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クヌギ(櫟 ブナ科)

作成・発信部署:都市整備部 緑と公園課

公開日:2023年12月16日 最終更新日:2023年12月16日

画像:クヌギの葉の写真(拡大画像へのリンク)

クヌギの葉

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カブトムシが大好きな木!

クヌギは山形県、岩手県を北限に沖縄県まで広く分布しています。樹高15メートル以上の大木になります。コナラと並んで武蔵野の雑木林の主役です。

画像:クヌギの実の写真(拡大画像へのリンク)

王様どんぐりと呼ばれるクヌギの実

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ブナ科の実を総称してどんぐりと呼びますが、どんぐりとは団栗と書き、団とは丸いという意味だそうです。丸い栗のような実、といった意味でしょうか。縄文時代には、人間にとっても貴重な食糧であったそうです。

クヌギの実は「王様どんぐり」の愛称があるくらい立派なものです。花が咲いてから1年経たないと熟しません。雌花が受粉したあとには小さな殻斗ができますが、そのまま越冬し、翌春に生長をはじめ、秋に成熟します。
このように時間をかけてどんぐりを成熟させる木は、ほかにウバメガシ、アカガシ、スダジイ、マテバシイ、アベマキがあります。

また、クヌギと同じブナ科のクリの葉の形はそっくりです。コナラがたまご型の葉なのに対し、クヌギとクリは細長い葉で、鋸歯の先が細長く針のようにとがっています。この針の部分がクヌギは色がぬけて白っぽくなりますが、クリは緑色であることで見分けられます。
日本には、ブナ科の樹木が多く、常緑樹のカシやシイの仲間、落葉樹のブナやナラの仲間等がたくさんあります。

画像:切り株から芽生えたクヌギの写真(拡大画像へのリンク)

切り株から萌芽更新したクヌギ

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クヌギの木は薪炭としても優秀で火持ちがよく、煮炊きなどの燃料として重宝されました。萌芽力が強いので、10年~20年に一度伐採して薪を採取し、切株だけ残すとまたすぐに芽生え、一年で驚くほど大きくなります。
写真は市内の緑地のクヌギです。冬に伐採し、春には芽が出始めて、たくさんの萌芽から、良いものを選択して3本ほどの株立ちにしましたが、夏には高さ1メートルを超える生長をしました。

このように良い薪が次々に採れる樹種であるためにクヌギやコナラが雑木林(薪炭林ともいいます)の主役になっていたわけです。
現代の私たちの生活は、遠い国から運んできた原油に頼っていますが、薪炭林から燃料を得ていたころは身近で、しかも無限のエネルギーであり、雑木林を利用していた里山(SATOYAMA)は永続性のあるくらしの見本として世界から注目されています。

画像:黄葉したクヌギの写真(拡大画像へのリンク)

美しく黄葉したクヌギの木

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特にクヌギの材は、椎茸栽培に使う「ほだ木」としても用いられますし、かつて、葉はヤママユ(野生の蚕)を育てるために使われ、クヌギは積極的に植えられたようです。櫟、椚、橡など充てる漢字もたくさんあり、それほど日本人に親しまれた大切な木ということだと思います。

樹液を滲ませるクヌギは昆虫にとっても魅力的で、生物多様性を支える重要な栄養源にもなっています。カブトムシ大好きな子どもたちにとってもクヌギは最初に覚える木かもしれませんね。

参考文献
山と渓谷社 ハンディ図鑑 14 樹木の葉 林将之著

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