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ルリビタキ(瑠璃鶲)ヒタキ科
作成・発信部署:都市整備部 緑と公園課
公開日:2014年11月28日 最終更新日:2023年6月30日
【連載第71回】幸せの青い鳥
冬の雑木林をあるいていると、ヒッ、ヒッ・・・とさびしげな声で鳴くスズメ大の小鳥、ルリビタキをみかけることがあります。オスのきれいな青い姿は脳裡に焼付いてしまいます。路肩の石の上などにとまっては地面におりて何かついばんでいます。
フクロウなどを除く多くの鳥類は昼行性で、色彩視力が発達しており、オスが派手な色合いで、メスは地味な色合いのものが多いようですが、ルリビタキもオスは写真のように上面が青色、胸側と脇腹はオレンジ色、下面が白色と派手な色合いですが、メスは上面が地味なオリーブ褐色で下面の白、胸側と脇腹のオレンジ色、尾羽の青みがオスとの共通点です。繁殖期にオスはメスにアピールし、ほかのオスと縄張り争いをするため、美しい色合いをしており、メスはじっと巣で抱卵する時間が長いため、外敵に見つからないように地味な色あいをしているといわれていますが、写真のようにつぶらな瞳をしたルリビタキはオス、メスとも魅力的な小鳥です。
夏は亜高山帯の針葉樹林などで繁殖し、秋~春までは越冬のため、標高の低い地域に下りてきて、樹林地の周囲で生活しています。ヒッ、ヒッという地鳴きの声や、越冬期に単独で縄張りを持つ行動は、近縁種でシベリアから渡ってくるジョウビタキに似ています。
美しいオスに出会って双眼鏡で姿を追うとき、ベルギーのノーベル賞作家メーテルリンクの「幸せの青い鳥」を連想してしまいます。ブルーバードという車名の自動車もありましたね。
ルリビタキは三鷹市周辺でも野川公園や大沢の里周辺、井の頭公園、神代植物園など、まとまった面積の樹林地があるところで、運が良ければ見ることができます。
- 参考文献
- 日本の野鳥 解説:叶内拓哉 山と渓谷社