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女性と月経(生理)の悩み
作成・発信部署:子ども政策部 子ども家庭課
公開日:2022年12月9日 最終更新日:2023年7月6日
女性と月経(生理)の悩み
月経は大切な「健康のバロメーター」です
女性は思春期に初めての月経(初経)を迎え、その後閉経前までほぼ一定の周期で月経が訪れます。しかし心身に大きな異変・不調が起こると月経も影響を受けて乱れますので、月経の状態は健康の大切なバロメーターとなります。
月経は、体調を知る手がかり
月経は中枢(脳)・卵巣・子宮からなるシステムがホルモンによって調整され起こります。このシステムはデリケートで複雑なしくみになっていますので、身体的な異常だけでなく、精神的なストレスなどによっても影響を受けます。下記のような月経異常や女性特有の疾病のサインがある場合は、産婦人科を受診しましょう。
基礎体温はからだからのメッセージです。
日ごろの体調不良が、実は月経前の頭痛だった、排卵日近くの下腹痛だった…など、基礎体温を測ることで、原因や対処法がわかることもあります。基礎体温は重要な情報源であり、受診時にも役に立ちます。基礎体温表や記録するアプリなども活用して、基礎体温を測りましょう。
月経異常と疾病
月経がない・周期が乱れる・経血量が多い
女性ホルモン分泌の周期的な変化によって規則的に訪れる月経。もし周期や経血量(月経時の出血量)などに変化があれば、病気(原発性無月経、続発性無月経、高プロラクチン血症など)を知らせるサインかもしれません。自己判断せずに産婦人科を受診しましょう。
月経痛がひどい(月経困難症)
がまんできないほど強い月経痛があるのが月経困難症です。月経困難症の痛みは月経開始後数日続きますが、その後は自然に軽快します。しかし、また次の月経時には、くり返し同じような症状がみられます。そのほかに、むかつき、腰痛、頭痛などの症状を伴うこともあります。
月経開始の3~10日くらい前から体調がすぐれない(月経前症候群PMS)
月経開始の3~10日くらい前から月経までの間にあわられるこころやからだの不調を月経前症候群(PMS)といいます。さまざまな症状のために、日常生活に支障をきたすこともあります。
子宮内膜症
子宮内膜がさまざまなところに侵入発生することで、月経痛などの原因になります。
どんな病気?
子宮内腔の表面をおおっている膜が子宮内膜です。子宮内膜が、卵巣、卵管、腸管の表面など本来は存在しない場所に侵入発生し、増殖するのが子宮内膜症です。とくに卵巣内部に発生して血液が溜まるものをチョコレート嚢胞といいます。
子宮内膜は卵巣ホルモンの周期的変動を反映して変化します。月経時にはホルモンが減少し、その影響を受けて子宮内膜がはがれ落ちて月経が起きます。
子宮内膜症で本来存在しない部位に発生した子宮内膜も、同様にホルモンの影響を受け、その部位でも出血が起こります。
出血が組織の中や、閉ざされた部位に発生しますので、下腹部痛などの症状を起こすと同時に、周囲の臓器や組織との癒着が起こり、卵管や卵巣が巻き込まれると不妊の原因になることもあります。
子宮筋腫
良性の腫瘍ですが、経血量の増加や月経痛の原因になることがあります。
どんな病気?
子宮の筋層を形成する平滑筋から発生する良性の腫瘍で、成人女性の2~5割は子宮筋腫により何らかの症状きたします。無症状で筋腫がある女性は成人女性の7~8割に達するほど一般的な病気です。
筋腫の塊がひとつのこともあれば多数あることもあり、大きさも様々で、症状の種類や程度は数や大きさだけに関係せず、発生した部位により異なります。筋腫ができる場所によって、次の3つに分類されます。
漿膜下筋腫
子宮の外側に突き出すようにできるもの。筋腫の発生部位が子宮内腔ではないので過多月経などの症状があまりなく、ある程度まで大きくなるまで気づかないこともあります。大きくなって周囲の臓器を圧迫して、頻尿・便秘や腰痛の原因になることもあります。
筋層内筋腫
子宮の筋肉の中にできるもの。月経痛が主な症状となり、過多月経、貧血などの症状があらわれることもあります。
粘膜下筋腫
子宮の内側、内腔にできるもので、内腔を変形・拡大させるため月経の期間が長くなり、過多月経、月経痛、貧血などの症状があらわれます。また茎を伸ばして発育する有茎粘膜下筋腫では不正出血が主な症状になります。
卵巣腫瘍
卵巣は、子宮の両脇に1つずつある親指大の楕円形の臓器で、骨盤内の深いところにあります。毎月排卵をくり返し、女性ホルモンを分泌するなど女性の健康に重要な役割を担っています。
どんな病気?
卵巣腫瘍があっても無症状であることが多く、他の婦人科の病気や妊娠時の診察で偶然発見されることが少なくありません。ほとんどは良性群の卵巣嚢腫(のうしゅ:液体が溜まった袋状の腫瘍)ですが、その他に中間群と卵巣がんを含む悪性群があります。
卵巣は親指大以上の大きさになると、下腹部に塊を感じることがあります。しかし、多くはお腹が張ったような感じのみで、受診してはじめて発見されることもあります。
月経以外の出血とおりものの異常
不正出血には、検査によって出血の原因を特定できるものと、特定はできないもの(機能性子宮出血)があります。不正出血があっても、おりものに混じってわかりにくい場合もあるので、おりものの色の変化にも気をつけましょう。
月経以外の出血はすべて不正出血です
子宮がんによる出血とおりもの異常
不正出血がある場合に最も注意すべき病気は子宮がんです。
性交時の出血が子宮頸がんではよく見られ、頸がん発症には性行為が深く関わっています。進行すると、不正出血のほか、悪臭のするおりもの、下腹部痛などの症状が出てきます。
子宮がんには、子宮の下方の膣につながる部位にできる子宮頸がんと、子宮の内腔にある子宮内膜から発生する子宮体がん(内膜がん)があります。頸がん検診では、子宮膣部のびらん(ただれ)や子宮頸管ポリープなどと区別するために細胞診が必要です。
子宮頸がんは初期には症状がないので、早期発見のためにも、20歳を過ぎたら少なくても2年に1回は検診を受けましょう。
妊娠にかかわる出血
予定よりも月経が遅れ、腹痛を伴った出血があれば、妊娠の可能性があります。すでに妊娠している場合は流産や子宮外妊娠のこともあります。早めの処置が必要なので急いで産婦人科を受診してください。妊娠が進むと体形の変化が大きく悩むかたもいます。保健センターでは相談をお受けしています。
0422-46-3254
そのほかの出血
検査しても原因を特定できない出血もあります(機能性子宮出血)。思春期や更年期のホルモンバランスの乱れ、ストレスや過度のダイエットが原因になることもあります。病気というわけではありませんが、貧血をまねきやすいので、不安を解消するためにも早めに受診しましょう。
おりものの異常
膣や子宮などから分泌されるおりものは、月経の周期のよって変化します。異様なにおいがしたり、色や量などがいつもとちがうときには、病気の可能性もあります。
膣炎・外陰炎
膣の粘膜や、性器の外側の部分(外陰)に炎症が起きた状態です。かぶれやアレルギーのほか、感染性のものもあるので、原因に応じた治療が必要です。また、月経時には生理用品を長時間使用したままにしないなど清潔にしましょう。
性感染症(STD:sexually transmitted diseases)
性交のよって感染するのが性感染症(STD)で、淋病、梅毒などがあります。とくに若い女性にクラミジア感染症が多くみられる傾向があり、また近年、梅毒に感染するケースも急増しています。不妊の原因になることがあります。治療は必ずパートナーと一緒に受けましょう。
萎縮性膣炎
更年期になると、卵巣から分泌されるエストロゲンの量が少なくなるために、膣粘膜が萎縮して薄くなります。膣がもっている自浄作用も低下して感染しやすくなり、膣の炎症が起こります。おりものが黄色や少量の血液混じった褐色になり、ときに悪臭を伴うこともあります。膣は乾燥して性交痛を伴うようになります。
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