ここから本文です
トラツグミ(虎鶫)ヒタキ科
作成・発信部署:都市整備部 緑と公園課
公開日:2010年1月5日 最終更新日:2023年6月5日
鵺(ぬえ)の鳴く夜はおそろしい? トラツグミ
トラツグミは体長29.5cmほどの大型のツグミで、ハトより少し小さいくらいです。トラツグミの名は黄褐色の体に黒い横班があり、トラの模様を連想させることからついたのでしょう。
林や藪の中で、落ち葉をひっくり返しながらミミズなどの小動物を見つけて食べます。繁殖期には巣で待つ雛のために、たくさんのミミズを一度に咥えて運んでくるそうです。
トラツグミは、その姿が印象的であることとともに、美しいさえずりをする種類の多いツグミの仲間でありながら、とても変わった鳴き方をすることでも知られています。「ツィー、ヒョー」と細く澄んだ金属的な声で、曇りの薄暗い日や夜によく鳴くので、とても不気味な感じがするのです。このため、昔は伝説上の怪物である鵺(ぬえ)が鳴いている、と考えられていたそうで、現代でも時折、「得体の知れない音がする」と大騒ぎになることがあります。森の闇の中から、ちょうどブランコのきしむような音が聞こえると不気味に感じるのも無理はないかもしれません。
多摩地域では、11月頃から5月ころまでの越冬の時期に山地から降りてきているようですが、姿を見ることはなかなか難しく、筆者も市内では、大沢の里のワサビ田のわきの藪の中で餌を探す姿を一度だけみたことがありますが、この虎斑模様はなかなか印象的でした。
- 参考文献
-
- フィールドガイド 日本の野鳥 高野伸二 (財)日本野鳥の会
- 野鳥 カラー図鑑 監修 唐沢孝一 JTBブックス