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オオバン(大鷭)クイナ科
作成・発信部署:都市整備部 緑と公園課
公開日:2022年4月1日 最終更新日:2023年6月2日
全国で増加!水陸両用の水鳥
オオバンは、体全体が真っ黒でくちばしと額が白く、全長30~40cmほど、ハトより少し大きいくらいの水鳥です。外見上雌雄の区別はつきません。
水に浮かぶ姿はカモに似ていますし、カモの仲間とともに行動したりしています。陸に上がったところなどをよく見るとカモとの違いがよくわかります。
嘴はカモのように平たくなく、とがっています。また、カモの水かきは足の指と指の間が膜でつながった構造をしていますが、オオバンの水かきは一本ずつの指の両側が平たくなっている形状(弁足といいます)になっています。よく似て嘴の赤いバンとともにツル目クイナ科に属していますが、バンの足指には水かきはありません。
オオバンは歩くのも得意で、草をついばみながら比較的速く移動し、泳ぎながら水草や小動物を食べるのも得意です。いわば水陸両用の体といえるかもしれません。もちろん上手に飛ぶこともできます。「キョン・キョン」とか、「キュウ」と聞こえるような声で鳴きます。
1960年代までは秋田県以北で繁殖し、越冬期には西日本を中心とした地域に渡ってくる鳥だったそうです。徐々に日本での生息分布を拡大し、1990年代以降は全国で繁殖・越冬するようになってきました。なぜ増加してきたのかはっきりしていませんが、越冬個体が増えてきたのは大陸のロシア、モンゴル、中国全土の繁殖地での繁殖成功率が高まっているのではないか、と推測されています。温暖化の進展でこれらの繁殖地の水草の成長が旺盛になっているため、食料に恵まれている可能性もあるのではないでしょうか。
三鷹市周辺では、武蔵野の森公園、井の頭恩賜公園の池などで観察することができます。
参考文献:オオバンは全国的に増加、ところにより減少 バードリサーチニュース