緑と水の公園都市 三鷹市
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広報みたか2006年1月1日4面

■新春対談 1/2

三鷹市には日本の天文学研究の中心地、国立天文台があります。
2000年、台長に就任した海部宣男さんは、
子どもの時から三鷹市と縁が深い。
野辺山の電波望遠鏡やハワイのすばる望遠鏡を手がけた
天文学の専門家は、科学と社会の関係を深めるために
その門を市民に開きつづけています。
対談の話題は、三鷹ネットワーク大学や学校教育との連携、
「科学公園」構想などに広がりました。

門を開いて待っているだけでは、 まだまだ不十分。
三鷹ネットワーク大学に参加したことは僕らにとって、
グッドタイミングでした。

海部宣男

海部宣男さん
Kaifu, Norio
1943年生まれ。天文学者、理学博士、国立天文台台長。東京大学、同大学院で学んだ後、東京大学東京天文台(現国立天文台)野辺山宇宙電波観測所の45m電波望遠鏡などの建設に従事し、ハワイのすばる望遠鏡を建設、初代ハワイ観測所所長となる。2000年に国立天文台の3代目台長に就任。南米・チリに建設中の新しい国際電波望遠鏡ALMAプロジェクトにも日本を代表して参画。

私たちにとって大切な存在として宇宙がある。
国立天文台があることで、三鷹市民は宇宙や科学を
身近に感じられると思います。
清原慶子

清原慶子市長
Kiyohara, Keiko
1951年生まれ。慶應義塾大学、同大学院で学んだ後、ルーテル学院大学文学部助教授・教授、東京工科大学メディア学部教授・学部長を経て、2003年4月に第6代三鷹市長に就任。政府IT戦略本部有識者本部員、総務省情報通信審議会・国土交通省国土審議会・内閣府国民生活審議会・同障害者施策推進協議会等の委員も務め、市民と自治体の立場から意見を表明している。

 

天文学の中心地、三鷹に通い続けてきた40年間

清原 海部台長さんは、三鷹にご縁が深いとお聞きしたのですが。
海部 そうなんですよ。少年時代に三鷹市立第四小学校に在籍していた時期がありましてね。中学のころは天文少年でしたから、三鷹の東京天文台(当時)にも見学に来ました。
清原 天文少年が研究者として三鷹に戻って来られたわけですね。
海部 ええ。東京大学の大学院に進んだとき、研究したかった宇宙電波の研究グループは、三鷹にしかありませんでした。天文台の先生方の下で一緒に研究をさせていただき、東大理学部の助手になっても三鷹に通っていました。
清原 それからずっと三鷹にいらしたのですか?
海部 長野県の野辺山に宇宙電波観測所を設立するプロジェクトで、10年ほど現地に住み着いていました。会議でしょっちゅう三鷹には来ていましたけれど。1997年からは、すばる望遠鏡づくりのラストスパートで、ハワイ暮らしでした。
清原 そして、2000年には天文台長として戻って来られたわけですね。
海部 研究者として三鷹に通い始めて、今年で足かけ40年になりますよ。
清原 40年ですか!
海部 ハワイのすばる望遠鏡や先ほどの野辺山の観測所など、日本は優れた観測施設を持っていますが、それらは国立天文台が建設・運用しています。三鷹はその本部として、多くの研究者が研究や開発を行っています。日本の天文学のみならず、世界の天文学の中心地の一つなのです。

最先端の研究も市民の理解から 国立天文台を常時公開

清原 海部さんが台長になられて、天文台の常時公開を始めていただきました。これは、三鷹市民はもちろんのこと、一般の人々にとっても喜ばしいことだと思います。
海部 僕自身が天文少年でしたし、科学が市民にとって身近なものになってほしいといつも願っていました。でも、天文台の公開という点では野辺山の宇宙電波観測所の設立に関わったことが大きかったと思います。
清原 それはどういった取り組みだったのですか?
海部 このプロジェクトは予算が100億円以上だったんですよ。
清原 大変な金額ですね。
海部 基礎科学プロジェクトでは当時、日本最大です。さすがにそれだけの予算を使う意味を考えました。そのときにひらめいたのは、日本の人口で割ると一人あたり100円を出してもらっている計算になるんだということ。国民一人ひとりが「100円出してよかったな」と思える結果を出そうと決意しました。でも、どんなことをやっているかを国民に伝えなければ「よかったな」と思ってもらえません。だから全面公開にしたのです。
清原 私も、実は1983年に初めて見学させていただきました。これほど立派な施設に自由に出入りできるなんて、施設もさることながら、公開そのものに当時はびっくりした記憶があります。
海部 何をやっているかを知ってもらいたい、という点では三鷹の国立天文台も変わりません。私が台長になる以前から、一般への公開をしようという気運が少しずつ高まり、就任直後に準備が整って常時公開を始めたわけです。
清原 私も市長として、行政のコストのこと、その必要性を市民に説明することは常に意識し続けていることです。国立天文台でも同じなんですね。望遠鏡で収集したデータをスーパーコンピューターで解析する最先端の研究も、皆さんからお預かりした税金で行う。そのためには、皆さんに理解していただき、支えてもらうことが大切ですね。常時公開をしていただいて、市民にも、天文台の研究や存在がぐっと身近になりましたね。
海部 門を開いて待っているだけではまだまだ不十分。三鷹ネットワーク大学に参加したことは僕らにとっては、グッドタイミングでした。

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