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ウソ(鷽)アトリ科
作成・発信部署:都市整備部 緑と公園課
公開日:2023年4月10日 最終更新日:2023年6月2日
真っ赤なウソ?!
ウソは全長16cm、スズメより少し大きめの小鳥で、写真のように頭が黒く背中がグレー、雄は頬とのどの部分が紅色、雌は腹部全体が灰褐色にみえるシックな色合いです。また、体全体がふっくらとして見え、寒いときには羽毛に空気をため込み保温しますので一層丸く見えます。
関東の平地には越冬期に姿を見せます。繁殖期の春~夏の間は、亜高山帯の針葉樹林や北海道などに生息していますが、冬季になると標高の低い場所へ移動し、群れで生活します。
植物の種子などを好んで採餌し、昆虫類なども食べます。桜、特にソメイヨシノの花芽を好んで食べることから、桜の名所では嫌われます。3月、積もった雪の上に春を感じて膨らみ始めた花芽がついばまれてたくさん落ちているのを見つけたら、ウソの仕業かもしれません。
三鷹市内では、冬季野川公園や井の頭公園などの大きな面積の樹林地があるところで見かけることがあります。「フィ、フィ」と口笛のような声で鳴きますが、この鳴き声からウソという名前になったそうです。昔は口笛を吹くことを嘯く(うそぶく)といったのだそうです。
ちなみに普通のウソよりさらに胸から腹までが赤く美しいアカウソやベニバラウソという亜種が渡来することもあります。筆者は都立水元公園でアカウソを観察したことがあります。バードウォッチャーにとってあこがれの鳥でもありますが、まさに真っ赤なウソです。
また、菅原道真を祭った天満宮神社においては、1月25日に鷽替え祭りが開催されます。木彫りのウソの人形を新しいものを交換する祭事ですが、これは鷽が嘘に通じることから、前年の凶や災厄を噓(鷽)に替え、本年は吉となることを願って行われるそうです。日本にはこのような「言葉の遊び」がたくさんあります。都内では湯島天神(文京区)等で行われます。新年の初めに学問の神様を詣でるのもよいですね。
- 参考文献
- 日本の野鳥 叶内拓哉解説 山と渓谷社