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平成18年第12回教育委員会定例会会議録(2) 

作成・発信部署:教育委員会 総務課

公開日:2007年7月13日 最終更新日:2009年10月2日

平成18年第12回教育委員会定例会

日程第4 議案第46号 三鷹市教育ビジョンについて

廣瀬委員長

 日程第4議案第46号を議題といたします。

(書記朗読)

廣瀬委員長

 提案理由の説明をお願いいたします。

柴田教育部長

 本件は、三鷹市教育ビジョン(案)に対するパブリックコメントで出されました市民の意見を反映いたしまして、一部修正をした上で、ここに提案し、確定を図りたいと考えているものでございます。私のほうから策定までの経過と、主な修正点についてご説明をいたしまして、里吉指導室長から、パブリックコメントでの意見の概要と、それに対する教育委員会の考え方を説明させていただきたいと思います。
 まず、これまでの経過ですけれども、16ページをお開きいただきたいと思います。
 資料といたしまして、策定までの経過を新たに追加しております。平成17年4月19日に学識経験者4人で構成いたしました三鷹市教育ビジョン策定助言者会議を設置いたしました。この助言者会議では、7回の会議のほか、中間のまとめについてのシンポジウムを経まして、平成18年2月20日に三鷹市教育ビジョン策定に向けての提言、最終まとめを提出いたしました。その後、この提言を踏まえまして、本年8月11日の教育委員会定例会におきまして三鷹市教育ビジョン(案)を取りまとめ、この案につきまして、9月14日から10月23日までパブリックコメントを実施いたしました。また、その間に教育委員と小・中学校保護者代表との懇談会も開催いたしまして、教育ビジョンを含め、教育の今日的課題についての意見交換を行いました。これらの過程で出されました意見をできるだけ反映いたしまして、ここに最終的な教育ビジョンを取りまとめたものでございます。
 それでは、もとに戻りまして、表紙を1枚めくっていただきまして、「はじめに」の文章のところでございますが、下線が引かれたところが案からの修正箇所でございます。パブリックコメントの実施とその反映に努めたことを追加しております。
 続きまして、1ページをごらんいただきたいと思います。「三鷹市教育ビジョン策定の趣旨」の中で修正がございます。子どもたちや学校の現状分析の表現を修正しております。「自ら伸びる力をもちながら、それが十分に育成されない状況が現れてきています。便利で豊かな社会、人々の価値観や生き方が多様化する社会にあって、」を追加いたしまして、規範意識や学ぶ意欲の低下などの課題の背景にあるものを明確化いたしました。
 また、「さらに、長い不況下の中で拡大した」という言葉を追加いたしまして、NEET(ニート)やフリーターが拡大した社会的背景を加えました。さらに案では、「いじめや不登校等の子どもの健全育成にかかわる問題」という表現がありましたが、不登校は本心から欲しているものではないのに、これでは不健全と読めるというご指摘がございました。もっともなことでございますので、「不登校等」を「非行等」に改めました。あわせまして、6ページの他の箇所でも、その趣旨を生かした表現に修正をいたしました。
 次に、3ページをごらんいただきたいと思います。ここでは、「三鷹市教育ビジョンがめざす子ども像」として、人間力と社会力をうたっておりますが、人間力につきまして、案では、「三鷹市教育委員会では、『人間力』とは、文部科学省が現行の学習指導要領でいう、『生きる力』に加えて、『共に生きる力』をあわせ持ったものと定義します」としておりましたが、これに対して、生きる力では不十分だから、それに共に生きる力をつけ加える趣旨かという疑問が出されました。確かにそのような誤解を生む表現とも言えますので、この点を修正いたしました。学習指導要領でいう「生きる力」のねらいは、自ら学び自ら考える力を育成することということとともに、豊かな人間性や社会性、国際社会に生きる日本人としての自覚を育成することなどの幅広い内容を含んでおりますので、教育ビジョンでは、目指す方向をできるだけ明確に表現する必要がございます。そこで、生きる力をより明確にし、共に生きていく力を含むものというように修正をいたしました。このため、その後に続く、「具体的に言うと」という文章の中でも、その文脈で整理をし直しております。
 次に、6ページと7ページをごらんください。
 (3)基本的な力をつけるための多様な学習機会の提供の項でございますが、案で示しておりました、望ましい勤労観、職業観をはぐくむ機会の提供と、アントレプレナー教育(起業教育)の推進の二つの施策は、いずれもキャリア教育としての望ましい勤労観、職業観をはぐくむためのものでございますので、このことをよりわかりやすくするために、一つの文章に整理をし直しました。項目二つあったものを、一つに整理し直しました。
 これまで2年度にわたって教育ビジョンの策定に取り組んでまいりましたが、この間、保護者、市民の皆さんから多数の貴重なご意見をいただきましたことに感謝の意を表したいと思います。
 私からの説明は、以上でございます。

里吉指導室長

 それでは、私のほうからは、「三鷹市教育ビジョン(案)」に対する市民の意見(概要)と教育委員会の考え方につきまして、ご報告をさせていただきます。先ほど部長のほうからご説明のあったところにつきましては、省略をさせていただきたいと思っております。
 まず、パブリックコメントの実施期間でございますけれども、平成18年9月14日から10月23日までの40日間ということで実施をいたしまして、意見提出をしていただいた方は31名でございます。提出された意見数は84件でございました。
 提出の方法につきましては、ファクスでのご意見が17名、電子メールでのご意見が6名、郵送が6名、直接口頭でいただいたご意見が2名でございます。
 それでは、市民からの意見の概要と、その意見に対する教育委員会の考え方につきまして、資料をもとに説明をさせていただきます。
 まず、1ページ、2ページにつきましては、先ほどの部長のご説明のとおりでございます。
 3ページの三鷹市教育ビジョンの基本方針をごらんください。基本方針に対する市民からの主な意見といたしまして、学校運営と学校経営の文章表現について、経営という視点を強調することは、採算やムダが問題となり、効率化が要求され、「落ちこぼれ」が切り捨てられることにつながるといった心配、また校長先生の権限が拡大するのかという質問が寄せられました。
 教育委員会の考え方といたしましては、学校経営とは、組織目的の実現に向けて、責任をもって主体的かつ効率的に組織を動かしていくという趣旨で使用しておりまして、創意工夫により特色ある教育活動を展開するためには、学校の権限が強化され、「運営」から「経営」への転換が必要であることから使用したこと、また自律と責任のある学校を実現することで、教育の充実を図れるものと考えており、子どもたちの教育に企業の営利主義や競争を持ち込む趣旨ではないことについて回答してございます。
 「安心と信頼のある学校」につきましては、5ページをごらんいただきたいと思います。
 主な意見といたしまして、現行の6・3制を崩して、9年間を一つの校舎で生活する必要性、小学校と中学校では根本的にカリキュラムが違うのに、一貫カリキュラムにすることへの意義、小・中一貫教育にすることがエリート教育につながるなどの意見がございました。こうしたご意見につきましては、三鷹市が取り組んでいる小・中一貫教育校について、まだ十分理解されていない部分があるということで、小・中一貫教育校の学習効果、また現行の6・3制を崩さずに、学習指導要領の範囲内で教育活動を行う意義について、教育委員会の考え方として説明をしてございます。
 7ページをごらんください。にしみたか学園の実践と検証にかかわりまして、にしみたか学園の検証がすべて終了していない段階で小・中一貫教育を全市展開することへの批判、現場の声を十分聞きながら検証するようになどの意見がございました。教育委員会の考え方といたしまして、現在、教育委員会で検証委員会を設置しており、検証に当たっては、現場の教員からのヒアリング、また保護者、児童・生徒からのアンケート調査を実施し、その成果、課題、改善方法等について十分に検証していくことについて説明をしてございます。
 次に、9ページをごらんください。特別支援教育にかかわりまして、特別支援教育にもっと重点を置いてほしいとの意見がございました。教育委員会としまして、今年度中に策定をする三鷹市特別支援教育推進計画を踏まえ、重点化していくということについて、回答してございます。
 次に、10ページの「自律した学校」をごらんください。
 この項目につきましては、主な意見といたしまして、校長にかなりの権限が与えられることへの危ぐ、また学校運営協議会の導入により、教員の人事権の行使や学校運営協議会委員の選出基準の明確化、児童・生徒や教員も構成メンバーに入れてほしいなどの意見がございました。教育委員会の考え方といたしまして、学校運営協議会は法に定められた制度で、校長が作成をした学校運営の基本的な方針等を承認し、教員等の人事に関する意見を述べることができるという、委員にとっては一定の権限と責任を持つものであり、校長も独断で学校運営を行うことができず、校長の権限は適正に実施されるものであること。また、協議会委員の選出基準や構成メンバーにつきましては、三鷹市教育委員会が定めました、三鷹市公立学校における学校運営協議会に関する規則に基づきまして、校長が地域の人や有識者を推薦して、教育委員会が任命し、教員の代表も入ることができること。児童・生徒や教職員の声は、協議会委員との懇談会や学校評価などのアンケートで反映させていくことができることなどについて回答してございます。
 それでは、14ページの「地域と共に創る学校」をごらんください。
 この項目につきましては、学校が使用していない施設を地域に開放していくより、部活動など、学校に通学している児童・生徒の生活を充実させてほしいという意見がございました。教育委員会の考え方としまして、学校の持っている教育資源を家庭や地域の学びの場として提供し、学校は家庭や地域と一体となり、共に学び、共に成長するためのコミュニティの拠点とするという考えですが、当然ながら、部活動や学校行事が最優先されることを回答してございます。
 同じく14ページの「情報共有のためのモニタリングシステム」につきましては、情報共有のためのモニタリングシステムは、管理と統制の強化につながるようなシステムであり、特色ある学校をつくるために、学校間の競争につながる危険性があるという意見がございました。この点につきましては、質の高い教育を提供するためには、計画、実施、点検、改善の一連のサイクルを実施する上で、必要な情報をいつでも保護者、地域住民等から収集し、活用できるシステムを構築していくことが必要であると回答してございます。
 15ページ以降の教育ビジョン全般につきましては、さまざまな視点からご意見をいただいておりますが、教育ビジョンを作成するに当たり、教育基本法を遵守すること、また教員の声を反映させること、教育現場の忙しさを改善して、教職員が安心して子どもたちに授業ができる条件を整備することなどについての意見がございました。教育委員会の考え方としましては、この教育ビジョンは教育基本法をはじめとする現行法制度のもとに作成されており、教育ビジョンに盛り込まれた施策の実現に当たっては、保護者、地域、教員の声を反映させながら進めていくこと、また、子どもたちを取り巻くさまざまな教育課題が学校に集約されている現状において、学校だけですべてを解決することには限界があるので、地域が学校を支えるコミュニティ・スクールを導入することにより、このような課題への対応策の一つとして考えているということについて、回答してございます。
 以上が市民からの意見の概要と、その意見に対する教育委員会の考え方でございます。

廣瀬委員長

 どうもありがとうございました。
 以上で提案理由の説明が終わりましたが、委員の皆様のご質疑等ございますでしょうか。

柴田教育部長

 昨日、共産党の三鷹市議団のメンバーで4人来られまして、教育長のほうに教育ビジョン(案)についての申し入れということで、10項目、申し入れをいただきました。申し入れというか、要望という趣旨ですね。ご参考までに配付をさせていただきたいと思います。

廣瀬委員長

 それでは、二、三分間、これを読んでいただきましょう。
 さて、ひととおりごらんになりましたか。
 今、参考までにということで資料を配られましたけれども、いかがいたしましょうか。

磯谷委員

 よろしいですか。
 これからの手続的なところですけれども、これは議会で何か審議をされるものなんでしょうか。

柴田教育部長

 これは特に議案として議会のほうに提案するものではございません。12月議会の文教委員会に教育委員会として教育ビジョンを策定したという報告をいたします。

貝ノ瀬教育長

 案の段階でも、文教委員会でこの内容を説明し、そしてご意見をいただいておりますし、また、きょう決定されれば、そのことについても、また文教委員会で報告をしてご理解いただくという作業がありますが、どちらにしても、教育委員会が責任を持って決めるという性質のものですので、報告はいたしますけれども、議決をお願いするようなことはございません。

廣瀬委員長

 きのう付で出された申入書ですが、パブリックコメントを40日間実施して、その締め切りが10月23日であったわけです。その後もいろいろ検討しまして、本日、審議して、承認という予定でいるのですが、ここでパブリックコメントを公式に延長したということではございませんので、これはいただきましたけれども、部長がおっしゃったように参考にするということで、今回ここで、本日、議案どおり審議して、議決することでよろしいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 では、内容について、ご意見、変更点等も含めましてですけれども、先ほどご説明いただいたことについて、ご意見等なければ採決いたしますが、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

廣瀬委員長

 それでは、議案第46号 三鷹市教育ビジョンについては、原案のとおり可決することにご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

廣瀬委員長

 ご異議なしと認めます。本件は原案のとおり可決されました。

日程第5 教育長報告

廣瀬委員長

 それでは、引き続きまして、日程第5の教育長報告に入ります。
 報告をお願いいたします。

貝ノ瀬教育長

 では、私のほうから、簡単に2点ばかりご報告させていただきます。
 まず、さきの教育委員会でもご報告いたしましたが、11月11日にみたか教師力養成講座、第1回目、開講式が行われました。受講生23名全員参加をいたしまして、私のほうで小・中一貫教育とコミュニティ・スクールを進める三鷹の教育の考え方、そして教師としての心構えなどを、体験談を入れながら、お話をさせていただきました。
 また、この教師力養成講座を受講したからといって、必ず三鷹市の教員に採用されるということを保証するものではないというお話もさせていただいておりますが、全15回予定しておりますけれども、ウイークデーはインターンシップで各学校に入っていただくということで、頑張っていただくようにお話ししました。23名全員、一人ひとりお話を伺いましたけれども、皆さん、非常に気力、熱意にあふれていまして、これは大変期待できるなと、そういう実感でございます。また、先生方も機会があれば、ちょっとのぞいていただいたりなどして、ご指導いただければと思っております。よろしくお願いいたします。
 2点目は、後ほど各課報告の中で触れられると思いますけれども、天文台の古墳ですね。生涯学習課のほうでくわしくお話がありますが、私、都のほうの東京文化財ウイーク2006推進委員会委員というものに任命されておりまして、その関係で、11月11日に、隣の府中の熊野神社にあります古墳を見せてもらって、またいろんな、国分寺跡とかも含めて、あちらこちら見せてもらったんですが、その後、11月21日に天文台の古墳を見せてもらいまして、これは説明を聞きながら納得したんですが、上円下方墳ではないかということで、まだ確定はしていないようですけれども、上円下方墳であれば、非常に珍しいタイプの古墳であるということのようでございまして、大変貴重なものであるということであります。
 また、興味深いことに、八王子の古墳と石室が天文台の古墳と非常に似ているということ、そして、さっき申し上げました府中の熊野神社の古墳が上円下方墳というふうなことで、三鷹の天文台の古墳と府中の古墳と八王子の古墳が非常に共通性があるんではないかということです。そんなことで大変興味深いんですが。
 また、これは説明の中で、地図にその三つを落としていきますと、一直線につながっていく。非常に興味深い位置にあるんです。ですから、これは何を意味するのか、今後の解明ということになるんでしょうけれども、考えれば考えるほど、夜眠れなくなるような、おもしろい、興味深いことなんです。そういう大変貴重なものが発見されたということで、ご報告申し上げます。
 以上です。

竹内総務課長

 それでは、一般行政報告に移らせていただきます。総務課です。
 24ページ、行事実績等報告につきましては、記載のとおりでございます。
 次の25ページでございますが、11月26日の日曜日に「みたかの教育」を発行しております。今回はいじめ対策の強化、秋山委員のコラム、それから、あした、あさってと開催されます社会教育会館のつどい、4面には、作家の吉永みち子さんの執筆によりますコラムを掲載したところでございます。ごらんいただきたいと思います。
 それから、12月に入りましたけれども、来週の5日から22日まで、第4回市議会定例会が開催されます。12日に文教委員会が予定をされているところでございます。
 以上でございます。

大島総務課総務教育センター担当課長

 教育センターでございます。26ページの行事実績等報告については、記載のとおりでございます。
 27ページの行事予定等報告につきまして、12月9日ですが、科学発明教室のBと、科学発明教室の講演会を午前、午後でやる予定でおります。
 なお、科学発明教室につきまして、Aのほうは既に終わっておりまして、このようなものを子どもたちがつくりましたものですから、ちょっとここでご紹介したいと思います。
 これはエジソン式のコップ型蓄音機というものでございます。子どもたちがこれを非常に活発につくって、本当に喜んで持って帰ったということを、ご報告申し上げたいと思います。
 以上です。

吉岡施設課長

 続きまして、施設課でございます。28ページの行事実績等については、記載のとおりでございます。
 29ページの行事予定等報告でございます。(2)の工事監督の7番目、第一小学校のプール改修工事でございますが、この工事につきましては、本年度予定しておりました一小スーパーリニューアルの工事が不調になったために、分離して行って、入札を再度行いました。また不調という結果になってしまいましたので、こちらについて削除をお願いしたいということで報告させていただきます。
 なお、この工事につきましては、来年度一括して再設定するか等も含めまして、今、検討、調整しているところでございます。また、その状況がわかり次第、報告をさせていただきます。
 以上でございます。

「平成18年第12回教育委員会定例会会議録(3)」へ続く

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