緑と水の公園都市 三鷹市
このページは広報みたかのバックナンバーです。 応募・募集・申込期限が終了している場合がありますのでご注意ください。

広報みたか2008年1月1日1面

■太宰に触れる 三鷹の風景を読む

 三鷹に住み、数々の傑作を生み出した太宰治。彼には、三鷹を舞台にした作品がいくつもあります。多くの教科書に登場する「走れメロス」にも、当時の三鷹の情景が映し出されているのではないかと言われています。
  今年は太宰治没後60年。この機会に彼の作品に触れてみませんか。今の三鷹の風景と重ねて読むと、新しい発見があるかもしれません。

 私は早速、三鷹の馴染のトンカツ屋に案内した。そこの女のひとが、私たちのテエブルに寄って来て、私の事を先生と呼んだので、……甚だ具合いのわるい思いをした。 『帰去来(1943年)』
太宰の作品には、三鷹駅周辺の飲食店がたびたび登場します。また、「駅から、三曲りも四曲りもして歩いて二十分以上かかる畑地のまん中」、現在のみたか井心亭の近くには彼の居宅がありました。写真は太宰がよく歩いた本町通り。道沿いには今年3月、太宰治文学サロンがオープンします。

 吉祥寺で降りて、本当にもう何年振りかで井の頭公園に歩いて行って見ました。……坊やを背中からおろして、池のはたのこわれかかったベンチに二人ならんで腰をかけ、家から持って来たおいもを坊やに食べさせました。 『ヴィヨンの妻(1947年)』
  数々の太宰作品に登場する井の頭公園。『ヴィヨンの妻』に描かれているのは、戦時中に「池のはたの杉の木が、すっかり伐り払われて、何かこれから工事でもはじめられる土地みたいに、へんにむき出しの寒々した感じ」の、今からは想像もつかない公園の姿です。

 毎日、武蔵野の夕陽は、大きい。ぶるぶる煮えたぎって落ちている。……ここは東京市外ではあるが、すぐ近くの井の頭公園も、東京名所の一つに数えられているのだから、この武蔵野の夕陽を東京八景の中に加入させたって、差支え無い。 『東京八景(1941年)』
  写真は、三鷹電車庫の上に架かる跨線橋から見た夕陽。この陸橋は、太宰が好んで訪れた場所です。彼が、「メロスは胸の張り裂ける思いで、赤く大きい夕陽ばかりを見つめていた。走るより他は無い」と書いたとき、こんな夕陽が脳裏にあったのではないでしょうか。

 私は、家の方角とは反対の、玉川上水の土堤のほうへ歩いていった。……玉川上水は深くゆるゆると流れて、両岸の桜は、もう葉桜になっていて真青に茂り合い、青い枝葉が両側から覆いかぶさり、青葉のトンネルのようである。 『乞食学生(1940年)』

  当時の玉川上水は今と違って流れが速く、地元の人たちは「人喰い川」と呼んで恐れていたそうです。メロスが「ざんぶと流れに飛び込み、・・・押し流されつつも、見事、対岸の樹木の幹に、すがりつく事が出来た」という濁流は、そんな玉川上水をイメージしたものかもしれません。

参考文献 山本貴夫「太宰治と三鷹」(『太宰治展─「斜陽」の時─』・1992年・三鷹市文化振興事業団)
      渡部芳紀「三鷹太宰文学散歩」(『没後50年太宰治展─心の王者─』・1998年・三鷹市教育委員会)

※詳細はPDFをご覧ください。


■市長コラム「今こそ、心新たに、『高環境・高福祉』のまちづくりを」

三鷹市長 清原慶子

 新年を迎え、皆様のご健勝とご多幸を心からお祈り致します。
  今、日本は世界有数の経済大国と位置づけられているにもかかわらず、若い世代を含む失業者の増大や所得格差、国の社会保障制度改革の影響等に対する人々の不安は拡大してきています。
  私たちが多くの課題に直面している今、市制施行後58年目の新春を迎えている三鷹市が当初から掲げてきたのは、「高環境・高福祉のまちづくり」による「人間のあすへのまち」を目指すことです。どんなに社会が変化しようと、三鷹市は、市民本位の立場で高環境・高福祉のバランスをはかるような自治体経営をしてきました。
  さて、先月、日経新聞が公表した環境・経済・暮らしのバランスのとれた持続可能な都市(サステナブル都市)のランキングで、三鷹市は全国の市区で第1位となりました。
  環境では、「緑と水の公園都市」をめざしつつ、「環境基金」を創設し、省エネや新エネルギー利用の促進を奨励し、庁内でも環境管理の国際的認証ISO14001の認証を取得し、環境と財政を両立させる業務改善に力を入れてきました。
  福祉では、国が医療・保健・福祉の制度改革を急速に進める中、独自のセーフティーネットをはかりつつ、少子長寿社会に対応したきめ細かい事業を実践してきました。 
  今こそ、心新たに、「高環境・高福祉」のまちづくりを皆様とご一緒に進めて行きたいと思います。

新春対談 45
俳優の永島敏行さんと清原市長が、「農業」と「食」について語ります。

三鷹市長メールマガジン
市長のメッセージ、活動記録、部課長コラム、新着情報などをお届けします。登録は、三鷹市ホームページまたは携帯サイトからどうぞ。

※詳細はPDFをご覧ください。


※詳細はPDFをご覧ください。


【主】主催者 【人】対象・定員 【日】日時・期間 【所】場所・会場 【¥】費用(記載のないものは無料) 【物】持ち物 【申】申込方法 【問】問い合わせ 【保】保育あり

▲ページのトップへ

目次ページに戻る

トップページへ戻る


三鷹市役所 〒181-8555 東京都三鷹市野崎一丁目1番1号 電話:0422-45-1151(代表) 市役所へのアクセス

開庁時間:月曜〜金曜日の午前8時30分〜午後5時(祝日、12月29日〜1月3日を除く)