水車のしくみ

歯車

大小の歯車が噛み合っている写真日本の水車に使われている木の歯車は、さし歯歯車(さしばはぐるま)、削り出し歯車、寄せ歯歯車(よせばはぐるま)の3つに分けられる。
新車の歯車は、組み木細工のように作られた寄せ歯歯車が多い。この歯車は、歯が1つ1つ作られ、さらにダボで止められている。また外側からはカラミとクサビで固定するなど精巧に作られている。 武蔵野地方では歯車のことを万力(まんりき)と呼び、心棒についている歯車を大万力(おおまんりき)という。西側にある大万力は大小二重の歯車になっている。これに噛み合う搗心棒(つきしんぼう(横心))の「繰り出し万力」も大小二重の歯車になっている。これは新車の心棒と搗心棒の位置が直角になっているからで、他には見られない工夫である。

小坂克信(産業考古学会理事 水車と臼分科会代表)