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ナナフシモドキ(別名ナナフシ 七節)
作成・発信部署:都市整備部 緑と公園課
公開日:2023年11月15日 最終更新日:2023年11月16日
【連載第98回】まさに七不思議!?
ナナフシモドキ(別名ナナフシ)ナナフシ目 ナナフシ科
ナナフシモドキは、ナナフシ科の代表種なのにナナフシが正式名称ではなく、ナナフシモドキが和名となっています。ナナフシの方が呼びやすいのですが、まずこの名前が不思議ですね。調べてみると、漢字名の七節が「木の枝のたくさんあること」を示し、枝のたくさんある様子に似ている虫、なのでナナフシモドキとなったということです。
ナナフシモドキは枝に擬態してコナラなどの落葉樹の葉を食べています。翅がなく、ふいに襲われた時にも飛んで逃げられないので、ひたすら隠れようというのが作戦なのでしょう。敵に気づくと前脚をまっすぐ伸ばして枝に擬態します。襲われると自分の脚を自切して逃げます。ほかの昆虫に比較して触角が短いのも特徴の一つです。
繁殖行動も不思議で、メスの単為生殖がメインだそうです。オスはごくまれにみられるそうなのですが、2020年までに全国でも13例しか発見されていないそうです。2020年5月には、飼育していた5歳の男の子が色の違いに気づきオスを発見したそうです。ナナフシモドキの卵は乾燥した植物のタネのようで、鳥に食べられたナナフシの卵が消化されずに排泄され、鳥の糞から孵化することもあるそうです。翅がないために移動の難しいナナフシが鳥によって運ばれて分布を広げているのかもしれません。
ナナフシモドキは本州から九州に分布し、コナラの雑木林の林縁などに多いようです。
三鷹市内では大沢の国分寺崖線沿いの林等でみることができます。
擬態している見つけにくい生き物を見つけるのも生き物観察の醍醐味の一つですね。
- 参考文献
- ニューワイド学研の図鑑 昆虫 学研