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コゲラ(小啄木鳥)キツツキ科
作成・発信部署:都市整備部 緑と公園課
公開日:2023年4月25日 最終更新日:2023年6月5日
連載第16回
2月の厳しい寒さの中、落葉樹の林は葉を落として、枯れているようにも見えます。でも、よく見ると木々は冬芽をつけ、春の訪れを待っています。
そんな中を賑やかに鳴き交わしながら、小鳥の群れが移動していきます。シジュウカラを中心としたカラ類の混群です。混群とは、複数の種が混ざって群れをつくることです。
コゲラはこの群れの中で、枯れた幹や枝に写真のようにたてにとまり、コツコツと辺りに響く音を立てながら虫を探すスズメ大の小さなキツツキです。時折「ギィー」と、「油の切れた扉を開けるような音」と表現される特徴ある声をあげ、敏しょうに動いていきます。
市内では、住宅地で見かけることも多く、庭木の枯れ枝などに穴を開け、営巣することがあります。キツツキというと森の中にいるイメージが強いと思いますが、コゲラは30年ほど前から、都内の市街地でも普通に見かけるようになりました。まちのなかに緑が増え、同時に餌場や営巣場所となる枯れ木も増えた結果ではないか、といわれています。樹木の幹に穴を開け、木を枯らしてしまう穿孔虫(カミキリムシの幼虫など)を主に食べるコゲラは、緑を守る救世主といえます。
キツツキの仲間がたてにとまり、木を強く叩いたり、つついたりすることができるのは、2本の足としっかりした尾羽により3点支持をしているからです。この尾羽に触れると、まるで紙ヤスリのようにザラザラしていて、下に滑りにくくなっています。さらに、足指も2本ずつ対になっており、しっかりと幹の凹凸をつかむ構造になっています。
春、繁殖期を迎えて、多くの小鳥たちのオスが美しい声でさえずるのと同じように、キツツキの仲間は、枝や幹を激しく叩き、タララララ…という音をたてる「ドラミング」という行動をします。
寒さの中、自然はしっかりと息づいています。葉の少ないこの時期は野鳥の姿を見るのに最適な時期です。お近くの雑木林に出かけてみませんか?
- 参考文献
- 野鳥 唐沢孝一監修 カラー図鑑JTBブックス 日本交通公社