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ヒグラシ(蜩、日暮 カメムシ目セミ科)

作成・発信部署:都市整備部 緑と公園課

公開日:2018年8月15日 最終更新日:2019年1月8日

画像:木にとまるヒグラシ(拡大画像へのリンク)

木にとまるヒグラシ

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【連載第89回】涼しさを感じるセミ

 夕暮れ時に、カナカナカナ・・・・と甲高い声で鳴くヒグラシの声を聞くと、夏も終わり。そんなイメージは日本人共通のものかもしれません。秋の季語にもなっており「寒蝉」という字をあてているそうです。晩夏の夕暮れに鳴くという印象の強いセミがヒグラシですが、実は梅雨時の6月下旬頃から発生し、9月下旬まで見られます。暑い時間帯には鳴かず、涼しい朝や夕方に鳴くことが多いために、そんなイメージが定着しているのでしょう。真夏の暑い日中でも一転にわかに掻き曇り厚い雲に覆われ、暗くなったりするとヒグラシが鳴くことがあります。

 ヒグラシの体長はオスで28~38mm、メスで21~25mmほど、中型の美しいセミです。鳴くオスの方は共鳴室が発達していて腹部が長いので、オス・メスの区別が比較的わかりやすいです。ちなみにどのセミもオスのみが鳴きます。アブラゼミやニイニイゼミのやかましい声は暑さを倍増させますが、涼しげなヒグラシの声はファンが多いのではないでしょうか。いずれにしても求愛の歌だと思って我慢しましょう。

 セミは吸汁性昆虫といって、アブラムシやカメムシの仲間です。口が口吻(こうふん)というストローのような構造になっていて、それを幹や茎に差し込み木や草の汁を吸っています。セミが飛び立った後の樹皮に小さな穴が開いていて、そこから樹液が滲んでいることがあります。堅い木の樹皮に穴をあけて養分を送っている師管まで貫通させて樹液を吸うのですから、ずいぶん頑丈な口吻なのでしょう。

 セミは種によって好む環境が異なるようで、アブラゼミやミンミンゼミは木があれば比較的どこでも見られますが、ツクツクボウシやヒグラシは毎年限られた同じ場所に発生するようです。たくさんのヒグラシが同調して輪唱のように鳴くのは見事で、聴きごたえがあります。筆者は調布の深大寺で聴くのを毎年楽しみにしています。

参考文献
都会の生物 藤本和典解説 小学館

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