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ヒヨドリ(鵯)ヒヨドリ科
作成・発信部署:都市整備部 緑と公園課
公開日:2013年2月25日 最終更新日:2023年6月5日
都市に適応した代表的な野鳥!
公園などにバードウォッチング初心者のかたと出かけ、「あの鳥は何ですか?」と聞かれることが多いのは、なんといってもヒヨドリです。個体数が多く、よく目立つ行動や鳴き方をするからみなさんに注目されやすいのかもしれません。「ヒーヨ、ヒーヨ」と鳴くのでヒヨドリと名前が付いたともいわれますが、比較的さまざまな声を使い分けて鳴くので「あの声は?」と尋ねられることも多く、「ヒヨドリです」と答えると意外な顔をされます。
全長28センチメートルのヒヨドリはスズメよりだいぶ大きいのですが、体型がスマートで体色は全体が灰褐色です。よくムクドリと混同されますがムクドリは茶褐色で嘴がオレンジ色、ふっくらした体型です。
三鷹でも一年中見られ、庭などにもよく訪れますからご存じのかたが多いでしょう。かつて関東周辺では、冬になると北の地方から渡ってくる冬鳥でした。1970年頃からは繁殖するようになり、とても数が増えました。戦後、工場地帯の緑化などにトウネズミモチやトベラなどの公害に強い樹種がたくさん植えられました。こうした樹木の果実を越冬期の食糧として利用し個体数が増えたのかもしれません。繁殖場所も街路樹やマンションのベランダの植え込みなど、人間のすぐ近くの空間を巧みに利用するようになっています。
雑食性で植物の種子や花、昆虫や、時には小鳥の雛など様々なものを食べますし、2枚目の写真のように羽ばたきながら空中に停止するホバリングも得意で、ツバキの花の前でホバリングしながら蜜を吸ったり、飛んでいる羽虫を捕らえるなど器用な一面も持っています。このような習性をもち、都市環境を上手に使って数を増やす鳥=都市鳥の代表ともいえる鳥です。
また、甘いものが大好きで、ツバキやサザンカ、ウメなどの蜜を吸うので、嘴の周りが黄色くなるくらい花粉をつけ、昆虫の活動が少ない冬季の花粉媒介の一役も担っています。
- 参考文献
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- 都会の生物 解説:藤本和典 小学館
- 日本の野鳥 解説:叶内拓哉 山と渓谷社