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2016年2月15日 かいぼり屋に聞いてみよう!
作成・発信部署:企画部 広報メディア課
公開日:2016年2月18日 最終更新日:2016年2月18日
各地のかいぼりで活躍!かいぼりのプロに聞く
今回は、第1回のかいぼり(かいぼり25)に引き続き、井の頭池の再生に取り組んでいる認定NPO法人「生態工房」の八木愛(やぎ・あい)さんにお話を伺いました。生態工房は、かいぼりのプロ集団として、これまでも丸池の里のかいぼり(平成22年)や、町田市の薬師池公園のかいぼり(平成27年)などでも活躍されています。
井の頭池のかいぼりでは、「かいぼり屋」として、かいぼりについての展示や解説も行っています。
井の頭池の持つ底力を感じた「かいぼり」
2度のかいぼりを通じて、印象に残ったことを教えてください
一番驚いたのは、前回のかいぼり後、水草がすぐに生えたことです。井の頭公園は、かつては水草の生い茂る池でしたが、湧水が枯渇したことで水草は姿を消してしまいました。種子が眠っている可能性はありましたが、水草の寿命は40年~50年程度といわれており、井の頭池の水草が絶えてからすでに50年が経過していました。復活は難しいと思っていただけに、見事に再生してくれたのには感動しました。
また、今回初めてかいぼりを行った弁天池でも、湧水の多さに驚かされました。もちろん、かつての湧水量には及びませんが、それでも絶え間なく水がわき出る様子は心強かったです。かいぼりによって、井の頭池の持っていた底力を見せつけられました。
前回のかいぼりとの違いはありますか
水を抜く職人さんの活躍で、今回のかいぼりでは水の抜け方が非常に早いです。おかげで1月23日、24日のお魚捕獲は理想的な水位で行えました。
また、今回のかいぼりでは在来魚の割合が大幅に増えており、手ごたえを感じています。
鯉や金魚は外来魚?
かいぼり期間中はどのような活動を行っているのですか?
ボランティアさんと協力して、残った魚の捕獲をしています。また、「かいぼり屋」で、かいぼりに関する展示や解説を行っており、週末は池底を歩くツアーの案内もしています。
かいぼり屋に来たお客さんに、よく「鯉や金魚は外来魚なの?」と驚かれます。「外来魚」と聞くと外国産の魚のように思われがちですが、「人間が放した生き物はすべて外来魚」だと思ってください。今回のかいぼりでも、金魚やメダカなどが捕獲されました。どれも観賞魚として身近な生き物ですが、野生では環境を脅かす存在になってしまいます。正しい知識をもって生き物と接したいですね。
かいぼり中の井の頭池
かいぼり中ならではの見どころを教えてください
普段は見られない生き物の様子が見られます。普段の井の頭池はサギが餌を捕るには水深が深すぎるのですが、かいぼり中は池底に残った水たまりで頻繁に魚を捕っています。運が良いと、ユリカモメも見かけることがあります。暖かい日に七井橋から池を眺めていると、亀がトコトコ散歩していたりして、とても楽しいです。池底ツアーでは、生き物が残した足跡が間近で見られます。サギの足跡は、とても大きいんですよ。
かいぼりを通じて感じていることは
かいぼりで井の頭池にかかわる中で、たくさんの方から温かい言葉をいただいています。水草のたくさん生えていた、かつての井の頭池に近けようと頑張っていますが、この活動は地元のみなさんの協力で成り立っているのを実感しています。ぜひ、これからも、井の頭池の自然環境に関心を持って、見守り続けてほしいと願っています。
かいぼり屋に行ってみよう
2度のかいぼりを通じて、大きく変わり始めた井の頭池。お話を伺ったのは平日の寒い日でしたが、たくさんの人がかいぼり屋を訪れていました。身近な自然のあり方について、かいぼり屋を訪ねて考えてみませんか。
「かいぼり屋」は、3月中旬まで毎日、午前9時から午後4時まで開設しています。
池底ツアーは土曜日・日曜日・祝日の午後1時から実施中です。
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