緑と水の公園都市 三鷹市
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広報みたか2006年1月1日5面

■新春対談 2/2

宇宙を身近にしてくれる新しい試みと交流

清原 昨年10月、14の教育・研究機関のご協力で、三鷹ネットワーク大学をオープンさせていただきました。検討の当初はご参加いただけるか不安はありましたが、各機関の代表者から「地域に開かれた教育・研究機関でありたいし、そのために協力したい」という心強いお言葉をいただき、とても励まされました。国立天文台も積極的に参加してくださいましたね。
海部 一般の方々に天文学研究の成果を分かりやすく伝えることは大切です。3年ほど前からスタートした「4次元デジタル宇宙シアター(※1)」の開発も、その一環です。これは、科学的データで構成した宇宙の立体的な映像を、時間の流れを自由に行き来しながら見せていくものです。星の誕生から宇宙の構造と運動、進化を体験していただく試みです。
清原 私もこれには感動しました。研究の成果を一般の人にも分かりやすく、そして感動とともに見せていただくと、科学は一部の専門家のためだけにあるものではないことを実感できます。開かれた国立天文台を象徴する企画ですね。それとネットワーク大学での「アストロノミーパブ(※2)」も新しい試みですね。
海部 これは、週末の夜に、グラスを片手に専門家の気の利いた星の話を聞くサロン的な講座です。講義と違って、気軽に対話ができるのがよいですね。
清原 日中にお仕事をされている市民の皆さんが参加できる時間帯なのがうれしいです。
海部 皆さん、知りたい気持ちはありますからね。天文学は生活には直結しませんが、大変おもしろい学問です。自分たちが住んでいる世界の仕組みを、宇宙の観点から知ることができますからね。
清原 私たちは、太陽を自分の元気の象徴にしたり、夜空の星に想いをはせたり、月を目安にしたりします。日々の暮らしの多くは、太陽と月と星によって支えられています。私たちにとって大切な存在として宇宙がある。国立天文台があることで、三鷹市民は宇宙や科学を身近に感じられると思います。
※1「4次元デジタル宇宙シアター」
   最新の天文学の成果を立体映像で紹介するもの。ダイナミックな科学的映像は、アマチュアから研究者まで満足できるものです。
※2「アストロノミーパブ」
   研究者とゲストのトーク(30分程度)後、市民と研究者が立食形式でフリートークを行う三鷹ネットワーク大学の人気企画。

 

小中学校は、地域の大学や研究機関をもっと利用して

清原 海部さんは、国立天文台の公開やネットワーク大学への参加を通じて、科学と社会のあるべき関係について実践されてこられました。これからはどんなことを実現されたいですか?
海部 まずは、小中学校と一緒に何かやりたいですね。
清原 子どもたちと一緒にですか?
海部 そうです。実は以前、私の母校でもある三鷹市立第四小学校にNHKの「課外授業・ようこそ先輩」という番組で訪れる機会がありました。同校は、今の教育長が校長先生をしていた時からの取り組みで、子どもたちがさまざまなことについて学べる地域の方による課外サークルがたくさんあるということでした。でも、科学についてのサークルが一つもないのです。これはちょっと残念でした。科学は難しいという意識がまだまだ強いからでしょうね。小中学校の教育に、大学や科学者、研究機関をもっと利用できるような仕組みをつくれないかと考えています。
清原 三鷹市のコミュニティスクール構想にぜひご協力ください。
海部 コミュニティスクール?
清原 実は、今年の4月から三鷹市では、小・中一貫教育校の取り組みをスタートします。それに連動するのがコミュニティスクール構想です。学校を教職員と生徒だけでなく地域にも開かれたものにする取り組みです。地域の皆さんに、学校の運営にどんどん参加していただくという構想です。国立天文台にもぜひご協力をお願いしたいと思います。教育内容の深化が図れると思います。

 

これからの市民のために暮らしと科学をつなげる

清原 今、地球温暖化をはじめとする環境問題が世界で共通の課題になっています。環境に注目してよりよい社会を実現するためには、身近な暮らしだけではなく、地球、そして宇宙という大きな視野が必要なのではないでしょうか?
海部 その通りです。だからこそ、小中学校との連携もそうですが、科学をもっと市民に身近なものにする必要があるのです。例えば地球温暖化ですが、そのメカニズムはまだよくわかっていません。ただ、天文学とも密接な関係があるのは確かです。
清原 暮らしに直結する地域や地球の環境問題とも宇宙の研究はつながっているということですね。
海部 そうです、これからの市民にとって科学的な視点で自分の身の回りを理解することは、子どもたちの将来のためにも大切になりますね。
清原 私たち人類一人ひとりの人生は宇宙の歴史から見たら一瞬かもしれません。しかし、その一瞬を生きる私たちが正しい科学知識を持つことで、今までの歴史を尊重しながら、次の未来をつないでいくための正しい選択ができるのではないかと思います。
海部 市民が科学に関する理解を深めていくうえで、大学や研究機関は大きな役割を果たしていくことができるでしょう。そのためにも、ネットワーク大学のような科学と市民の交流の場をもっとつくらなければなりません。私は以前から、国立天文台を「科学公園」としてさらに一般に開放し、交流していく夢を持ってきたんです。
清原 国立天文台の「科学公園」化構想!それはすばらしいご提案ですね、ぜひその実現に向けてご一緒させていただきたいと思います。三鷹にある国立天文台が、科学はあらゆる人に開かれているものであることを、これからも発信されていかれるように期待します。

※詳細はPDFファイルをご覧ください。


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