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三鷹市子どもの権利に関する条例
作成・発信部署:子ども政策部 子ども・若者政策課
公開日:2026年10月2日 最終更新日:2026年10月2日
子どもの権利を守るための条例です
この条例は、児童の権利に関する条約に基づき、子どもの権利の内容を明確にし、子どもに関係する全ての事項について子どもの最善の利益を第一に考えるとともに、権利を擁護する仕組みをつくることにより、子どもの権利を保障することを目的として制定し、令和8年10月1日に施行しました。
主な内容としては、子どもの権利の内容や市、保護者、市民、子どもに関わる施設の設置者等及び事業者等の役割を定めるとともに、子どもの意見や思いの表明の機会の確保、子どもの話を聴く仕組みづくり、子どもの権利擁護委員の設置等について定めています。
制定に当たっては、学識者による(仮称)三鷹市子どもの権利に関する条例(素案)検討委員会を設置し、子どもを対象としたワークショップやアンケートを実施して聴取した子どもの意見や思いを踏まえながら、検討協議を行いました。
また、検討委員会から提出された報告書を基に作成した条例(案)の骨子についてパブリックコメントを実施し、市民から貴重な意見をいただきました。
市では、これらの検討結果や寄せられた意見等を踏まえ、本条例の策定を進めました。
三鷹市子どもの権利に関する条例
前文
子どもは、一人ひとり、かけがえのない大切な存在です。
全ての子どもは平等であり、生まれながらに権利を持っています。
子どもの心身の状況や取り巻く環境にかかわらず幸せに暮らすことができるように、子どもの権利が守られなければなりません。
子どもは、一人の人間として尊重され、夢や希望を持ちながら成長する存在です。大人は、子どもの声や思いを聴き、誠実に受け止め、子どもとともに考えることが重要です。大人には、子どもが安心して暮らせる環境をつくる責任があります。
子どもは、大切にされ、周囲の人々と関わり、多様な経験を通じて成長しながら、自分の意見や思いを持ち、表現し、自分のことは自分で決めることができます。このことを大人も子どももともに理解することが重要です。
これまで三鷹市では、市民と市が協力し、ともにまちづくりに取り組んできました。三鷹市は、長い間培ってきた地域の力を活かし、大人が子どもをあたたかく見守り、子ども一人ひとりの権利が守られ、お互いのことを尊重し大切にできる地域づくりを推進していきます。
三鷹市は、本条例を定めることにより、子どもを権利の主体として尊重し、その権利を擁護するとともに、子どもに関係する全ての事項について子どもの最善の利益を第一に考えます。そして、子どもが幸せに暮らし、将来に夢や希望を持つことができるまちを実現し、身近な地域社会として子どもの権利を守っていきます。
子(こ)どものみなさん
あなたは、かけがえのない大切(たいせつ)な存在(そんざい)です。
あなたは、生(う)まれたときから権利(けんり)を持(も)っています。
あなたは、安心(あんしん)して暮(く)らし、自分(じぶん)らしく過(す)ごすことができます。
あなたは、成長(せいちょう)に合(あ)わせて、心身(しんしん)ともに豊(ゆた)かに育(そだ)つことができます。
あなたは、自分(じぶん)の意見(いけん)や思(おも)いを伝(つた)えることができます。
あなたは、困(こま)ったときに、助(たす)けてもらうことができます。
大人(おとな)は、あなたの権利(けんり)を守(まも)ります。
大人(おとな)は、あなたの立場(たちば)に立(た)ち、あなたのことを第一(だいいち)に考(かんが)えます。
大人(おとな)は、あなたの声(こえ)や思(おも)いに耳(みみ)を傾(かたむ)け、その気持(きも)ちを大切(たいせつ)にします。
大人(おとな)は、あなたがつらいときや悩(なや)んだときに、どうすればいいか、一緒(いっしょ)に考(かんが)えます。
三鷹市(みたかし)は、全(すべ)ての子(こ)どもの権利(けんり)を守(まも)り、だれもが幸(しあわ)せに暮(く)らすことができるように、この条例(じょうれい)を定(さだ)めます。
第1章 総則
第1条 目的
この条例は、児童の権利に関する条約に基づき、子どもの権利の内容を明確にし、子どもに関係する全ての事項について子どもの最善の利益を第一に考えるとともに、権利を擁護する仕組みをつくることにより、子どもの権利を保障することを目的とする。
第2条 定義
この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 子ども おおむね18歳未満の者をいう。18歳以上であっても、継続的に支援が必要な者又は心身の発達の過程にある者を含む。
(2) 保護者 親、里親その他親に代わり子どもを養育する者をいう。
(3) 市民 市内に住み、又は市内で働き、学び、若しくは活動する人をいう。
(4) 子どもに関わる施設 市内の児童福祉施設、学校その他子どもが遊び、学び又は利用する施設をいう。
(5) 事業者等 市内において、営利若しくは非営利の活動、公共的活動その他の事業活動を営む個人又は団体をいう。
(6) 市 基礎自治体としての三鷹市をいう。
第2章 子どもの権利
第3条 安心して生きる権利
子どもは、一人の人間として尊重され、安全に、安心して生きる権利として、次に掲げることが保障される。
(1) 命が守られること。
(2) 差別されないこと。
(3) 暴力により、心身を傷つけられないこと。
(4) 安全で安心できる環境のもと、健やかに生活できること。
第4条 自分らしく生きる権利
子どもは、自分らしく生きる権利として、次に掲げることが保障される。
(1) 個性が認められ、個人の人格が尊重されること。
(2) 自分の思いや考えが大切にされ、不当な扱いをされないこと。
(3) プライバシーが守られること。
第5条 豊かに育つ権利
子どもは、成長に合わせて心身ともに豊かに育つ権利として、次に掲げることが保障される。
(1) 遊ぶこと。
(2) 学ぶこと。
(3) 休息をとること。
(4) 安心できる居場所で、自由な時間を過ごすこと。
(5) 文化、芸術、スポーツ等に親しむこと。
(6) 自然に親しむこと。
(7) その他、成長や発達に応じた体験を行うこと。
第6条 意見や思いを伝える権利
子どもは、自分の意見や思いを伝える権利として、次に掲げることが保障される。
(1) 自分の意見や思いを表現する機会が確保されること。
(2) 自分の意見や思いを自由に表すこと。
(3) 自分の意見や思いを表すことにより、不利益を受けないこと。
第7条 支援を受ける権利
子どもは、適切な支援を受ける権利として、次に掲げることが保障される。
(1) 困っているときやつらい気持ちになったときに、相談すること。
(2) 成長や発達に応じて、助言又は援助を受けられること。
第8条 社会に参加する権利
子どもは、社会を構成する一員として育ち、社会に参加する権利として、次に掲げることが保障される。
(1) 成長や発達に応じて、自ら考え、意思決定を行うこと。
(2) 前号に規定する意思決定を行うために、必要な情報を得ること。
第3章 市、保護者、市民、子どもに関わる施設の設置者等及び事業者等の役割
第9条 市の役割
市は、子どもの権利が保障され、子どもが幸せに暮らすことができるまちづくりを推進するため、子どもに関する施策を子どもの意見や思いを尊重しながら総合的に実施する。
第10条 保護者の役割
保護者は、子どもの意見や思い、人格を尊重し、子どもが安心して心身ともに健やかに育つことができる環境を確保する。
第11条 市民の役割
市民は、子どもが権利の主体であり、社会の大切な一員であることを理解し、子どもが幸せに暮らすことができるまちの実現に向けて、市が行う子どもに関する施策に協力する。
第12条 子どもに関わる施設の設置者等の役割
子どもに関わる施設の設置者、管理者、従事者その他の関係者(以下「子どもに関わる施設の設置者等」という。)は、子どもの権利を保障しながら、子どもの遊び、学び、育ちを支援する。
2 子どもに関わる施設の設置者等は、保護者、市、関係機関等と協力しながら、子どもの権利を守る取組を推進する。
第13条 事業者等の役割
事業者等は、保護者、市、関係機関等と協力しながら、子どもの権利を守る取組を推進する。
第4章 子どもの権利を守るまちづくり
第14条 子どもの権利の普及・啓発
市は、市民、子どもに関わる施設の設置者等及び事業者等が子どもの権利について学び、理解を深めるため、普及・啓発を行う。
2 市は、毎年11月を三鷹子ども月間として定め、子どもの権利について普及・啓発のための取組を行う。
第15条 子どもの成長や発達に応じた取組
市は、全ての子どもの生命及び身体が守られ、成長や発達に応じた適切な養育のもとで健やかな生活を送ることができるよう取組を行う。
第16条 教育を受ける機会の確保
市は、全ての子どもに教育を受ける機会が等しく与えられるよう取組を行う。
第17条 個人の尊重及び差別的な取扱いの禁止
市は、子ども一人ひとりが権利の主体であり、尊重されるべき個人として認められ、差別的な取扱いを受けることなく、その基本的人権が保障されるための取組を行う。
第18条 安心できる居場所づくり
市、保護者、市民、子どもに関わる施設の設置者等及び事業者等は、家庭、子どもに関わる施設その他活動の場が、子どもが安心して過ごすことができる居場所となるよう協力して環境の整備に努め、情報を広く発信する。
第19条 子どもの意見や思いの表明の機会の確保
市、市民及び子どもに関わる施設の設置者等は、子どもが自分の意見や思いを自由に表明できる仕組みをつくり、子どもの意見や思いの表明が促進されるよう努める。
2 市、市民及び子どもに関わる施設の設置者等は、子どもに関係する事項を決定するときは、子どもの意見や思いを聴く機会を設け、その意見や思いを尊重し、可能な限り反映させるよう努める。
第20条 子どもの社会参加及び参画の推進
市は、子どもが社会の大切な一員として、主体的にまちづくり及び地域コミュニティの活動に参加及び参画できる仕組みづくりを行う。
2 市民及び子どもに関わる施設の設置者等は、子どもの主体的な社会参加及び参画に協力するよう努める。
3 市、市民及び子どもに関わる施設の設置者等は、子どもが主体的に社会参加及び参画するに当たり、必要な情報が得られるよう、子どもに向けた分かりやすい情報発信及び説明に努める。
第21条 子どもの話を聴く仕組みづくり
市、保護者、市民、子どもに関わる施設の設置者等及び事業者等は、子どもが過ごす場所において子どもが話しやすい仕組みをつくり、子どもの話に耳を傾け、受け止めるよう努める。
2 市は、子どもの困りごと、不安、悩み等について話を聴く場所として、子どもを対象とした相談窓口を設置し、内容に応じて必要な支援へとつながるよう、関係機関等と連携して相談体制の整備を行う。
3 子どもから個人情報又はプライバシーに関する秘密について話を聴いた者は、その内容を漏らしてはならない。
第5章 子どもの権利擁護
第22条 三鷹市子どもの権利擁護委員の設置
市長は、子どもの権利を守り、子どもの権利侵害からの救済を図るため、市長の附属機関として、三鷹市子どもの権利擁護委員(以下「擁護委員」という。)を設置する。
2 擁護委員は、5人以内とし、子どもの権利に関して見識を有する者のうちから市長が委嘱する。
3 擁護委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、委員が任期の途中で交代した場合の後任者の任期は、前任者の残任期間とする。
4 市長は、擁護委員が心身の故障により職務を遂行することができないと認めるとき又は擁護委員としてふさわしくない行為があると認めるときは、これを解嘱することができる。
5 市は、擁護委員の独立性を尊重し、その職務の遂行に関し、協力するものとする。
第23条 擁護委員の職務
擁護委員は、次に掲げる職務を行う。
(1) 子どもの権利侵害についての相談に応じ、必要な助言及び支援を行うこと。
(2) 子どもの権利侵害について、必要な調査を行うこと。
(3) 子どもの権利侵害からの救済のために、関係者間の調整及び要請を行うこと。
(4) 子どもの権利侵害を防ぐために、意見を述べること。
(5) 子どもの権利擁護について、必要な調査を行い、関係者間の連携を図るとともに、普及・啓発に協力すること。
第24条 擁護委員の責務
擁護委員は、公正かつ中立に職務を行わなければならない。
2 擁護委員は、その地位を政党又は政治的目的のために利用してはならない。
3 擁護委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
第25条 活動報告及び公表
擁護委員は、年度ごとにその活動内容を市長に報告する。この場合において、市長は、報告内容を公表するものとする。
2 擁護委員は、子どもの権利侵害からの救済が必要であると認める場合は、市長に報告する。この場合において、市長は、必要な措置を講ずることができる。
3 市長は、擁護委員が第23条第3号の要請を行った場合、必要に応じて、その要請内容を公表することができる。
第6章 条例の推進
第26条 推進計画
市は、子どもの権利を守る施策を総合的に推進するため、こども基本法(令和4年法律第77号)第10条第2項に基づくこども施策についての計画を推進計画として位置付け、評価及び検証を行う。
第27条 推進体制
市の各機関及び関係団体等は、横断的に連携して子どもに関する施策を実施する。
2 市は、国、東京都、他の地方公共団体、児童相談所、警察等の関係機関と連携して子どもに関する施策を実施する。
第7章 雑則
第28条 委任
この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
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