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カイツブリ(鳰)カイツブリ科
作成・発信部署:都市整備部 緑と公園課
公開日:2011年5月28日 最終更新日:2024年3月21日
飛ぶより潜るのが得意な鳥!
カイツブリは全長26cmの小型の水鳥です。雌雄同色で、夏羽は、頭が黒く顔から首にかけて赤褐色です(写真は夏羽)冬には全体に淡い色にかわります。関東地方では一年中みることができる留鳥です。潜水が得意で、体のかなり後ろの部分に水かきのついた大きな脚が目立ちます。水面にいるときは船のスクリューのように見えます。カモやウなどのほかの水鳥は陸上や水面の杭などに上がって休むこともありますが、カイツブリの場合はそのようなことはほとんどありません。また、飛んでいる姿を見かけることもとても少なく、筆者もまだみたことがありません。
水面に浮いていたかと思うと、あっという間に姿を消し、水中に潜ります。しばらくして少し離れたところに浮かんできますが、その時には小魚やエビなどをくわえているかもしれません。漢字名は鳰(におと読みます(カイツブリの古名))と書き、水に入る鳥という意味からきているそうです。滋賀県の琵琶湖は、この鳥が古くから多かったことから鳰海(におうみ)の別名があります。
井の頭自然文化園水生物館では水槽にカイツブリが飼われており、小魚を求めて水中を泳ぐ姿をじっくり見ることができます。1羽がなんと1日に100匹のモツゴ(本図鑑参照)を食べるそうです。
市内では井の頭公園の池で見られます。カモの近くの水面に浮いていることが多く、カモより一回り小さいので、子ガモかな、と勘違いしてしまうかもしれません。
井の頭池では古くから繁殖していますが、一時、ブルーギルやブラックバスなどの肉食の外来魚が放流され増加したことで、小魚が急減し、繁殖が難しくなっていましたが、かいぼりにより外来魚を減らしたことで小魚が増え、うれしいことに繁殖するカイツブリが増えているそうです。
写真は橋の上から撮ったカイツブリの巣の様子で、巣の上に3羽のひなが見えます。巣は水草を重ねて作られ、水の上に浮いている浮巣です。
- 参考文献
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- 日本の野鳥 山渓ハンディ図鑑 叶内拓哉著 山と渓谷社
- フィールドガイド日本の野鳥 高野伸二著 日本野鳥の会