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介護保険制度の見直しに係る意見・要望(平成23年11月7日)
作成・発信部署:企画部 市長室
公開日:2011年11月10日 最終更新日:2011年11月11日
介護保険制度の見直しに係る意見・要望の提出について
23三健高第1286号
平成23年11月7日
厚生労働省
厚生労働大臣 小宮山 洋子 様
三鷹市長 清原 慶子
介護保険制度の見直しに係る意見・要望の提出について(要請)
現在、全国の市区町村では、第五期介護保険事業計画策定に向けた検討が進められています。
三鷹市ではこれまで、国の方針に先駆けて新たな支え合い(共助)の仕組みである「地域ケアネットワーク」の取り組みを進めるなど、少子高齢社会を見据えた事業の推進を図ってきました。今後も、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために、多様な取り組みが一層求められています。
しかしながら、東日本大震災による経済状況の一層の悪化や、昨今の雇用・所得状況などを反映した市税の減少が見込まれる一方で、今後も社会保障費の増加が想定されるなど、市を取り巻く財政状況は非常に厳しいものとなっており、地方交付税の不交付団体である三鷹市においては、自助努力も限界に近づきつつあります。
今年の6月には介護保険法の一部が改正され、その後、国の方針案が示されつつありますが、上記のような厳しい状況の中で、介護保険制度を持続可能な制度とするためには、地域の実情等を十分に踏まえた制度運営が不可欠であると考えます。
そこで、保険者である三鷹市として、市民の要望を踏まえ、今後のよりよい介護保険制度の実現に向けた意見・要望を下記のとおり取りまとめました。
国におかれましては、これらの意見・要望を尊重し、制度の運用と見直しを進めていただきますよう特段のご配慮をお願いいたします。
記
1 介護報酬区分は地域の実情を踏まえた見直しを
国で検討されている地域区分の見直し案では、国家公務員の地域手当や診療報酬における地域加算の区分を参考に見直すとされ、この案によれば、三鷹市の10%に対し、隣接する武蔵野市は15%、区部の杉並区、世田谷区は18%の地域加算となっている。
しかしながら、都の調査によると、これらの地域と三鷹市の給与水準、家賃水準はほぼ同じである。また、いずれの隣接自治体も相互の市民の日常生活圏域であり、地域区分の設定が検討案のとおりとなれば、地域加算の低い三鷹市から事業者が撤退し、隣接自治体に移転するという事態が起こりかねない。
したがって、他制度に準拠した新たな地域区分を機械的に割り当てることは不合理であり、地域の実情を踏まえた見直しを図られたい。
2 地域支援事業は地域の実情を踏まえた見直しを
地域支援事業の事業規模については、給付見込額の3%の範囲内(そのうち、「介護予防事業」2%以内、「包括的支援事業・任意事業」2%以内)という限度額が定められている。給付見込額の3%枠の撤廃、「介護予防事業」「包括的支援事業・任意事業」各2%枠の見直し等、保険者が地域の実情にあわせて適切な運営ができるよう制度の見直しを図られたい。
3 介護人材確保に向けた支援を
平成23年度までの一時的な予算措置として、介護職員処遇改善交付金の交付が行われているが、このような一時的な措置では、人件費や物件費の高い東京において、介護職員の継続的な処遇改善を行い、質の高い介護サービスを提供していくことは困難である。
国においては、引き続き介護職員の収入確保に結びつけるための制度の整備を図るとともに、介護従事者の社会的地位の向上を図るなど、介護人材の確保に向けた取り組みの強化を図られたい。
4 法定負担分の確実な交付及び調整交付金制度の見直しを
国の法定負担分25%のうち5%(調整交付金分)は、75歳以上の高齢者数が少ない等の算定根拠により三鷹市は減額交付されている。このため、第1号被保険者の保険料負担増につながっている。国においては、第1号被保険者の負担増につながらないよう、25%の法定負担分の確実な交付を行うとともに、現行の調整交付金制度の見直しを図られたい。
5 低所得者へのセーフティネットについては国制度として整備を
これまで三鷹市では独自のセーフティネットとして、保険料の個別軽減制度や、訪問介護等の利用料の軽減制度等を実施してきた。
しかしながら、経済状況が厳しさを増す中、こうした保険者による独自の努力も限界にきている。必要なときに必要なサービスを安心して受けられるように、低所得者のセーフティネットについての抜本的な検討・見直しを行い、財政負担を含め国の制度としての実施をされたい。
6 指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の整備の財政支援を
入居待機者の現状や入居者の費用負担等の観点から、従来型(多床室型)の特別養護老人ホームも有効であり、その開設を認めるとともに、用地取得費を含む整備に係る財政支援について十分な財政措置を講じられたい。
7 要介護認定有効期間の延長を
長寿化の進展に伴い、要介護認定申請は毎年伸びており、市の事務処理においても、運営などに多くの負担がかかっている。また、新規申請や区分変更申請は有効期間が短いため、市の負担だけでなく、認定申請者にとっての負担も大きくなっている。
一方で、都の調査によると、重度者を中心に24カ月以上の長期にわたり、状態が安定しているケースが相当程度見られるとのことである。
ついては、要介護認定審査にあたっては、新規申請の有効期間を12カ月(1年)に見直すとともに、更新申請時の認定有効期間を最長36カ月(3年)まで延長するなど、認定事務の簡素化を図られたい。
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