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アオバズク(青葉梟)フクロウ科
作成・発信部署:都市整備部 緑と公園課
公開日:2012年6月20日 最終更新日:2023年6月2日
【連載第65回】青葉のころにわたってくるフクロウ
5月の爽やかな風が吹くと街の中でもツバメの姿を見るようになります。夏鳥として南からわたってきて、日本で繁殖するのです。野山では青葉が茂ってきて、だんだん緑が濃くなる季節ですが、ツバメと同じく夏鳥として渡ってくるフクロウの仲間がアオバズクです。
アオバズクはズクという言葉が付くので、ミミズクの仲間かな、と思いますがミミズクの特徴である耳羽はありません。ズクを漢字で書くと「梟」ですから青葉のころに渡ってくる梟という意味です。全長29センチメートル、ハトより少し小さいアオバズクは、里山や、住宅地内の神社林などで、大木の洞(うろ)に営巣し繁殖します。都市化の影響で洞があるような大木が減り、営巣場所がなくなってきたこと、餌となる大型昆虫の減少などが影響しているのか、東京近郊では減少しています。また、越冬地の熱帯林の伐採も影響しているという情報もあります。
三鷹でもかつては農家の屋敷林などで身近に見ることができた鳥だと思います。現在では、見ることが難しくなってしまいましたが、一昨年の8月下旬の夜、市内で、アオバズクの「ホウ・ホウ、ホウ・ホウ」と2声ずつ鳴く懐かしい声を聞くことができました。市内でこの声を聞いたのは初めてだったのでとてもうれしくなりました。アオバズクは緑の環境を図るバロメーターです。戻ってきてくれるといいですね。
- 参考文献
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- 府中の野鳥・動物ハンドブック 東京都府中市
- フィールドガイド 都会の生物 藤本和典 小学館