緑と水の公園都市 三鷹市
このページは広報みたかのバックナンバーです。
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広報みたか2006年1月1日1面

■「ヒマラヤの朝」 福王寺 法林

 32年前の昭和49年、ヒマラヤの取材が始まった。父法林は53歳、私は19歳だった。ネパールを基地にして、8千メートル級のヒマラヤの山々をヘリで回り、ある時などはシートベルトで身体を固定して、ドアを全開し、ヒマラヤの空気と一体化し、スケッチを続けた。臨場感の中で、父は全身全霊を使って表現した。その制作態度、画家としての姿勢はいつ見ても気持ちが良い。
  氷点下の中、水彩絵具を塗ると見る間に氷結し、その結晶が空の空間に深みをつくる。父は口ぐせのように「自然から教わるつもりで描くことだ」と言っている。厚い雲がおおい、どこに飛行場があるかわからず待機していた時でも、父は雲のスケッチをしている。
  釈迦誕生の地ルンビニには、マヤデビィが沐浴した池やアショカ王の石碑があったが、父は一生懸命に雲のスケッチをしている。釈迦も同じ大地の上に立ち、この空を見上げていたかもしれないと言いながら…。
  真円の太陽と月はマンダラにも通じ、インド、ネパールを経て、チベット密教や真言密教へとつながる。ヒマラヤの垂直に屹立する山々は、世界の中心にそびえたつ須弥山のイメージ、陰陽五行に基づいたアジアの宇宙観を父が感じとっていたことは間違いない。
  岡倉天心先生が「アジアは一つ」と言い、横山大観先生には富士山の名品が多数ある。父は院展の先輩の先生方に学び、自然から教わる事を基本とし、ヒマラヤに自分の気持ちを託し描き続けている。
(福王寺一彦 記)

 昨年、三鷹市名誉市民となられた日本画家の福王寺法林さんは昭和28年から牟礼にご在住です。若いころは三鷹での生活や風景を描いた作品で、昭和49年からは有名なヒマラヤシリーズなどの力強い作品で知られています。
  掲載の「ヒマラヤの朝」は平成16年の文化勲章受章後、最初に描かれた作品で、三鷹市に寄贈していただきました。
  現在も牟礼のアトリエで、無名のころから画家としての福王寺さんを支え続けた奥様とともに活動中。ご子息の福王寺一彦さんも平成13年に日本芸術院賞を受賞されるなど、日本画家としてご活躍中です。


■市長コラム 三鷹市長 清原慶子  「安全安心」と「信頼」

 新年おめでとうございます。
  昨年、市制施行55周年を迎えた三鷹市では、9月に市議会で、市民参加と協働のまちづくりのさらなる発展をめざすための「三鷹市自治基本条例」が可決され、今年の4月1日から施行されます。
  1970年代から、コミュニティ活動など幅広く「市民参加」に取り組んできた三鷹市は、「高環境・高福祉」のまちづくりを、市民の皆さんとともに「協働」で進めてきました。
  私は市長に就任してから3回目の新年を迎えていますが、「高環境・高福祉」に加えて取り組みを強化してきたのは、「安全安心」のまちづくりに関わる政策です。
  今、電話を利用した詐欺や青少年を巻き込む犯罪などの多発による不安、大地震・都市型水害などの発生や建築物に関するアスベスト・耐震度などへの不安、長寿化によって長くなった老後への不安など、解決すべき多くの課題があります。
  市は関係機関との連携をより密接にしながら、こうした課題解決に積極的に取り組んでまいりますが、何よりも市民の皆さんと行政との信頼、市民の皆さん同士の信頼が不可欠です。今年も、着実に信頼を深め、安全安心度の向上に全力を尽くしてまいります。

新春対談 4面5面
  国立天文台長として活躍する海部宣男さんと清原慶子市長が語り合います。


※詳細はPDFをご覧ください。


【主】主催者 【人】対象・定員 【日】日時・期間 【所】場所・会場 【¥】費用(記載のないものは無料) 【物】持ち物 【申】申込方法 【問】問い合わせ 【保】保育あり

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