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ウグイスカグラ(鶯神楽)
作成・発信部署:都市整備部 緑と公園課
公開日:2020年3月20日 最終更新日:2020年3月20日
【連載第95回】ウグイスが囀りだすころに花が咲く
ウグイスカグラはスイカズラ科の高さ2mくらいになる低木で、雑木林の林床などによく見られます。葉は対生で、普段はあまり目立たない植物ですが、3月初旬ごろ、まだコナラやイヌシデなど、雑木林の木々が芽吹く前に花を咲かせます。早春の林の中、小さなピンクの五角形の合弁花が釣鐘のように咲いているのに気づきます。
ウグイスカグラの名前の由来には、ウグイスが囀り始めるころに花が咲き、ウグイスが隠れる、から「ウグイスガクレ」がウグイスカグラになった、という説や、実を食べるウグイスの様子が神楽を舞うようだから、などの諸説があるそうです。
早春の日、暖かさに誘われて動き出したばかりの昆虫たちの蜜源となり、花粉媒介のチャンスを得ます。写真はコガタホオナガヒメハナバチが採蜜しているところです。このハチは、ウグイスカグラをほぼ専門的に訪花するハチで、ウグイスカグラヒメハナバチの別名もあります。ウグイスカグラの細長いラッパのような花形態に適応して、口吻がほかのヒメハナバチに比べて長く進化しています。(口吻とは吸蜜のためのストローのようになっている口の部分です。)
花とハチの関係はこのように専門化している場合が見られ、生き物の世界は実に巧妙なバランスで成り立っていることがわかります。後ろ足に黄色く目立つものは花粉団子です。