ここから本文です
ニホンヤモリ(守宮、家守、屋守)
作成・発信部署:都市整備部 緑と公園課
公開日:2009年2月16日 最終更新日:2009年3月1日
【連載第20回】窓ガラスに張り付く影
気温が高くなって、電灯の光に誘われた蛾や羽虫が自動販売機などに集まるようになってくると、体長10cmほどのヤモリがガラスに張り付いている姿を見かけます。ヤモリはトカゲと同じ爬虫類の仲間で、トカゲと同じく敵に捕まると、しっぽを切って逃げる「自切」をするそうです。
ヤモリの足の裏は指下板と呼ばれるうろこに覆われています。指下板の先端にはかぎ状になった細かい毛が生えており、この部分で起伏を捉えることで、垂直面や天井などを逆さになって歩くことができます。
漢字名にあるように、日本では昔から家を守ってくれる存在として大事にしていたそうです。家に集まる虫を食べてくれるから、ということがあるのでしょう。
ニホンヤモリは自然の森にはすまず、人家の周囲で暮らしています。元来日本にすんでいたのではなく、ユーラシア大陸などから物の運搬の際に移入し、人家の周りで生き延びてきたのではないかというのが定説です。もともと熱帯などに適しているヤモリは寒さに弱く、寒さの厳しい地方では越冬場所を民家の屋根裏や壁のすき間など、比較的暖かい場所に頼っているそうです。
この写真は、4月に井の頭で樹木の支柱を外しているとき竹ざおから出てきたのを撮ったものですが、まだ冬眠中だったのかもしれません。大沢の里でサワラの木の皮の中で冬眠しているのを見たことがあります。
近年は密閉性の高い家屋の増加ですみにくくなったかもしれませんが、温暖化が進むと、ヤモリにとっては屋外での生活がしやすくなるのかもしれません。
- 参考文献
-
- 府中の野鳥・動物ハンドブック 府中市
- 動物たちの地球102 両性類・爬虫類[6] 朝日新聞社