三鷹の水車「しんぐるま」

三鷹の水車「しんぐるま」

水車経営農家の外観写真

三鷹市には、大沢の里水車経営農家に、通称新車(しんぐるま)と呼ばれる、日本でも有数の水車があります。しんぐるまは野川沿いに位置し、その機構の素晴らしさと文化財的価値の高さから、東京都から「武蔵野(野川流域)の水車経営農家」として有形民俗文化財の指定を受けており、さらに、日本機械学会からは「旧峯岸水車場」として機械遺産の認定を受けています。

しんぐるまは、江戸時代の文化5(1808)年頃に創設され、昭和43(1968)年頃に野川の改修によって水流が変わるまでの160年間、回り続けていました。野川の改修工事によって水車の稼働は停止しましたが、八代目当主の峯岸清さんが水車全体を大切に保存してこられたため、現在も、複雑な機構を持つ水車装置全体が良好な状態で保存されています。

三鷹市では、第3次三鷹市基本計画(平成13<2001>年11月確定)の中で、大沢の里水車経営農家を「エコミュージアムモデル事業」と位置付け、計画的な保存・活用を進めています。

エコミュージアムとは、人々が生活する一定の空間(地域)を博物館として捉え、現地で歴史・文化・自然などに関わる遺産を展示し、地域の発展に寄与しようとする新しい概念の博物館のことです。

エコミュージアムには、3つの構成要素があります。ひとつは、博物館としての活動である収集保存、調査研究、展示、教育、広報活動です。エコミュージアムでは、地域の記憶のような無形の遺産も重要な収集の対象です。2つ目は、地域内遺産の現地での保存と公開です。そして3つ目は、調査研究や施設などの管理運営を、市民と行政が協働し、市民の主体的な参画により実施することです。