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ノスリ(鵟)ワシタカ科
作成・発信部署:都市整備部 緑と公園課
公開日:2017年8月21日 最終更新日:2023年6月2日
待ち伏せ猟の名人
ノスリは、全長55cm、ハシブトガラスと同じくらいの大きさのタカの一種です。頭や背面は茶褐色、胸からお腹は白っぽく、翼を広げた時の下面も白っぽく見えます。主にネズミやモグラ、カエルなどを採食するため、それらの小動物の多い、農耕地、草原、河原などでよく見かけます。草原の真ん中の木や杭などにとまってじっと地面をうかがって、獲物が現れるのを待つ、待ち伏せ型の猟をよく行います。飛翔にも長けていて、ある程度風のある日には、全く羽ばたかずに空中の一点にとまるホバリングという飛び方をして、地面に獲物が現れるのを待っていたりすることもあります。獲物を見つけると急降下して飛びかかります。
ノスリは、カモやハトを狩るオオタカと大きさは同じくらいですが、食性の違いからか、オオタカのようなタカらしい鋭さはあまり感じられません。日本ではトビに次いで多く、馴染み深いタカであると言われますが、三鷹市内で出会うチャンスはまれです。
2016年に行われた花と緑のまち三鷹創造協会主催の野鳥観察会では野川公園上空に何度も現れ、はるか上空でしたがカラスに追われながらも優雅な飛び方を楽しませてくれました。
最近、筆者が気になるのは高速道路の近くに待ち伏せして車に轢(ひ)かれる小動物を待っているノスリの姿をよくみかけることです。北海道の国道の脇でも同様の猟をしているノスリをみたことがあります。野生の動物たちの中には、人間の作り出す環境の変化によく適応してたくましく生きていくものがいます。もっともノスリ自身も車に轢かれるリスクを背負っているのですが。
- 参考文献
- 日本の野鳥 叶内拓哉解説 山と渓谷社