緑と水の公園都市 三鷹市
このページは広報みたかのバックナンバーです。 応募・募集・申込期限が終了している場合がありますのでご注意ください。

広報みたか2008年1月1日5面

■新春対談「土が育む実りを未来に残すために」

食の自給率を上げていこう

永島:農業を実践するようになって、地方の行政の方々との関係も深まり、地域再生のお手伝いをするようになりました。3年前からは、三鷹市の友好都市である小谷村でも体験農業を始めています。小谷は中山間地なので、三鷹との交流は小谷にとっても三鷹にとっても大切な気がします。人と物の流通を活性化することで、地方を活性化していくことができればと思います。地方は今、高齢化や過疎化、第一次産業の担い手の減少などで非常に厳しい状況にあります。でも、そんな厳しいときこそチャンス。それが僕の持論です。人は真剣になれば、きっと普通のときより素晴らしいことができるはずです。
清原:地域のことを本当の意味で考えられるのは、その地に生活の基盤を置いている方々だと言えます。ただ、当事者だけで問題を解決しようとすると、堂々巡りをしてしまうことがあります。そんな時に、永島さんのような縁結び的な存在の方が、よい意味で第三者的に、客観的に地域を見つめ、解決の手助けをしてくれることは大切ですね。
永島:役者として、そして農業に携わっている者として、全国各地に行くと、農業と異業種を結びつけているプロデューサーが少ないことを実感します。日本で一番弱い職業はプロデューサー業です。映画や舞台の世界でも同じ。昔はすごいプロデューサーがいました。今は、違う職業の人どうしをつなげて、まとめあげていく人が少ないですね。役者や芸能人にもできることがあるはずです。情報伝達の少ない昔の時代、旅芸人たちは今で言うインターネットだったと思うんです。情報を伝える役割を担っていた。それは今でも変わらない。テレビで地方の特産品を取り上げて、「おいしいですね」と言っているだけでなく、都市と地方をつなげたり、宣伝のお手伝いだってできるはずです。
清原:柔軟な考えで、積極的に農業に携わってきた永島さんですが、今年はどんな抱負をお持ちですか?
永島:今年は、「自給自足キャンペーン」をやります。一般の家庭でも簡単にできることからアピールしていくつもりです。例えば、家のベランダでシソを栽培して、食べたとします。するとその方は、シソの自給率の数パーセントを担ったことになる。体験農業で米づくりに参加してもいい。自分が栽培した農作物の量を自給率の数値に置き換えて、食に関する意識を高めていこうというプロジェクトです。
清原:市内の農家でも援農ボランティアをたくさん受け入れている方がいます。ボランティアの方々に自給率の考え方をお伝えしてみます。
永島:食を通じて、みんなで楽しくいろいろなことを考えていきたいですね。

無駄に思えることが豊かな発想を育む

清原:永島さんは三鷹の自然を気に入ってこの地に住まわれたとおっしゃっていましたが、永島さんの視点で三鷹市の行政に何か提案はありますか?
永島:木製の「道しるべ」を設置したらよいと思いますね。「こっちに行くと公園」「あっちに行くと畑」みたいな感じで。歩いている人たちを、いつもとは違う道に誘導できるし、知らないお店も発見できますよ。
清原:途中下車の発想ですね。
永島:そう、寄り道です。都市では、便利なことばかり考えるけど、無駄という発想がない。一見無駄に思えることが、視点の違う発想を生んでいきます。野菜の無人販売所のマップがあってもいいですね。ぜひ、子どもたちにつくってほしい。自分たちが地域で自慢できるものを発見できますからね。
清原:生活や環境の面では何かありますか?
永島:遊歩道に水辺があったら楽しいと思いますね。道の下は暗きょでも、ちょっとした小川が流れているといい。カルガモなんかが来て、子育てをしてくれますよ。きっと、人も集まります。公園をつくったからこれでいいというのではなく、そこに人が集まる仕組みをつくって初めて事業が完成するはずです。世代を超えた人々が集まれる井戸端のような場所が、これからは大切になっていくと思いますよ。
清原:新川にある丸池がそういう場所です。丸池は、市民のみなさんの提案による市民参加のプロジェクトとして復活したんですよ。また、三鷹市では、昭和40年代半ばからコミュニティセンターを新たな交流の場、活動の拠点として、市民のみなさんの設計でつくってきました。そういえば、永島さんは、コミュニティセンターの運動会にも参加していただいたんですよね。
永島:リレーで1位になって怒られました(笑)。子どもを抜いてしまってね。

子どもを地域で育てる

清原:三鷹市では、小・中一貫教育を地域と一緒にやっていくコミュニティスクールを実践し始めています。地域に開かれた学校教育です。時代は変化していますが、学校を中心としたコミュニティは、子どもだけでなく、大人も、祖父母も、子どものいない人も集まるということが大切だと思います。
永島:僕もそういうことには、ぜひ協力しますよ。自分の子どもが東台小学校を卒業するときには、”そつたい“(=卒業対策委員)をしていましたし、先日も、東台小学校で山村留学のことを話したんですよ。これからは、コミュニティというものをきちんと考えていかなければなりません。
清原:お子さんが卒業されても、地域の方が関わってこそのコミュニティスクールですから。
永島:その通りですね。東台小学校では「地域が子どもを育てる」をテーマに、小谷で山村留学した都会の少年が成長していく過程を記録したドキュメンタリーを観ていただいたんです。最初は寂しがって、ゲームをしたがっていた少年が、1年間で顔つきが変わっていくんですよ。少年から大人にね。子どもは地域で育つものなんです。
清原:子どもを地域で育てるということで言うと、三鷹市では、特に0歳から就学前の子どもたちに対しても、できる限り地域が関われる、保護者だけが子どもの責任を担いすぎないように、支えあえるような体制をつくっています。小学校に入る前から、地域を実感できる関わりをつくっていければと思い、施策を展開しているところです。
永島:僕は役者で留守がちだったから、地域の人たちに助けられたところが大いにあります。これからは自分が何ができるかですね。
清原:これからも、永島さんの活動の一つとして、どうぞ三鷹市とのつながりを広げてくださいね。どうもありがとうございました。

※詳細はPDFをご覧ください。


※詳細はPDFをご覧ください。


【主】主催者 【人】対象・定員 【日】日時・期間 【所】場所・会場 【¥】費用(記載のないものは無料) 【物】持ち物 【申】申込方法 【問】問い合わせ 【保】保育あり

▲ページのトップへ

目次ページに戻る

トップページへ戻る


三鷹市役所 〒181-8555 東京都三鷹市野崎一丁目1番1号 電話:0422-45-1151(代表) 市役所へのアクセス

開庁時間:月曜〜金曜日の午前8時30分〜午後5時(祝日、12月29日〜1月3日を除く)