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エナガ(柄長)エナガ科
作成・発信部署:都市整備部 緑と公園課
公開日:2023年4月10日 最終更新日:2023年6月2日
【連載第63回】雑木林の人気者
寒い時期、雑木林の中などを歩いていると、ジュルリ、ジュルリと鳴くエナガの群れに出会うことがあります。尻尾が長く、全長は約14cmとスズメ大ですが、体の大きさはずっと小さい小鳥です。ちょうど、小さな真綿のかたまりに長い柄をつけたような感じに見えます。「柄長」という名前もここからきています。写真のように可愛らしい姿なので、野鳥の好きな方の間でもとても人気があります。しかし、ちょこちょことよく動きまわるので、じっくり観察するチャンスはなかなかありません。シジュウカラやメジロ、コゲラなどの小鳥たちと混群(こんぐん)をつくることも多く、十数羽から百羽以上の大群になることもあります。静かな冬の雑木林でこうした小鳥たちの群れに出会うと、とたんににぎやかになります。
エナガは、春、3月のまだ寒い時期から繁殖のための巣作りを始めますが、主な材料にはコケを使い、蜘蛛の巣の糸で上手にまとめます。木の又の部分に作られた巣をみたことがありますが、木の幹にうまくカモフラージュされていました。エナガが巣に使うコケの仲間は大気汚染の進んだところにはあまり見られないので、エナガが営巣するかどうかを環境指標とする考え方があります。
幸い、ここ十数年の間に三鷹でエナガを見る機会は増えているようです。野川公園や井の頭公園、丸池公園など、緑の多い場所で出会うことができる小鳥です。
- 参考文献
- 都会の生物 解説:藤本和典 小学館