広報みたか2008年1月1日4面
■新春対談「土が育む実りを未来に残すために」
三鷹市は「緑と水の公園都市」を目標にして、緑地や公園、農地の保全とともに、市民が農業にふれあう施策を展開しています。俳優の永島敏行さんは、映画や舞台で活躍しながら、農業をキーワードに秋田や千葉、長野の農村と都市を結びつける活動を行っています。対談の話題は、農業の活性化や地域の再生、そして三鷹市が目指す新しい時代のコミュニティづくりへと広がりました。
清原慶子市長
Keiko Kiyohara
1951年生まれ。慶應義塾大学、同大学院で学んだ後、ルーテル学院大学文学部助教授・教授、東京工科大学メディア学部教授・学部長を経て、2003年4月に第6代三鷹市長に就任。政府IT戦略本部有識者本部員、総務省情報通信審議会・国土交通省国土審議会・内閣府国民生活審議会・同中央障害者施策推進協議会などの委員も務め、市民と自治体の立場から国に対して意見を表明している。
永島 敏行さん
Toshiyuki Nagashima
1956年、千葉県生まれ。 俳優。映画・テレビ・ラジオ・舞台などで幅広く活躍中。ライフワークで米づくりに参加。農業に強い関心があり、定期的に青空市場を開催している。米づくりを題材にした映画にも出演している。現在、食に関する情報番組『産地発!たべもの一直線』(NHK総合)の司会者も務めている。
食べることをキーワードに
清原:永島さんは三鷹市と調布市の境に住んでいらっしゃるとお聞きしました。この地域を選ばれたのはなぜですか?
永島:僕は出身が千葉なので、自然がある場所に家を建てたかったんです。今の場所は高台で緑が多くて気に入りました。野鳥も多く、冬にリンゴで餌付けしていると20種類以上の鳥たちが庭に来るんです。公園も近いし、遊歩道もある。時間があると、犬の散歩をしながら10キロぐらい歩くんですよ。歩いていると、アイデアも湧いてくるし、台詞も覚えられます。嫌なことがあっても、自然を感じるとき、煮詰まったものが溶けていく。娘が幼稚園に通っていたときには、子どもたちを田植えに連れて行ったこともあるんですよ。
清原:永島さんは農業に関心があるだけでなく、実践されています。農業に携わるきっかけは何だったんですか?
永島:秋田県の十文字町(現在の横手市)での映画祭です。大学時代の仲間と映画祭を立ち上げて、毎年通い始めました。映画祭は監督や役者が主役。でも、地元の人にも主役になって欲しい。そこで、農業体験を企画しました。地元の方々が先生です。それに、子どもも小さかったから泥だらけで楽しむ機会をつくってあげたかった。
清原:でも、楽しむだけでは終わらなかったんですね。
永島:次第に食のことについて考えるようになりましたね。僕のキーワードは食べることです。だって、食べない人はいないでしょ。食べることは必要で、そして楽しい。真剣に食べることを考えれば農業や食の問題は改善されていくはずです。
清原:三鷹市には学校農園が多いですし、保育園や幼稚園の園児も農業を体験しています。食べ物が生まれるプロセスを知っていることは、本当に大切なことです。永島さんの言う通り、食べることほど万人に共通していることはありませんよね。
【主】主催者 【人】対象・定員 【日】日時・期間 【所】場所・会場 【¥】費用(記載のないものは無料) 【物】持ち物 【申】申込方法 【問】問い合わせ 【保】保育あり