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みたか国際化円卓会議 第11期報告
作成・発信部署:企画部 企画経営課
公開日:2021年7月1日 最終更新日:2023年4月21日
第11期活動内容が報告されました
「みたか国際化円卓会議」は、国際化に関する様々な問題とその解決策について、国境を超えて話し合い、市の施策に反映させていくため、平成11年5月に設置されました。外国籍市民自身による市政への参加を進め、外国籍市民等に開かれた暮らしやすいまちづくりに向けたものとして、活発な議論が行われています。
令和3年3月に、第11期(令和2年1月~令和3年3月)の活動内容が、以下のとおり市に報告されました。
みたか国際化円卓会議 第11期報告
第11期では、三鷹市が目指す「多文化共生のまち」の方向性をもとに、その実現に向けて取り組む拠点となる「多文化共生センター(仮称)」のイメージ作りを目的に、「多文化共生センター(仮称)」に必要な機能や取り組みなどについて議論しました。
この度、第11期の提言を取りまとめたので、ここに、報告します。
令和3年3月31日 みたか国際化円卓会議
円卓会議の開催状況
第1回 令和2年1月23日(木曜日)
(1) 委員委嘱及び正副座長選任
座 長:坂本 ロビン(杏林大学 外国語学部学部長)
副座長:野村 隆志((公益財団法人)アジア・アフリカ文化財団事務局長)
(2) 第10期の議題について
第2回 令和2年3月19日(木曜日)
(1) 新規委員からのスピーチ及び質疑応答
(2) 第11期議題について
(3) 今後の会議形式(ワークショップ)について
第3回 令和2年7月14日(火曜日)
(1) 新規委員からのスピーチ及び質疑応答
(2) 第1回ワークショップ
「私が住みたい多文化共生のまちってどんなまち?」
第4回 令和2年11月16日(金曜日)
(1) 新規委員からのスピーチ及び質疑応答
(2) 第2回ワークショップ
「多文化共生センター(仮称)にあるといいと思う事業・取り組み」
第5回 令和3年3月25日(木曜日)
(1) 第11期のまとめについて
※討議内容については、会議録要旨のとおり。
委員氏名 | 所属等 |
---|---|
坂本 ロビン (11期座長) |
杏林大学教授 |
野村 隆志 (11期副座長) |
(公益財団法人)アジア・アフリカ文化財団専務理事 |
ジョン ウッドワード | 外国籍市民(第8期公募) |
董 光哲 | 外国籍市民(第9期公募) |
ペッターワドゥ サンジーワ | 外国籍市民(第10期公募) |
呉 孟軻 | 外国籍市民(第11期公募) |
李 力文 | 外国籍市民(第11期公募) |
ジュリアン R.コウ | 国際基督教大学教授 |
友部 稔 | 長期にわたる海外生活の経験を有する日本国籍市民 |
森田 義一 | 西部地区住民協議会 |
鄭 照子 | 在日本大韓民国民団 西東京・武蔵野支部 |
川島 鋼太郎 | (公益財団法人)三鷹国際交流協会理事 |
土屋 宏 | 三鷹市企画部長 |
みたか国際化円卓会議第11期の取り組み
検討内容
みたか国際化円卓会議第11期は、多様な国籍、多様な考えを持ち、三鷹に愛着を持つ13名の市民委員により、令和2年1月23日(木曜日)にスタートしました。今期の議題を決めるにあたり、令和元年9月に発生した台風15号に対する課題や、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向けた外国人向けの観光政策、外国人向けの公共施設の機能などについて議論しました。
公共施設について話し合う中で、事務局より第4次三鷹市基本計画(第2次改定)第1部第1国際化の推進において、主要事業に位置付けられている「多文化共生センター(仮称)」について、国際化の観点からアイデアを出してもらえないかという提案がありました。提案に対して委員が賛同したため、今期のみたか国際化円卓会議では、「多文化共生センター(仮称)」のイメージ作りについて検討することが決まりました。意見交換にあたっては、委員が分け隔てなく発言できるよう、みたか国際化円卓会議では初となるワークショップ形式で行うこととなりました。
第1回ワークショップでは、「多文化共生センター(仮称)」のイメージを検討する前提として、「多文化共生」とは、「まちにはいろいろなものを抱える人々が暮らしており、それぞれの文化に対して、お互いに、気づき、理解し、認め合いながら、同じまちのメンバーとしてともに生きていくこと」という認識を共有しました。そして、三鷹市が目指すべき「多文化共生のまち」をテーマに話し合い、「交流」「理解」「支援」「環境」の4つのキーワードが挙がりました。
第2回ワークショップでは、さらに「デジタル化」を加えた5つを「多文化共生のまち」のキーワードとし、その実現に取り組む拠点として「多文化共生センター(仮称)」にあるといいと思う事業や取り組み、機能等について検討しました。
提言内容
「多文化共生センター(仮称)」に関して、2回のワークショップを通して検討した内容を踏まえ、5つのキーワードをもとに提言します。
(1) 交流
提言1:行けば自然と多文化が感じられる場・わくわくに出会える場であることを望みます。
最初に「多文化共生」という言葉から「交流」が思い浮かびました。私たちが考えたことは、現在、(公益財団法人)三鷹国際交流協会(以下「MISHOP」という。)を中心に三鷹市で展開されている「草の根の国際交流」を継承・発展させることです。また、日本の文化、世界の文化に触れられる場所、三鷹市を知ることができる場所であってほしい、という意見が多く挙がりました。そこで、「多文化共生センター(仮称)」では、日本人と外国人が分け隔てなく、日本を含む世界各国の料理や音楽などの文化を体験し、交流できる場所であることを望みます。そうした体験や交流を通じて、外国籍市民が地域社会により参加しやすくなってほしいと考えます。さらに、外国籍市民もイベント等を自由に主催できる仕組みを作るなど、双方向の交流が活発な施設になることを期待します。
(2) 理解
提言2:住んでいる人が日本のことも外国のことも学べる場となることを期待します。
「多文化共生のまち」の実現には、三鷹市に関わりのあるすべての人が、多文化共生に関する理解を深める必要があります。そこで、「多文化共生センター(仮称)」は、外国人が日本や三鷹のことを学べる場所、出身国以外のことを学べる場所、日本人が外国のことを学べる場所、そして互いに教え合える場所であることを望みます。互いに理解し合うことで、新たな交流や支援の輪が広がることを期待します。
(3) 支援
提言3:誰でも気楽に立ち寄れる、相談できる場となることを期待します。
外国人が三鷹市民として暮らし始める際、文化や言語、生活習慣の違いなどの問題に直面するため、日常生活のサポートをはじめとする「支援」が必要です。インターネット等から情報を得ることはできますが、例えばごみの出し方など日常生活での不安は拭えません。そこで、「多文化共生センター(仮称)」では、外国籍市民が安心して暮らせるように、生活面でのサポート体制を充実させ、外国籍市民にとって三鷹市での最初の相談窓口として、さまざまな不安を解消できる場所となることを望みます。さらに、災害や火事などの緊急時に外国籍市民への情報発信の拠点となることを期待します。
(4) 環境 -施設の環境、地球・自然の環境-
提言4-1:活動しやすく、開放感のある居心地のいい場所となることを期待します。
「多文化共生センター(仮称)」は、誰もが気軽に立ち寄れる場所であることが大切です。相談に行ってみよう、調べ物をしてみよう、見に行ってみよう、と思ってもらえる施設づくりが必要だと考えます。
そこで、「交流」「理解」「支援」のキーワードに基づくそれぞれの機能に必要なホールや調理室などの設備のほか情報発信のための図書室などを設置するとともに、カフェを併設するなど、利用者にとって居心地の良い場所となる工夫を施し、開放感のある施設となることを望みます。
提言4-2:自然環境に関する情報発信の場・学びの場となることを期待します
「多文化共生センター(仮称)」では、四季の景色が楽しめ、風の散歩道や大沢の里などの三鷹にある自然に関する魅力を発信するなど、自然環境を身近に感じ、学ぶことができる施設であることを望みます。また、「多文化共生」の観点から、地球規模の環境問題や国内外の先進事例なども学べるほか、多言語での情報発信機能を備えた場となることを期待します。
(5) デジタル化
提言5:デジタル技術の活用によるサービスの充実を要望します。
スマートフォンなどの携帯端末の普及やインターネット回線の高速化に伴い、外国人が三鷹の情報を調べる際、多くの人がインターネットを利用していることから、「多文化共生センター(仮称)」では、公共Wi-Fiスポットの設置や二次元コードを用いた三鷹の案内・情報発信など、デジタル技術を活用した利便性の高い施設となることを望みます。
また、現在、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、セミナーや相談などの場でウェブ会議システム等の活用が進んでおり、今後もこの流れは継続・加速すると推察します。これらの取り組みに加え、「多文化共生センター(仮称)」では、情報発信拠点という機能をさらに一歩進め、そこに行かなくてもオンラインで交流できる「バーチャル・コミュニティセンター」のような機能や取り組みについても検討してほしいと思います。さらに、オンラインであれば、自動翻訳機能の付加などの工夫により、言葉の壁を乗り越えることも可能になります。このような取り組みも含めて、バーチャル空間での交流が現実の交流にもつながっていくことを期待します。
デジタル技術の活用によるサービスの提供は、さまざまな交流を生み出すきっかけにもなると思いますので、「多文化共生センター(仮称)」では、「共生のためのコミュニケーション」に向けて、デジタル技術を積極的に導入されることを切に願います。
(6) まとめ
上記のとおり、多文化共生のまちづくり、「多文化共生センター(仮称)」における国際化推進の分野にとって必要な機能として、「交流」「理解」「支援」「環境」「デジタル化」の5つのキーワードを提言します。
「交流」「理解」「支援」の3つの機能は、三鷹市における国際化推進の取り組みを市と協働して実施しているMISHOPの活動理念とも通じることから、三鷹市は引き続きMISHOPと協働し、これまでの活動を踏まえながら、事業の幅をより広げ、深めるような事業展開を検討してほしいと思います。例えば、「理解」の促進が、差別や偏見を解消し、さらに、人と人との「交流」や「支援」にもつながるなど、3つの機能が相互に影響することで、三鷹市が目指す「多文化共生のまち」をより実感できるのではないかと考えます。
また、地球規模の自然環境と三鷹にある身近な環境問題について学び考える拠点となるとともに、「三鷹駅前地区再開発基本計画2022」のコンセプトである「100年の森」を具現化するような、緑豊かな居心地の良い魅力ある施設づくりを目指してほしいと思います。
そして、新型コロナウイルス感染症を契機として、「新しい生活様式」が広く浸透し、デジタル化が進展することで、新たな交流が生まれ、さまざまな人に、より多くの情報や支援が届くことを期待します。
今後の「みたか国際化円卓会議」の方向性
みたか国際化円卓会議は、11期、21年が経過しました。今期は、「多文化共生センター(仮称)」の機能や取り組みについて、要望や市に期待することを中心に議論しました。
今後は、多文化共生に関する現状の課題を解決する、という視点からも検討することが必要であり、本提言を実現するための具体的な議論を進めていくことが効果的であると考えます。特に「交流」のキーワードにおいては、外国籍市民等が地域活動に積極的に参加してもらえるよう、各地区住民協議会との協働・連携について検討されることを望みます。また、「多文化共生」の視点をさらに広げて、多様な人権についてもさまざまな観点から検討していきたいと考えます。
また、みたか国際化円卓会議は、三鷹市の国際化に係る諸課題を協議し、その解決のための方策を提言する場として有効です。そのため、三鷹市には、今後も市政に関する様々な取り組みについて、積極的に情報提供をしていただきたいと考えます。いただいた情報をもとに、外国籍市民の観点から課題解決に向けた方策を議論し、その結果が市の施策や事業に効果的に反映されることを切に願います。
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