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アブラゼミ(油蝉)
作成・発信部署:都市整備部 緑と公園課
公開日:2009年2月16日 最終更新日:2009年3月1日
【連載第10回】成虫時代の寿命はたった2~3週間!
アブラゼミは私たちに最もなじみの深いセミといえるでしょう。セミの仲間は羽が透明のものが多いのですが、このアブラゼミは色が黒っぽく、羽が赤褐色なので、飛んでいる時にもよく目立ちます。そのせいかヒヨドリやカラスなどに捕らえられることも多いようです。このように羽が透明でないセミというのは世界的にも珍しいそうです。
セミは6~7年といわれる長い幼虫時代を地中で過ごしますが、地面に出てきて成虫になると、わずか2~3週間ほどで死んでしまいます。その短い成虫時代に雌雄が出会って交尾し、産卵を行います。鼓膜と呼ばれる膜を振動させ大きな音で鳴くのはオスがメスと出会うためなのです(メスは鳴きません)。
セミの仲間は半翅目(はんしもく)に属し、カメムシなどと近い関係にあります。この仲間は口吻(こうふん)というストロー状の口を持ち樹液や小動物の体液を吸います。セミも幼虫時代には樹木の根、成虫時代には幹や枝から樹液を吸います。都市は夜中でも照明が明るく、気温も下がらないため、夜にセミが鳴くことも増えているようです。ジリジリ…と聞こえるアブラゼミの声は熱帯夜の暑苦しさを増してしまうかもしれませんね。
アブラゼミの名前の由来は羽が油に濡れたような色であるから、というものと、油で何かを揚げているような音を出すからという2説があるようです。夏の夜、長い幼虫時代を終えて樹上で羽化する様子は、白く輝きとても神秘的です。夏休み、夕方に樹木の根元で幼虫を見つけ、観察してみてはいかがでしょう。
- 参考文献
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- 野山の昆虫 今森光彦 山と渓谷社
- 学研の図鑑 昆虫 学習研究社