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カツラ(桂 ユキノシタ目カツラ科)
作成・発信部署:都市整備部 緑と公園課
公開日:2018年12月17日 最終更新日:2020年8月11日
【連載第90回】ハート形の葉はお菓子の香り
カツラは全国に自生する落葉広葉樹で、公園植栽などにもよく使われます。新緑・黄葉ともに美しく、シンボルツリーとしても植栽されます。
秋に山道を歩いていて、カラメルソースのような甘い香りを感じて足元を見ると、茶色いハート型の落ち葉が目に入り、上を見上げると美しいカツラの黄葉が頭上に広がっている、ということがあります。
この甘い香りのもとはカツラの黄葉した葉に多く含まれるマルトールという物質で、葉を粉末にしてお菓子に添加することもあるそうです。マルトース(麦芽糖)を加熱するとマルトールが生成できるそうです。カラメルソースは砂糖を加熱して作りますので、同じような工程といえるのでしょう。
カツラは雌雄異株で、成長すると20m以上の高さにもなります。高尾山の山中にもカツラの人工林があります。日本国内での巨樹としては山形県最上町の権現山のカツラが最大といわれ、樹高40m、目通り周20mにも及ぶそうです。
ちなみにカツラは桂という漢字を書きますが、中国ではキンモクセイなどモクセイの仲間のことを桂といい、桂林にもモクセイの木が多数あるそうです。
三鷹市内のカツラの木は、天文台内にある絵本の家のシンボルツリーとなっているほか、仙川平和公園(旧:仙川公園)に大木が数本あります。ぜひ、秋に訪れて黄葉の香りをお楽しみください。
- 参考文献
- 大人の園芸 濱野周泰監修 小学館