- 委員委嘱及び正副座長選任
座 長:坂本 ロビン(杏林大学 外国語学部学部長)
副座長:野村 隆志((公益財団法人)アジア・アフリカ文化財団事務局長) - 第12期の議題について
第2回 令和4年1月24日(月曜日)
- 新任委員によるスピーチ 橋本 美緒委員
- 多文化共生センター(仮称)に関するワークショップ
第3回 令和4年3月29 日(火曜日)
- ウクライナ侵攻についての三鷹市の対応状況
- 令和3(2021)年度事業の実施状況、令和4(2022)年度事業予定について
- 多文化共生センター(仮称)に関するワークショップ(※前回の続き)
第4回 令和4年7月26 日(火曜日)
- ウクライナ侵攻についての三鷹市の対応状況について
- 令和3(2021)年度事業の実施状況、令和4(2022)年度事業予定について
(1) 多文化共生センター(仮称)に関するワークショップ(前回までのまとめ)
(2) 三鷹国際交流協会(MISHOP)の活動内容 - 人権基本条例(仮称)について
第5回 令和4年 12月 5 日 (月曜日)
- 人権基本条例 ( 仮称 )について
- 第 12 期提言について
第6回 令和5年3月29 日(水曜日)
- 人権基本条例(仮称)について
- 第12 期提言について
情報の支援
みたか国際化円卓会議第12期の取り組み
検討内容
みたか国際化円卓会議第12期は、多様な国籍、多様な考えを持ち、三鷹に愛着を持つ14名の市民委員により、令和3年10月20日にスタートしました。今期の議題を決めるにあたり、まずは、これまでの円卓会議の状況の確認や第11期の振り返り、近年の国際化の推進に関する主な取組を踏まえ、テーマ候補について意見交換しました。
今期の特徴的な出来事は、新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、人と人との接触が抑制されたことから、外国籍市民のネットワークが希薄になり、情報収集に困難を感じている人が出てきていると感じていることが挙げられます。
そのような中で、第11期に提言した「多文化共生センター(仮称)」に必要な機能や取組についての5つのキーワード、すなわち「交流」「理解」「支援」「環境」「デジタル化」を次のように整理しました。
- 多文化共生を推進する3つの活動 = 「交流」「理解」「支援」
- 活動を活性化させる2つのツール = 「環境」「デジタル化」
第12期では、ワークショップ形式により、「交流」「理解」「支援」の3つの活動を進めるための具体的な取組についてアイデアを出し合い、それらをグループに分類する作業を行いました。
また、事務局より三鷹市が検討を進めている「人権基本条例(仮称)」について、外国籍市民の視点から、条例に求めることなどの意見を出してほしいという提案がありました。提案に対して委員が賛同したため、第12期では、「人権基本条例(仮称)」について、市の検討状況や考え方を説明してもらいながら、外国籍市民という立場から意見交換をしました。
提言内容
「多文化共生センター(仮称)」について
多文化共生を推進する「交流」「理解」「支援」の3つの活動を進めるための具体的な取組について、以下のとおり提言します。
「交流」を進める取り組み
交流活動には、会話を楽しんだり、趣味を通じたサークルのように少人数で交流する活動と、パーティーやお祭りのような大人数で交流する活動があります。これらにより、「多文化共生センター(仮称)」を訪れる人同士が、言葉を通じて、または日本や各国の文化体験を通じて、さらにスポーツや食事を通じて互いに交流を深め、国籍や文化の違いを理解し合うことが多文化共生の原点になるのではないでしょうか。
「交流」を進める取組で、実施されたら良いと思う事業や取り組みのアイデアとしては、以下のようなものがありました。
- 交流活動
- 大人数で交流する活動:フェスティバル、フェアウェルパーティー、お祭りなど
- 少人数で交流する活動:MISHOPで行われているジャパニーズラウンジ、イングリッシュラウンジ、時事問題のディベート、ミニ講演会、お国自慢、グループ活動(動物好き、漫画好き、文学好きなど)
- 短期の家庭訪問:夕食や昼食を食べに行く
2.体験
- 外国籍の人向けの活動に積極的に参加(住民協議会など)
- 食体験、料理体験
3.文化体験
- 三鷹を上空から観察(ドローンで)
- 日本や他国の文化を見る
- 出し物等を通じた文化体験
4.アクティビティ
- 運動会等
- いろいろな交流(東京2020オリンピック・パラリンピックでホストタウンとしてお迎えしたチリと、留学生同士、オンラインで、個人レベルから行政レベルまで、文化やスポーツを通して)
「理解」を進める取り組み
三鷹のことや日本の文化について、外国籍市民の子どもたちは学校の授業で学ぶことができますが、大人になってから来日した方は、学ぶ機会が乏しいように思います。そこで、外国籍市民の大人向けの文化学習イベントや講座が開催されることを望みます。
また、大人も子どももそれぞれに自分が興味のあることについて知る、学ぶ機会があると良いと思います。例えば、講座では、資料を読んだり、動画を視聴したりするだけではなく、講師や受講者同士でコミュニケーションをとりながら、楽しく学び合える内容であると、「交流」と「理解」がより深まるのではないでしょうか。
以上の取組を踏まえ、「多文化共生センター(仮称)」が、私たちが今住んでいる三鷹のことをはじめ、日本、さらには世界を知ることができる施設であることを望みます。
「理解」を進める取組で、さらに細かいアイデアとしては、以下のようなものがありました。
- 文化・歴史の理解
- 国の成り立ち、母国を語る
- 戦争の歴史的背景を知る
- 三鷹市の子どもも大人も興味のあることについて知る、学ぶ
- 自分の国と相手の国を理解する。資料を読んだり、ビデオを見たりするだけではなく、直接話す(会話がある方が心のコミュニケーションができる)
- 色々な国の資料、教科書、服、食事等に触れる場所を作り、他国の文化を理解する
- 食文化、衣服等自国の自慢ができるイベントを開催
- 日本の文化について、外国人の大人向けの授業があると良い
- ドローンを飛ばし、別の視点から理解
- 料理のトレンド
2.環境問題の理解
- 動物飼育とCO2増加の関係
- 環境問題の理解により三鷹の自然が守られる
- 各国の文化や考え方を理解することが重要(プラスチックの考え方と使い方は中国と日本では違うなど)
- 昔の人の知恵、風呂敷や竹カゴ等、環境にやさしいエコなものを実際に触れる
支援を進める取り組み
私たちが日本での生活を始めるときによくある困りごとは、日常生活における日本独特のルールが分からないことです。
具体的には、ごみの分別方法、靴や服のサイズ表記が分からない、スーパーマーケットなどでの食料の選び方が分からない、美容院を予約して髪を切るときに要望がうまく伝わらない、病院に行った際にコミュニケーションがとりづらい、ドラッグストアで薬を買うときに何を選べばよいか分からないといったことがあります。
日本人にとっては、当たり前のことでも、我々外国籍の人には戸惑うことも多いため、これらのルールを教えてくれる人や、買い物などに付き添ってくれる人がいると安心できます。
今後、三鷹市やMISHOP、「多文化共生センター(仮称)」で、市内で暮らす外国籍市民の日常生活の支援(生活支援、医療支援、教育支援、日本語教育等言葉の支援、情報の支援)などのさらなる充実を望みます。
「支援」を進める取り組みで、実施されたら良いと思う事業や取り組みのアイデアとしては、以下のようなものがありました。
- 生活支援
- 髪を切る時、ごみ出し、靴・服・食料などを買うときなど、日本独特のルール(靴のサイズ表記の違いなど)がある。教えてくれる人が付き添って一緒にいてくれると安心できる
- 悩みを相談できる場所、外国籍市民同士で困りごとの共有
- 外国人という偏見から、部屋を紹介してくれない事もある。不動産屋への付き添い。外国人にやさしい不動産屋
- 確定申告や住宅や医療などの手続きに関してわかりやすく教えてくれる制度
- 2.医療支援
- 病院に付き添ってくれる人も必要、また、虫刺され薬など日常的な薬を買うときの付き添い
3.教育支援言葉の支援
- 放課後に授業でわからない部分のフォロー教室
- 中高生の受験や進路についての説明
4.言葉の支援
- 日常生活のための日本語教室など学校以外にも学べる場所
人権基本条例(仮称)について
三鷹市では、人権が尊重され、だれもが安心して暮らせるまちづくりの実現に向けて、市の方向性や基本理念を定める人権基本条例(仮称)の制定に向けて取組を進めています。男女の性別や、性自認、性的指向、子ども、高齢者、障がい者など、さまざまな属性の人権課題があり、外国人も日本で生活する中で、人権課題に悩む方もいます。このことに三鷹市が問題意識を持ち、対応を図るために、人権基本条例(仮称)を制定することについて、私たちは賛同します。
人権基本条例(仮称)の制定にあたり、外国籍市民が人種、国籍などを理由とした不当で差別的な取り扱いを受けないこと、また、偏見や先入観から受ける困難の解消に向けて、市として市民や事業者等の理解が進むよう周知啓発に努めること、加えて、条例の検討とともに、不当な差別的取り扱いがなくなるよう、具体的な行動指針が示されることを望みます。
今期の円卓会議において、日々の生活の中で感じる人権課題や必要な支援、条例に期待することなどについて話し合い、挙げられた意見は以下のとおりです。
- 言葉の問題で、うまく説明ができずに不利益を被る場合がある。
- 外見では日本人と見分けがつかないために、日本語を上手に喋れるという先入観を持たれてしまう。
- 日本語がうまく話せずに、無礼な人、頭のよくない人だと思われることがある。
- 条例に掲げる理念が、実際にまちで暮らす人々にどう生かされるか、きめ細かな検討が必要。
- 条例に掲げる理念が、実際にまちで暮らす人々にどう生かされるか、きめ細かな検討が必要。
- 「見えていないこと」にどう気づき、見えない差別をどう取り除くかは、人権に関する大きな課題だと思う。
- 条例の基本理念に対応した行動指針のようなものが作られるとよいと思う。
- 不利益を被っている人を条例で救うことができるか。効力を持った条例にしてほしい。
- さまざまな言語を話す人が暮らしているので、施設案内などの多言語の看板に、英語・中国語・韓国語以外の言語もあっていいのではないか。
- 誰にとってもわかりやすい表現にすることはとても重要。
- 日本語翻訳などについては、AIなどの技術の進歩に頼れる部分と、専門的な「人」の支援による部分の住み分けが必要。
- マイノリティや差別を理解するためのワークショップの実施が有効。実際に体感すると、理解が増し、実感をもって話し合いができる。
- 人権の侵害など、わかりにくいテーマは抽象的な議論になりがちなので、具体的な課題を話し合うと良い。
- 過去にあった外国籍市民からの人権相談や、市への意見を参考にすれば、三鷹市に足りない視点が見えてくると思う。
- ワークショップ等は、テーマや意見を聞く対象を明確にして、具体的な議論を行ってほしい。
今後の「みたか国際化円卓会議」の方向性
みたか国際化円卓会議が設置され、12期、23年が経過しました。第12期では「多文化共生センター(仮称)」「人権基本条例(仮称)」という2つの分野をテーマに据え、取り組んできました。
今後は、防災や防犯といった生活上の安全・安心や、人権基本条例(仮称)制定後の具体的な取組、外国籍市民との地域協働等に関して議論することが効果的であると考えます。加えて、三鷹市に住む外国籍市民の国籍及び人口を意識し、検討対象のターゲットを明確にすると、より有意義な議論が行えると考えます。
また、みたか国際化円卓会議は、三鷹市の国際化に係る諸課題を協議し、その解決のための方策について提言する場として有効です。そのため、三鷹市には今後も市政に関する様々な取組について、積極的に情報提供をしていただきたいと考えます。その情報を基に、外国籍市民の観点から課題解決に向けた方策について議論しますので、その結果が市の施策や事業に効果的に反映されることを切に願います。
委員氏名 | 所属等 |
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坂本 ロビン | 杏林大学教授 |
野村 隆志 | 公益財団法人アジア・アフリカ文化財団専務理事 |
友部 稔 | 長期にわたる海外生活の経験を有する日本国籍市民 |
鄭 照子 | 在日本大韓民国民団 西東京・武蔵野支部 |
川島 鋼太郎 | 公益財団法人三鷹国際交流協会理事 |
森田 義一 | 西部地区住民協議会 |
ジュリアン R.コウ | 国際基督教大学教授 |
ジョン ウッドワード | 外国籍市民(第8期公募) |
董 光哲 | 外国籍市民(第9期公募) |
ペッターワドゥ サンジーワ | 外国籍市民(第10期公募) |
呉 孟軻 | 外国籍市民(第11期公募) |
橋本 美緒 | NPO法人 中国帰国者の会 |
李 力文 | 外国籍市民(第11期公募) |
石坂 和也 | 三鷹市企画部長 |
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