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ユリカモメ(百合鴎)カモメ科
作成・発信部署:都市整備部 緑と公園課
公開日:2013年2月25日 最終更新日:2023年6月5日
国体のマスコット、東京都民の鳥は北から渡ってくる冬鳥
2013年に開催した第68回国民体育大会のマスコットキャラクター、ゆりーと君のモデルをご存知でしょうか?これは東京都民の鳥に指定されているユリカモメです。
日本の古典文学に登場する都鳥(みやこどり)は、シギの仲間のミヤコドリではなく、本種であるとされています。東京都民の鳥は昭和40年に一般からの投票を募り投票数の多かった本種に決めたそうです。
ユリカモメは、全体が白っぽく、背面はグレー、初列風切羽(翼の先端)が黒、くちばしと脚が赤と美しい色合いです。雌雄同色ですが、幼鳥は嘴が黄色です。春、北へ渡っていく頃になると換羽して、夏羽になると頭が濃いこげ茶色になります。イメージが大きく変わるので、別種?と思ってしまうかもしれません。全長約40センチメートル、翼を広げると約90センチメートルとカモメの仲間の中でも小型で、カラスより一回り小さいくらいの鳥です。
北半球に広く分布していますが、日本近辺ではシベリアやカムチャッカなどで繁殖し、日本には冬鳥として飛来します。汚れた水面にも適応しており、東京では東京湾や多摩川などを中心によく見られる鳥です。
普段は「ギッ」とか「ガーッ」と濁った声で鳴きます。飛びながら水面近くの餌を探し、空中2m位のところから急降下して小魚やゴカイなどを捕らえます。多摩川沿いに川をさかのぼり、奥多摩湖にまで行くこともあるそうです。昼間上流部に川をさかのぼったユリカモメは、夕方には群れになり河口付近まで下り、海上などの夜の休息場所に集結します。
写真は冬の多摩川で、群れで餌をとっているところです。群れでにぎやかに鳴きかわし、何度もダイビングを繰り返し、魚を追って移動していました。三鷹市内では野川や井の頭池などでまれに見ることができます。
- 参考文献
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- 府中の野鳥・動物ハンドブック 東京都府中市
- フィールドガイド 都会の生物 藤本和典 小学館