水車のしくみ

挽臼(ひきうす)

挽臼のイラストしんぐるまには、大小2個の御影石の挽臼がある。両方とも下臼(したうす)が固定され、上臼(うわうす)が回る。直径1尺8寸(約55センチメートル)の大きい臼は小麦を粉にするもので、まず大万力に小さい歯車を噛み合わせる。そのシャフトの先にある歯車(縦に回る)と上臼の周りに付いている臼歯(うすば)歯車(横に回る)が噛み合って臼が回る。粉は下臼の周囲にある桶に出る。それを臼歯歯車の下に付けた3本の小さな箒(ほうき)が回って、開口部から篩(ふるい)に落とす。

挽臼の写真直径1尺4寸(約43センチメートル)の小さい臼は、鉄のシャフトが下臼(したうす)の中央を突き抜けて上臼(うわうす)を回す。出てきた粉は、上臼の周りに付いている幕で集められ、すぐ下にある万石通し(まんごくとおし)にかけられる。ここは、今はそば粉用だが、以前は大麦の挽割(ひきわり)用だった。

小坂克信(産業考古学会理事 水車と臼分科会代表)